夏を快適に過ごす住まいの暑さ対策(家づくり&屋外編)

みんなでつくる住まいの手引き | 2024.7.26

「みんなでつくる住まいの手引き」では、快適な暮らしに役立つ知識や住まいを長持ちさせる適切なお手入れ方法をお伝えします。無印良品の家のスタッフによるノウハウと、実際のご入居者さまのアイデアもご紹介します。
あなたも一緒に「賢い住まい手」を目指しましょう。

今回のテーマは「住まいの暑さ対策(家づくり&屋外編)」。前回は手軽にできる室内向けの暑さ対策をご紹介しましたが、今回は家づくりの段階で気を付けておきたいポイントや窓の外側や外構部分の工夫などについてご紹介します。

【目次】
1.暑さ対策は「家づくり」からはじまる
2.窓の外側、気にしていますか?
3.外構でできる6つの暑さ対策
4.夏も快適な無印良品の家のひみつ

1.暑さ対策は「家づくり」からはじまる

見た目は同じ家だとしても、素材や設計の違いによって空間の心地よさは大きく変わります。家を建てる段階でしっかりと対策をしておけば、エアコン効率や快適性が向上し、永く心地よい空間を保つことができるのです。

家づくりにおける暑さ対策のポイント

①遮熱性の高い窓
窓・玄関・勝手口といった開口部は、住宅の中で最も熱の出入りが多い部分です。夏の昼間(冷房時)において、住宅への熱の出入りは開口部経由が73%を占めているというデータもあります。開口部の中でも開閉する機会も設置数も多い窓は、暑さ対策のカギを握っていると言えます。

具体的には遮熱性の高い素材や仕組みを用いたサッシや窓ガラスを選ぶことが、効果的な暑さ対策となります。たとえば3層のガラスを用いた「トリプルガラス」は、ガラスとガラスの間に空気の層を生み出すことで遮熱効果を高めるという仕組みです。ちなみに自動車は窓が一枚のガラスで作られているため外気の熱が伝わりやすく、車内が暑くなってしまいます。
※出典:(一社)日本建材・住宅設備産業協会 省エネルギー建材普及促進センター「省エネ建材で、快適な家、健康な家」より

②自然光を意識した設計
夏場の直射日光を遮るために庇(ひさし)を設けるなど、設計段階で熱を室内に入れないために工夫することもポイントです。ご近所の家をぱっと見ただけでは気が付かないかもしれませんが、窓の位置や大きさ、庇の形状などは、季節に応じた暮らしやすさを考慮した設計が行われています。

③ひんやり感を持続させる断熱材
断熱材の仕組みは魔法瓶と似ています。つまり、室内を冷やすとひんやりとした時間が長持ちするということ。高断熱性の素材を使うことで、小型のエアコンでも効きが良くなったり、電気代が抑えられるといったメリットがあります。

Q.家づくりの際に暑さ対策を重視しましたか?

無印良品の家の住まい手にアンケートを実施しました。「暑さ対策を重視した」と回答したのは全体の6割弱でした。年々暑さが厳しくなっている日本の夏。これからの家づくりは暑さ対策がますます大切になりそうです。
(アンケートについて:2024年7月 無印良品の家公式インスタグラムにて実施)

2.窓の外側、気にしていますか?

前回の住まいの暑さ対策(室内編)では、大切なポイントは窓まわりだとお話ししましたが、「窓の外側に何があるか?」ということも、とても重要です。温まりやすい「熱源」となるものが窓の近くにあると熱い空気が窓に押し寄せてくるため、体感的に涼しさを感じにくくなるのです。

熱い空気がつくられやすい場所とは?

以下のような場所は、表面温度が50℃を超えるほどの高温になります。
・コンクリート製のバルコニーがある
・アスファルトの道がある
・自転車が置いてある場所
・隣家の屋根が近い場所

こうした熱源になりやすい場所に対しては、外構の工夫によって熱の影響を受けづらい環境をつくることができます。

3.外構でできる6つの暑さ対策

窓の外側の環境は、住まい手の工夫で改善できます。今回は比較的手軽に取り組める工夫(レベル1)と少し時間や手間が必要な工夫(レベル2)に分けて外構の6つの暑さ対策をご紹介します。

レベル1(手軽にできる)

①打ち水
路面やベランダなどに水をバシャバシャと撒く打ち水。これは水が蒸発する際に熱を奪う気化熱という原理を利用した涼の文化です。朝夕の比較的気温が低い時間帯に行うと、ひんやり効果が持続します。さらにお風呂の残り湯や雨水を利用して打ち水をすれば、環境にやさしいエコな暑さ対策になります。
②すのこ
コンクリート製のベランダがあるご家庭などにおすすめなのがすのこの活用です。すのこを置けばコンクリートへ日光があたるのを防げるため、床面の熱さが和らぎます。すのこは湿気が溜まるとカビが生えることもあるため、定期的なお掃除で清潔に保ちましょう。
③すだれ・シェード
窓の外側に取り付けることで、窓枠やガラスを日光から守ってくれるすだれやシェード。和風のすだれだけでなく、カラフルなものや柄付きのシェードなども販売されています。住まいの雰囲気に合わせて商品を選ぶのも楽しそうです。

レベル2(多少時間や手間が必要)

レベル2の対策は、植物を育てる楽しさもある暑さ対策です。今年の夏に間に合わせるのは難しいですが、来年に向けてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

④緑のカーテン
窓辺でつる性の植物を育てる、 いわゆる「緑のカーテン」や「グリーン カーテン」も、すだれやシェードと同様に窓を日光から守る効果があります。

<緑のカーテンに適した植物>
花や実をつけるアサガオフウセンカズラは鑑賞用としても楽しめます。またゴーヤヘチマなど、お料理にも使える夏野菜を使うのもおすすめです。なかでもゴーヤは日陰をつくるのにちょうど良い葉の大きさと茂り具合 で、病虫害にも強い点が特長です。

⑤落葉樹を窓の近くに植える
植樹のメリットはいろいろ。木陰をつくるとともに、葉から水分を蒸散させる時の気化熱が周辺温度を下げてくれる効果もあります。落葉樹の場合、夏は木陰をつくりますが冬は葉が落ちて日光が入り、季節の移り変わりも知らせてくれます。さらに風の方向を変えて窓に導く「ウインドキャッチャー」としての役割も果たします。
⑥芝生やグランドカバー
天然芝を植える芝生や、背丈が伸びない草類で地面を覆う「グランドカバー」も暑さ対策に有効です。熱くなった地面は特に身長の低い子どもやペットが影響を受けやすく、暑さによって体調不良を招くリスクもあります。グランドカバーはコンクリートに比べて日光や熱の反射を抑制するため、地面の温度上昇もゆるやかにしてくれます

<グランドカバーに適した植物>
グランドカバーに適しているのは、常緑性の多年草、かつ地面を這うように育つほふく性のある植物です。丸っこい葉がかわいらしいダイカンドラ(ディコンドラ)や、小さな花をつけるクラピア、花や香りを楽しめるクリーピングタイムなどのハーブ類がよく使われています。

Q.屋外で行っている暑さ対策を教えてください

無印良品の家の住まい手にアンケートを実施しました。植物を活用している方が多く、景色を楽しみつつ暑さ対策をされているようです。
(アンケートについて:2024年7月 無印良品の家公式インスタグラムにて実施)

・芝生等植栽、夕方の水まき。
・植栽!庭に木があるとだいぶ違います!
・窓が多いので、すだれを立てかけてます
・水を撒く
・芝生がんばってます!緑があると気分もさわやか!
・木を植える

4.夏も快適な無印良品の家のひみつ

無印良品の家がこだわっているのは、暑い夏も寒い冬も、健康で快適に過ごせる家づくり。エアコンを使いすぎず、効率的に心地よさを生み出します。お客さまからは「以前の家よりも広くなったけど、電気代が安くなった・変わらなくて驚いた」という声も頂戴しています。

無印良品の家が快適な理由

ダブル断熱工法

外断熱に加えて、柱の内側に断熱材を充填する内断熱を行う「ダブル断熱工法」を標準採用。内断熱だけの場合、柱や梁などの構造材が熱の逃げ道になってしまいますが、この部分を外断熱がすっぽりと包み込むため、高い断熱性能を実現します。魔法瓶のような構造により、エアコン効率を高め、電気代も抑えられます。

アルミ樹脂複合トリプルガラス

無印良品の家はトリプルガラスを標準採用しています。ガラスの内外2枚にLow-Eガラス(特殊金属膜の効果で紫外線や日射熱などのカット率を高め、断熱性能や遮熱性能が向上したガラス)を使用し、ガラスとガラスの間に熱伝導率を約30%抑えるアルゴンガスを封入することで、優れた断熱性能を発揮します。

室内環境シミュレーション「+AIR(プラスエアー)」

設計時にも、季節や時間ごとに変わる家と日当たりの関係を細かくシミュレーションし、敷地内における建物の配置やゾーニング、効果的な窓や庇の配置を行います。こうすることで、夏は太陽の熱を遮り、冬は陽だまりを作ることを可能にします。

無印良品の家は、これらの工夫によって断熱性能等級6、一次エネルギー消費量等級6(最高ランク)に対応。さらに高断熱仕様「窓の家」なら、断熱性能等級7(最高ランク)にも対応可能です。
※断熱等性能等級はお選びいただく商品や間取り、お客様の建築地によって異なります。

無印良品の家の性能について詳しくはこちら >>

全国のモデルハウスでは、直射日光を防ぐηAC値や断熱性能を高めるUA値など、住まいの快適性に関する数値を公開しています。ご興味のある方は、ぜひお近くのモデルハウスまでお問い合わせください。