梅雨を心地よく過ごす住まいのカビ対策

みんなでつくる住まいの手引き | 2024.5.27

住まいは何十年もの時間を共にする大切な場所。だからこそ、あなたや大切な人が健やかなくらしを送るために、快適で安全な場所にしておきたいですよね。

「みんなでつくる住まいの手引き」では、快適な暮らしに役立つ知識や住まいを長持ちさせる適切なお手入れ方法をお伝えします。無印良品の家のスタッフによるノウハウと、実際のご入居者さまのアイデアもご紹介します。

あなたも一緒に「賢い住まい手」を目指しましょう。

春も終わりを迎え、そろそろ梅雨本番。あのジメジメとした空気は少し憂鬱ですね。そしてこの時期はカビに悩まされる方も多いのではないでしょうか?お風呂場などの水廻りや、空気が滞りがちなクローゼットなど、あらゆるところにカビのリスクが潜んでいます。

健康にも害を与えるカビはなんとしても防ぎたいもの。そこで今回は、梅雨に知っておきたい「住まいのカビ対策」についてご紹介します。

【目次】
1.カビは人の体にどう影響する?
2.カビが好きな条件を知っておこう
3.無印良品の家の住まい手にカビの悩みを聞いてみました
4.カビ予防の基本は「換気」と「除湿」
5.住まいのカビ対策「7つの工夫」
6.カビに強く梅雨も快適に過ごせる家づくり

1.カビは人の体にどう影響する?

カビを放っておくと、早ければ2,3日で目に見えるほどに増殖します。カビが増殖した空間に居続けることは、住まい手の体にさまざまな悪影響を与えます。一度繁殖したカビは取り除くのもひと苦労ですから、カビが発生する前の予防が大切なんです。

カビが人に与える影響って?

アレルギーの引き金になる
カビは空気中に胞子を放出します。人がカビの胞子を吸い込むと、アレルギー反応を起こし、鼻炎や気管支喘息、アトピーなどを発症する可能性があります。

感染症にかかる
カビや胞子が肌にふれることで、真菌性肺炎や白癬菌による皮膚真菌症(水虫)、食道炎や胃腸炎、髄膜炎などの感染症を引き起こす可能性があります。

シックハウス症候群の原因になる
カビやダニの糞尿や死骸はハウスダストとなり、シックハウス症候群を引き起こすことの原因の一つです。シックハウス症候群の症状は倦怠感や頭痛、肌の痒みや腫れ、めまい、頭痛、咳、鼻水など多岐に渡ります。

小さな子どもや高齢者、ペットは要注意
免疫力が発達していない小さな子どもや、免疫力が低下している高齢者はカビの影響を受けやすいため、注意が必要です。また犬や猫、ハムスターやウサギなどの動物は人間と免疫力の程度が異なることに加えて、床に鼻を近づけてニオイを嗅ぐ習性を持つものもいます。ニオイを嗅ぐ際にカビの胞子を吸い込む機会が多いため注意が必要です。

暮らしの拠点である家にカビが根付いてしまうと、常にカビの胞子を吸い込む状態となり危険です。原因不明の体調不良は住まいのカビのせいだったということもあるかもしれません。

2.カビが好きな条件を知っておこう

カビが増殖するために重要なものの一つが水分です。湿度が高い=空気中の水分が多いということですから、湿度の高い環境ではカビの胞子が活性化し、増殖するスピードも速くなります。そのため、梅雨の時期は普段よりも家の湿度管理に気を配る必要があります。

カビが生えやすい5つの条件

湿度が60%以上の環境
温度が20~30℃の環境
③地面に近い低層の場所
風通しが悪い場所
垢やホコリが多い場所(垢やホコリはカビの栄養分になります)

地域特性によって湿度が高い場所もある
梅雨に限らず、湿度が上がりやすい特性を持つ地域もあります。とくに山や海が近い場所は湿度が上がりやすい環境です。山の近くの斜面は山の森林から蒸発した水分の影響を受けるほか、地形によっては風が遮られ、通風が悪くなる場所もあるでしょう。埋立地のような海に近い場所は海水の蒸発により湿度が高くなります。

新築の住宅は注意
新築の住宅はコンクリートが乾ききるまでに時間がかかり、湿度が溜まりやすい(結露発生)傾向があります。目安として完成後1,2年は注意しておきましょう。

3.無印良品の家の住まい手にカビの悩みを聞いてみました

「住まいでカビに悩んだことがある」と答えた方が多数を占め、なんと全体の78%にもおよびました。戸建ての住まいは地面と近い低層階のため、カビのトラブルが発生しやすいようです。カビを予防するために、みなさんさまざまな対策をしていました。

Q.家の中でカビに悩まされたことはありますか?

Q.カビの予防対策は何をしていますか?
・換気をこまめにして、お風呂はカビ予防の燻煙剤を使う
・とにかく換気ですね!
・押入れなどはあけっぱなしにする
・除湿器を使う
・外からかえってきたら靴の土を払います(土の中にカビ菌がいる)
・カーテンを頻繁に洗います
・窓を開けて換気をします。こまめに掃除し、水回りは水滴を拭きます。
・お風呂上り、気力のある日はタオルで拭き上げる
・部屋干ししない

4.カビ予防の基本は「換気」と「除湿」

カビを予防するために最も大切なことは換気ですが、梅雨時や住まいの環境によっては通常の換気だけではカビを防ぎきれないこともあります。正しい方法で換気を行うとともに、状況に合わせて除湿機を併用し、心地よい室内環境を保ちましょう。

カビ予防に効果的な換気とは?

24時間換気システムを正しく使う
2003年7月1日以降に建てられた住宅は、法律で24時間換気で1時間あたり部屋の半分の空気を入れ替えることが義務付けられており、自動的に換気を行う「24時間換気システム」が設置されています。24時間換気システムをたまに止めていたり、給気口を閉じているなどしていませんか?正しく換気が行われるように、いま一度24時間換気システムの使い方について見直してみましょう。

自然換気のポイントを理解しよう
築年数の古い住宅にお住まいの場合などは、効果的な自然換気のコツをつかんでおくと安心です。換気の頻度や給気と排気がスムーズに行われるには開ける窓の位置が大切になります。

■24時間換気システムの正しい使い方・自然換気のポイントは、以下のコラムで詳しく解説しています。
【住まいの手引き】花粉から家族を守る住まいの換気

住まいに合った除湿機選びのポイント

除湿機は3種類ある
除湿機には動作原理によって3種類のタイプがあります。空気中の水分を冷却し、結露させて除湿するコンプレッサー式、乾燥剤(デシカント)で空気中の水分を吸い取り、ヒーターや熱交換器を使って液体の水に戻して排水するデシカント式、コンプレッサー式とデシカント式の両方の機能を搭載したハイブリッド式があります。

気温が高い時期におすすめのタイプは?
梅雨時や夏はヒーターを使わず、室温を上げないコンプレッサー式が使いやすいでしょう。ただし、振動音が大きいため、寝室などには不向きです。時期や使う場所に応じて選ぶことをおすすめします。

使う部屋の広さと除湿能力の関係
使用する部屋が広い程、除湿能力が高いものが必要になります。除湿能力は1日あたりの除湿量(L/日)で表されており、目安となる部屋の広さが記載されている場合もありますので、参考にしてみてください。

排水タンクの容量をチェック
排水タンクの容量が大きければ、排水を捨てる手間は減ります。一方で、満タン状態のタンクは重くなります。高齢の方などが使う場合は重すぎる排水タンクは使い勝手が悪くなりますから、排水タンクの容量は生活に合わせて選びましょう。

5.住まいのカビ対策「7つの工夫」

住まいには荷物の置き方や部屋の用途などに応じてカビのリスクが高まる場所があります。日頃の生活を見直すだけでも、カビに負けない心地よい住まいに改善できます。

カビを予防する7つのポイント

①湿度を気にする習慣づけ
湿度計を設置してチェックする習慣をつけると、自然換気や除湿機を適切なタイミングで行えるようになります。カビが好む湿度60%を目安に、日頃から湿度計をチェックしてみましょう。

②扉付き収納は風通しに気をつける
クローゼットや押し入れに、衣類や荷物を詰め込み過ぎてはいませんか?扉を閉める収納は通風が悪くなり、カビの温床になりがちです。物と物の間に空間を空ける、サーキュレーターで風を送るなど、風通しを良くするように心掛けましょう。

③家具や家電と壁の間もカビスポット
家具や家電が壁と密着していると湿気がたまりやすくなります。外付けの棚やカラーボックス、冷蔵庫などは壁との間に少しすきまを空けておきましょう

④水廻りの水分は拭き取っておく
シンクや洗面台、お風呂などは使い終わったら水分をふき取っておきましょう。カビの多くは50℃以上のお湯で死滅しますので、お湯をかけてから拭き取ると安心です。

⑤靴箱・ベッドの下には除湿アイテムを活用
靴箱は湿度が上がるとカビだけでなく、においが気になる場合もあります。ベッド下は見落としがちな場所ですが、収納付きのものなど、床との間にすきまが少ないと通風が悪くなるため要注意。除湿剤やベッドの下に敷く除湿シートなどを活用しましょう。

消臭機能付き くりかえし使える除湿剤
紙おむつにも使われる、吸湿・消臭機能に優れた素材を使った除湿剤です。コンパクトサイズで軽く、さまざまな場所に使えます。日陰干しすることで、くりかえし使えます。(使用開始から3年を目安に新しいものと交換してください)

商品情報はこちら >>

⑥こまめな掃除を心がける
湿度だけでなく、塵やホコリもカビの好物です。ホコリが溜まりやすい場所を重点的に、日頃からこまめなお掃除を心掛けましょう。

⑦部屋干しにもひと工夫
室内干しは洗濯物が乾くまで時間がかかり、お部屋の湿度も上がりやすくなります。ひと工夫加えて、気持ちよく室内干しできる環境を整えましょう。すぐにできる工夫は、風通しのいい場所に着脱式や置き型の物干しアイテムを設置する、サーキュレーターや除湿機を使う、などがあります。

6.カビに強く梅雨も快適に過ごせる家づくりを

湿度をため込まない通風のいい空間設計や、部屋干しを楽にする間取りや動線にこだわることで、カビに強く梅雨も快適な家づくりができます。

以下のコラムでは、スムーズに洗濯ができる動線づくりや間取りの工夫をご紹介しています。
梅雨シーズン到来!毎日の「部屋干し」が楽になる実例まとめ(2023年版)
室内干しの工夫はできますか?

また無印良品の家では、立地環境に最適な家を建てるために独自の室内環境シミュレーション「+AIR(プラスエアー)」を導入しています。

+AIR(プラスエアー)とは?
気象庁(アメダス)のデータと連携し、日射、温熱、通風を季節・時間ごとに3Dで検証し、室内環境を設計の段階で視覚的に確認。敷地内の配置計画から、窓や庇の位置や大きさまでを最適化することで、暑さと寒さを和らげて年中快適に過ごせる、家計にも健康にもやさしい家づくりです。

ご興味のある方は、ぜひお近くのモデルハウスまでお問い合わせください。