【みんなでつくる住まいの手引き】暖かいくらしの工夫
みんなでつくる住まいの手引き | 2023.10.31
住まいは何十年もの時間を共にする大切な場所。だからこそ、あなたや大切な人が健やかなくらしを送るために、快適で安全な場所にしておきたいですよね。
「みんなでつくる住まいの手引き」では、快適な暮らしに役立つ知識や住まいを長持ちさせる適切なお手入れ方法をお伝えします。無印良品の家のスタッフによるノウハウと、実際のご入居者さまのアイデアもご紹介します。
あなたも一緒に「賢い住まい手」を目指しましょう。
今回のテーマは「暖かいくらし」。厳しい寒さの日でも健やかに安全に生活するための工夫をご紹介します。
1.快適温度と快適湿度
2.暖房病とヒートショック
3.暖房に頼らず暖かく暮らす工夫
4.無印良品の家に暮らす方の暖かい工夫
5.暖かい住まいに大切な家の断熱性能
1.快適温度と快適湿度
人が室内で快適に過ごす目安となる「快適温度」をご存じでしょうか?一般的に冬は「20~22℃」、夏は「26℃~28℃」が快適な温度であると言われています。季節によって温度差があるのは、外気の状態が違うから。夏と冬では湿度も違いますので、室内で心地よく過ごせる温度の基準に差が生まれます。ちなみに湿度にも「快適湿度」もあり、冬は「55~60%」夏は「45~60%」と言われています。
快適温度・快適湿度は基準にはなりますが、寒がりの人や暑がりの人がいるように体感温度には個人差があります。一人ひとりがうまく調節することも必要になります。
2.ヒートショックと暖房病
寒さの厳しい冬場は、室内にいても要注意です。家全体の環境や暖房の使い方によって体調を崩してしまうことがあります。
ヒートショック
ヒートショックは、急な温度変化が体に与えるショックのこと。暖房で温めた部屋から冷えきった浴室へ移動した場合などに起こりやすいものです。
ヒートショックによって血圧の上下が激しくなり、脳卒中や心筋梗塞など命にかかわるリスクにつながります。東京都健康長寿医療センター研究所の研究によると、2011年の1年間でいわゆるヒートショックに関連した死亡者数は約17,000人と推計されています。昨年の熱中症の死亡者数が1,477名(2022年人口動態調査)でしたので、その10倍以上の方が亡くなっているということです。
ヒートショックを防ぐには、できるだけ家全体の温度差をゆるやかにする工夫や、家自体の断熱性能が大きく影響します。
また高い断熱性能を持つ家でも、廊下が多く各部屋が仕切られているような間取りの場合は注意が必要です。家の中の寒暖差が生まれやすく、ヒートショックを起こしてしまう可能性があります。
暖房病
「エアコンやストーブをつけた部屋で長時間過ごしたら、頭痛がした、のぼせてしまった」といった経験はありませんか?それは暖房病かもしれません。
暖かい空気は上に留まるため、どうしても上半身に熱がこもりやすくなります。さらに乾燥による脱水もおきます。結果、自律神経が乱れ、体調不良を引き起こしてしまうのです。
暖房器具に頼り過ぎると光熱費もかかりますし、健康に害を与えてしまうこともあります。暖房器具との上手な付き合い方が大切です。
3.暖房に頼らず暖かく暮らす工夫
では、暖房を使いすぎずに安全に暖かく暮らすには?ご家庭でできる工夫のポイントをご紹介します。
①1ヵ所だけを閉め切って極端な温度にしない
暖房を使う際は快適温度と快適湿度を意識して、一部屋だけが極端にあたたまり過ぎた状態にしないように気を付けましょう。
②日射を取り入れる
日中はできるだけ日射しを取り込み、家を温めておきましょう。カーテンを開けると同時に、熱を逃がさないように開口部を閉めることを忘れずに。
③家から逃げる熱をおさえる
家の中でもっとも熱を逃がすのが窓。特に外気が冷え込む冬の夜は、カーテンも厚着をさせてあげましょう。断熱性に優れたカーテンやブラインドなどを取り付けると効果的です。
④加湿器は置く場所やお手入れに注意
エアコンと併用する際は、加湿された空気が部屋全体に行き渡るように、エアコンの下あたりに置き場所を決めておくとよいでしょう。
また、加湿器はお手入れがとても大切。放置すると内部に水垢がついたりカビや細菌が繁殖してしまいます。水は毎日取り換え、入れ替える前の振り洗いは必ず行いましょう。(加湿器の洗浄方法について詳しくはお持ちの加湿器の説明書でご確認ください。)
4.無印良品の家で暮らす方の暖かさへの工夫
無印良品の家にお住まいの方はどのように部屋を暖めているのでしょうか?アンケートを実施し、328名の方にご回答いただきました。
エアコンを使う方がトップですが、電気ファンヒーター・ストーブを使われている方も多いようです。その他、コメントではオイルヒーターや赤外線ヒーターを使っている方も多くみられました。無印良品の家では「暖炉」がオプションで選べるようになっているので、少数ですが暖炉を使用しているという方もいます。
その他いただいたコメント
・エアコンだけでは暖まらないので、サーキュレーション代わりに扇風機を回して温めています
・断熱が効いているので、エアコン+モコモコ靴下で十分暖かいです
・足元ホットマット、エアコンを少し補う感じで使用しています
5.暖かい住まいに大切な家の断熱性能
暖かく安全に暮らすには、断熱性能やレイアウトといった家そのものの性能や設計も重要です。
断熱性能が高い建物は断熱性能が低い建物と比較すると、基本的に室内が暖かく保たれています。ひとつの部屋を閉め切って温める必要がないため、寒暖差が生まれづらく、ヒートショックの心配も軽減されます。
※無印良品の家を含めた高い断熱性能・気密性能を持つ住宅では、室内の空気を利用する以下の暖房器は絶対に使用しないでください。一酸化炭素の発生や二酸化炭素濃度の上昇、酸欠や不完全燃焼の原因となり、最悪の場合命を落とす危険があります。
・開放型の暖房器(石油やガスを燃やした排気ガスを室内に噴き出す)
・半密閉型燃焼器(排気のみを屋外へ排出する)
健康的で暖かい住まいにするには、計画的な家づくりも大切です。これから家づくりを検討する方は、ぜひ以下のポイントに気をつけてみてください。
・断熱性能が高い(高気密高断熱)こと
・家全体が均一に暖かくなる工夫がされていること
無印良品の家は国内トップクラスの断熱性能と、家全体が均一に暖まる一室空間の構造によって、安全で暖かい家づくりを行っています。
温かい家づくりについてのご相談もお受けしておりますので、ぜひお近くのモデルハウスまでお問い合わせください。