害虫を寄せつけない快適な暮らし方
みんなでつくる住まいの手引き | 2024.3.26
住まいは何十年もの時間を共にする大切な場所。だからこそ、あなたや大切な人が健やかなくらしを送るために、快適で安全な場所にしておきたいですよね。
「みんなでつくる住まいの手引き」では、快適な暮らしに役立つ知識や住まいを長持ちさせる適切なお手入れ方法をお伝えします。無印良品の家のスタッフによるノウハウと、実際のご入居者さまのアイデアもご紹介します。
あなたも一緒に「賢い住まい手」を目指しましょう。
あたたかな春を迎え、いきものたちも元気に動き出す頃。3月上旬には虫たちが冬ごもりを終えて土の中から顔を出す「啓蟄」を迎えましたが、暮らしの中で害虫トラブルに悩まされる方も少なくないのではないでしょうか?
今回のテーマは「害虫を寄せつけない快適な暮らし方」。効果的な対策を取り入れて、害虫トラブルに悩まされない暮らしを目指しましょう。
1.住まいの害虫トラブルいろいろ
2.無印良品の家の住まい手に害虫事情を聞いてみました
3.害虫が好む6つの生活習慣
4.住まいのお手入れで害虫対策
5.害虫が嫌うおすすめアイテム
1.住まいの害虫トラブルいろいろ
家の中に虫が入ってきたら・・・。想像するだけでゾーっと寒気がしてしまいますよね。害虫はおおまかに「生活害虫」と「衛生害虫」に分類されていることをご存じでしょうか?
生活害虫:アリ、カメムシ、ムカデ、コバエ、シロアリなど
不快感を与える虫や刺したり咬みつくことで皮膚炎などを引き起こす虫、衣類を食害する虫などを指します。
衛生害虫:ダニ、ごきぶり、ハエ、蚊など
人や動物の疾病に関係する害虫を指します。毒性があったり、吸血することで害を与えるものや病原体を媒介するものなどが含まれます。
害虫とひとことでいっても、さまざまな種類がいます。木造住宅の天敵といえばシロアリですが、本コラムでは特に暮らしのなかで悩む方が多い、アリ、カメムシ、ムカデ、ごきぶり、コバエといった害虫にフォーカスして対策方法をご紹介していきます。
害虫がもたらすトラブル
アリ類
屋内に侵入して食品を食べてしまうというのが主な害ですが、アリの中には咬みつく、刺す、お尻から毒液を出すという性質を持つものもいます。
カメムシ類
不快感を与える生活害虫であるとともに、農作物に害を与える農業害虫でもあります。カメムシに触れたり刺激すると、身を守ろうとして強烈な悪臭を放つ分泌液を出します。
ムカデ類
触ると咬みつくことがあり、咬まれると激痛や腫れなどを引き起こす可能性があります。
コバエ類
不快感を与える生活害虫です。ハエと異なり病原菌などの媒介はしませんが、中には食品類に産卵する種類もいます。知らずに産卵された食品を食べてしまうと腹痛や下痢などの症状がでる可能性があります。
2.無印良品の家の住まい手に害虫事情を聞いてみました
暮らしで虫に悩んでいるという方は、なんと全体の70%以上。ご家庭によってさまざまな虫に悩まされていることがわかりました。対策を講じながら日々奮闘されている様子が伝わってきます。
Q.暮らしの中で虫の悩みはありますか?
Q.どのような虫対策をしていますか?
・夜窓を開けない
・水回りは特に頻繁に掃除する
・ハーブを育てる
・木の家ですが、柱の内側にある金具部分の空いているところをマステで塞いでいます。(ダンゴムシ対策)
・対策ではなくむしろリノベ、内窓をつけてから室内で蜘蛛を見かけなくなった
・毎年玄関周りに毒餌を置く
3.害虫が好む6つの生活習慣
「虫は一体、どこから入ってくるの?」と疑問に思うことはありませんか?もしかしたらなにげなく行っている習慣や住宅設備の使い方に原因が隠れているかもしれません。
<注意>害虫が寄ってくる6つの習慣
①ダンボールをため込んでいる
ダンボールには害虫が産卵している場合もあります。できるだけ早く処分するように心がけましょう。
②傷んだ食材や生ごみを放置している
ゴミの日まで三角コーナーや排水溝に生ごみを入れっぱなし、ということはありませんか?コバエが見つけたら、すぐに産卵して大発生しかねません。放置せずに水気を切り(新聞紙などに包むとベストです)、ビニール袋に入れて密閉しましょう。
③網戸が正しく使えていない
網戸を開け閉めする方向が間違っていると、網戸と窓のフレームの間にスキマができて、虫が入り込んでしまいます。
・窓を空ける場合はしっかり全開にする
窓をしっかり開ききると、網戸と室外側にある窓のフレームが重なってスキマが生まれず、虫の侵入経路を塞ぐことができます。
・窓を半開きにする場合は、網戸は右側に
窓を半開きにする場合は網戸を右側にすることを忘れずに。室外側の窓は閉めて室内側にある窓を開けましょう。網戸を左側にしてしまうと、窓のフレームと重ならずにスキマができてしまいます。
④換気扇を使う時、給気口や窓を閉めている
換気扇を使うと室内の気圧が下がります。空気は気圧が低い場所へ流れるため、玄関ドアなどを開けた途端に勢いよく空気が流れ込み、小さな虫も一緒に吸い込まれてくる場合があります。換気扇を付ける前に給気口や窓が開いているかチェックしましょう。
⑤洗濯物を昼間から夜間まで屋外に干しっぱなし
暗くなってからも長時間洗濯物を干していると、夜行性の害虫が洗濯物に産卵する可能性があります。また、夜間に洗濯物を取り込むと、室内の灯りに誘われて虫が侵入しやすくなります。
⑥室外機周りが雑然としている
屋外にある室外機周りのお手入れは見落としがちなポイントです。雑草などで覆われていれば、虫の温床になります。また室外機のドレン(排水)ホースの排水口は大きめの害虫も侵入できてますので、専用キャップなどで対策しておくと良いでしょう。
4.害虫を寄せつけない住まいのお手入れ
害虫が嫌うのは清潔な住まいです。害虫の侵入経路になりそうな場所は特に気を配ってお手入れするようにしましょう。
主な侵入経路とお手入れ方法
①窓のサッシ・網戸のお手入れ
レールが詰まるとしっかりと閉められずにスキマができてしまいます。また網戸にはカメムシが産卵する場合もありますので、日頃から清潔に保つよう心掛けましょう。
サッシ
▼水に浸した柔らかい布で、表面に付いたホコリや砂を落とします。
▼柔らかい布またはスポンジで全体を水拭きします。汚れが落ちない場合は、中性洗剤の水溶液(1~2%に薄めたもの)を使って軽く洗い流します。
▼最後は乾拭きで水分をしっかり拭き取ります。
網戸
▼網戸をサッシからはずします。
▼ネットがはずれないように気をつけながら、柔らかいブラシやスポンジで軽く押さえるように水洗いします。汚れが落ちない場合は、水で薄めた中性洗剤をブラシやスポンジにつけて洗います。
▼最後は乾拭きで水分をしっかり拭き取り、乾燥させます。
②シンクのお手入れ
生ごみを放置しているとコバエやごきぶりを寄せ付ける原因になります。日々きれいな状態を保ちましょう。
ステンレスや人工大理石は傷に弱いため、やわらかいスポンジで磨きます。最後は乾拭きをして水滴をしっかり取りましょう。ステンレスは表面に傷がつかないよう、側面は左右の方向に、底はぐるぐると円を描くように磨きます。
③室外機や家の周り全体のお手入れ
室外機は害虫の侵入経路になるだけでなく、家の周りに雑草が茂っていたり、荒れた状態を放置していると、虫の住みかにもなってしまいますので要注意です。古い木材を置いていたり、家周りの風通しが悪いとシロアリの発生要因にもなってしまいます。
室外機
ほうきでスキマに入ったホコリや土を取り除き、雑巾で水拭きします。ほうきで汚れが取り除けない場合は、歯ブラシを使うと便利です。
家の周り
朽ちた木や枯葉は取り除き、定期的に草刈りをしましょう。草刈りは草の生長周期に合わせて行うと、生長を抑制することができます。おすすめのタイミングは梅雨頃(6-7月)、秋(9-10月)、冬の前半(11-12月)です。
5.害虫が嫌うおすすめアイテム
お手入れに加えて、害虫が嫌うアイテムを使えばさらに安心です。今回は害虫を寄せ付けないための対策として、一般的に防虫効果が望めるとされているアイテムをご紹介します(殺虫剤はのぞく)。
①換気扇用の使い捨てフィルター
不織布のフィルターは害虫の侵入防止になります。フィルターを取り換えるだけで清潔に保てるため、お手入れも簡単です。
②香りの力で防虫対策
虫が苦手とする香りをお部屋に漂わせておけば、害虫を寄せ付けません。虫の忌避効果があるとされる香りから好みのものを選べば心地よい空間づくりにも役立ちます。
虫の忌避効果が望めるとされる香り
ハッカ油、シトロネラ、ユーカリ、ゼラニウム、ヒノキ、ヒバなど
無印良品では、100%天然のさまざまなエッセンシャルオイルを取り揃えています。
無印良品では、超音波式や水を使わないもの、オイルを染み込ませるだけで使えるアロマストーンなど、さまざまなディフューザーを取り揃えています。
③室外機のドレンホース用キャップ
ドレンホースの排水口は害虫の体長と比較すると大きいため、専用キャップで塞ぐと安心です。
④モヘアテープで網戸や建具のスキマを埋める
網戸が古くなると、モヘアの部分が劣化してスキマができる場合があります。市販のモヘアテープで補修すると安心です。モヘアテープは網戸以外にも、室内扉のスキマを埋める際にも使えます。
⑤ハーブを育てる
ベランダや庭で虫の忌避効果があるハーブを育てるのもよいでしょう。ガーデニングとしても楽しめます。
虫の忌避効果が望めるとされるハーブ
アロマティカス、レモングラス、ユーカリ、ペパーミント 、ローズマリー など
⑥殺虫成分を使わない防虫専用アイテム
殺虫成分を含まないアイテムを使えば、乳幼児やペットの誤飲への心配もありません。
目立たないよう、無地のクラフト紙を使いました。中が見えにくく、捨てる時にも持ちやすい形です。殺虫成分は使用していません。
家づくりをご検討中の方へ
今回は日常の害虫対策についてご紹介しましたが、これから家を建てる方はシロアリ対策についても関心があるのではないでしょうか?
無印良品の家は「100年以上住むことを想定した家」です。通常の維持管理条件のもとで少なくとも100年は安心して暮らしていただけるようシロアリ(防蟻)対策はもちろん、腐食対策などあらゆる劣化対策を施しています。
ご興味のある方は、ぜひお近くのモデルハウスまでお問い合わせください。