好きな場所で暮らしたい。快適で長持ちするセカンドハウスのつくり方
住まいのかたち | 2026.2.25
平日は都市で働き、週末や長期休暇は自然のそばで過ごす。あるいは、働き方の自由度が増えた分だけ、暮らす場所の選択肢も増やしていく。
近年、「二拠点居住」や「セカンドハウス」という言葉が身近になり、住まいの“もうひとつの持ち方”に関心が集まっています。
無印良品の家では、二拠点居住/セカンドハウスをご検討の方に向けてのサポートサービスを展開しており、その一環として、無印良品 東京有明にて「セカンドハウストークイベント」を開催しました。
登壇したのは、無印良品の家「陽の家」開発責任者の川内浩司。
地方特有の気候に向き合いながら、セカンドハウスを「快適に、そして長く」使うためのポイントを、無印良品の家のコンセプトと技術、施工事例を交えて語りました。
本記事では当日の内容を採録でお届けします。

登壇者
川内 浩司(株式会社MUJI HOUSE 元商品開発部長)
1.無印良品の家について
2.「永く使える、変えられる」ために必要なこと
3.一室空間という考え方(スケルトン&インフィル)
4.見えない性能が支える一室空間
5.陽の家について
6.施工事例
7.参加者からの質疑応答
1.無印良品の家について
川内
みなさん、こんにちは。ただいまご紹介いただきました川内と申します。今日はお休みの日、しかも天気の良い日にお越しいただいていますので、「来てよかった」と思っていただけるように一生懸命お話しします。どうぞよろしくお願いいたします。
今日のテーマはセカンドハウスですが、セカンドハウスだからといって特別に何か“セカンドハウス専用”のことをしているわけではありません。私たちは昔から「永く使える家」を考えて家づくりをしてきました。今日はその全体の話を、セカンドハウスの視点でお話しできればと思います。

川内
無印良品というと、「シンプル」「デザイン」「おしゃれ」というイメージを持たれている方が多いと思います。実際にアンケートでも、そういう言葉が多く挙がります。ありがたい限りです。
ただ、作る側としては「シンプルを目指す」「おしゃれなものを目指す」ということを最初に考えているわけではありません。品質が担保できるか。使いやすいか。メンテナンスしやすくて長持ちするか。価格と価値が釣り合っているか。そういうことを突き詰めていくと、余計なものが省かれて、結果としてシンプルになる。私たちはそれを「デザインしないデザイン」と言ったりします。家も雑貨も、根っこは同じです。
「無印良品が集まって、家になった」
川内
無印良品は、日常生活で使う道具を幅広くつくっています。いまはおよそ7,000品目とも言われます。しかも、ただ種類が多いのではなく、実は寸法のルール(モジュール)でつながっています。
たとえば、カトラリーを入れる箱がある。それを入れるカゴがある。それを入れるケースがある。それを入れる家具がある。暮らしの中で「収まる」ことが気持ちよく成立するように、道具同士がつながっているんです。
ところが日本の住宅は、91cmモジュールが基本と言われつつ、柱の幅が入ってきて、柱と柱の間にきれいに入る寸法が84cm基準になっていたりする。道具の側で気持ちよく収まるルールをつくってきたのに、住まいの側でそれが成立しないことがある。そこで「ここまでやっているのに、なんで家がないの?」という声が出てきたのが出発点でした。

2.「永く使える、変えられる」ために必要なこと
住めるのに建て替えられてしまう理由
川内
日本の家は、30年前後で建て替えられると言われます。一方で欧米では70年、90年、ヨーロッパでは100年単位、もっと古いものだと数百年というスケールで住み継がれている例もあります。住み継がれていくことで、家の価値が積み上がり、資産価値になっていく。これはとても大事な視点です。
ただ、日本で建て替えが起きる理由は、「ボロボロで住めないから」だけではありません。まだ使える。きれいに住んでいる。それでも建て替えられてしまう。そこには、暮らし方の変化と、家が変化に追随しにくいことが関係していると思っています。
基本コンセプトは「永く使える」
無印良品の家の基本コンセプトは「永く使える」です。そのために大切にしているのが、まず三つの基本性能です。
・耐久性・耐震性:強い構造、メンテナンスに優れた素材
・快適性:高気密・高断熱など、季節をまたいで気持ちよく暮らせること
・普遍性:飽きのこないデザイン、簡素・簡潔、家の原形のような佇まい
もう一つ必要だったのが「変えられる」
川内
ただ、私たちはここにもう一つ必要だと考えました。それが「変えられる」です。
たとえば、最初から3LDKのように細かく仕切ってしまうと、暮らしが変わったときに家のほうが対応できなくなる。3畳の書斎をつくったけれど、引退したら書斎はいらない。別の住まい手に引き継ぐなら、そこが使いづらさになるかもしれない。しかも壁が構造と結びついていると、簡単には取れず、大規模な改修が必要になってしまう。結果として、建て替えが選ばれてしまうこともある。
そこで「変えられる」を足した上で、行き着いた形が「一室空間」です。

3.一室空間という考え方(スケルトン&インフィル)
「スケルトン&インフィル」という“可変性”の考え方
川内
私たちが採用しているのが、スケルトン&インフィルという考え方です。
スケルトン=器(構造躯体)
インフィル=内装・設備
器としての構造はしっかりつくる。内側の仕切りや設備は、暮らしの変化に合わせて変えていく。仕切りを取って大きな空間をつくることも、仕切りをつくって部屋を増やすこともできる。これが「永く使える、変えられる」家の根っこにある発想です。

商品を頻繁に変えないのも、同じ思想
川内
無印良品の家は、2004年の「木の家」、2007年の「窓の家」、2014年の「縦の家」、2019年の「陽の家」と、商品は増えてきましたが、数は多くありません。普通のハウスメーカーさんは毎年たくさん新商品を出しますが、私たちは「永く使える」と言っているのに、商品がコロコロ変わったら説得力がない。考え尽くしてつくったものは、できるだけ長く売り続けたい。木の家も窓の家も、発表当時のデザインのまま、いまでも共感していただけている。そこも大切にしています。




4.見えない性能が支える一室空間
「夏暑い?冬寒い?地震で壊れる?」に正面から答える
川内
一室空間を見ると、多分みなさんこう思われると思います。「夏暑いんじゃないの」「冬寒いんじゃないの」「地震で大丈夫なの」。確かにその通りです。一室空間は思いつくのは簡単ですが、現実の住宅として成立させるには技術が必要です。
無印良品の家の一室空間は、見えない性能に支えられています。冗談っぽい言い方ですが、「脱ぐとマッチョマンなMUJI HOUSE」みたいな家なんです。
ダブル断熱
川内
まず温熱性能です。木造軸組は柱と柱の間に断熱材を入れられる。木そのものも断熱性がある。その上で、外側にも断熱材を回す外張り断熱を組み合わせて「ダブル断熱」としています。

トリプルガラス
川内
次に窓です。木の家や陽の家は窓が大きいので、窓の性能が重要になります。そこで標準でトリプルガラスを採用しています。アルゴンガスやLow-Eガラスなど、熱の出入りを抑える工夫を重ねています。

日射を「遮る」だけでなく「取り入れて使う」
川内
断熱を高めると、冬に日が照っているときの太陽エネルギーまで遮断してしまうともったいない。そこで木の家では南側を大きく開いて、冬の低い日射を室内の奥まで取り入れる設計にしています。一室空間なので廊下がなく、北側まで光が届きやすい。
一方、夏は日射が強い。そこで軒を大きく出して、夏至の高い日射が室内に入りにくいように計算しています。シミュレーションだけでなく、実際の写真でも「入っていない」ことを確認できるようにしています。


気候に合わせた知恵:「ハーヴェスト・エナジー」「キープ・エナジー」
川内
自然エネルギーの活かし方には二つの方向があります。日本の太平洋側のように冬でも日射が期待できる地域では、取り入れる発想が合う。一方、北ヨーロッパや日本海側のように冬が曇りがちで日射が期待しにくい地域、または南側に建物が迫っていて日が入りにくい敷地では、熱を守る設計が合理的です。


どれを選ぶかは最終的には好みで構いません。ただ、後悔がないように、日射条件や周辺建物の影まで含めた暖冷房負荷計算を行い、光熱費の見通しまで含めて納得して選んでいただくことを大切にしています。
木造の弱点を、構造計算で超える
川内
次に構造性能です。木材は計画的に植林と伐採を行えば再生可能な建材で、環境負荷の面でも意味があります。一方で木造軸組の弱点はジョイント(接合部)です。そこで接合部を金物で強化し、構造計算を前提にして、壁が少なくても成立する構造を目指しています。

いわゆる壁量だけでなく、柱・梁の太さ、接合部の仕様まで含めて計算し、耐震等級最高ランクを目指す。温熱と同様に、一棟ごとに構造計算を行うことが、一室空間を安心して使える家にするために欠かせません。
5.陽の家について
いま、なぜ平屋か
川内
ここから陽の家の話に入ります。無印良品の家としては初めての平屋で、2019年に発表しました。
平屋を考えた背景は、単に高齢化でバリアフリーが必要になるから、ということだけではありません。働き方改革やITの進化で、テレワークやリモート会議が進むと、毎日会社に行かなくても良くなるかもしれない。そうなると、住まいが「通勤1時間圏内に集中する」必要が薄れます。2時間かかる場所でもいい。新幹線で通う場所でもいい。桜のきれいな場所、海のそば、実家の近く。そうした“好きな場所で暮らす”という選択肢が現実味を帯びてきます。

平屋で「抜け感」をつくるための勾配天井
川内
私たちはこれまで、一室空間と吹き抜けによる“抜け感”をつくってきました。でも平屋は吹き抜けがつくれない。天井が揃うと、平面的に仕切りが少なくても開放感が出にくい。そこで天井を上げ、勾配天井にしました。ただし大きな勾配天井を成立させるには構造計算が必要で、梁のかけ方も含めて成立させています。

引き戸で「仕切れる/戻せる」
川内
平屋は階段も廊下もないので、究極の一室空間になり得ます。ただ寝室だけは仕切りたい、という方が多い。そこで引き戸を引き込めるようにし、閉めれば個室、開ければ一体空間という選択肢を残しています。最初から壁にしてドアにすることもできますが、せっかくだったら“戻せる”余白があると、長く使う上での強みになります。

外と中をつなぐ大開口と、段差の少ないデッキ
川内
陽の家の大きな特長が、外とのつながりです。一般的な引違い窓だと、開口幅があっても実際に通れるのは半分程度ですが、陽の家は窓を大きく開け放てるようにして、外との行き来をストレスなくする。大人数が集まるときも出入りが楽ですし、外の景色が室内に流れ込んでくる。内と外の境界が曖昧になる感覚を狙っています。
段差も小さくできるように、溝の処理も工夫しています。キャスター付きの家具を外に出し入れして、今日は天気がいいから外で食べよう、ということが自然にできる。外用家具を置きっぱなしにして汚れて使わなくなるのではなく、普段使いの家具を外に出して楽しめる。外と中が“仲良く暮らす”ための仕掛けです。

パッシブデザインとしての屋根
川内
陽の家の大屋根は、見た目のためにこうしたわけではありません。内側の勾配天井を成立させるために屋根が必要で、その結果としてこの形になっています。そして軒は、夏の日射を遮り、冬の日射を取り込むように設計しています。少ないエネルギーで快適に暮らす発想は木の家と同じです。

6.施工事例
ここからは、陽の家を中心に、セカンドハウスや多拠点的な暮らしに結びつきやすい事例を紹介します。
施工事例1 生まれ故郷でカフェ
川内
最初は、比較的コンパクトな陽の家の事例です。生まれ故郷で「いつかカフェをやりたい」という夢を持たれていた方が、陽の家でその夢を実現しました。将来的にはここで暮らす可能性も残しつつ、いまはカフェとして使われています。


セカンドハウスというと、「住むための家」を想像される方が多いのですが、実際には“暮らしの拠点”のかたちはもっと幅があっていいと思っています。たとえば、週末に帰ってくる場所として、地域の人が集まる小さな店として、あるいは制作や撮影の場として。陽の家は、家の中を細かく作り込みすぎない分だけ、暮らし手の目的に合わせて“役割”を変えやすい器になります。
この事例でも、テラスと室内のつながりが大きな魅力になっています。窓を開けると外の緑や光が室内に入ってきて、室内の席もテラス席も、同じ空気感で過ごせる。お客さまが来たときの動線も、家としての動線とは少し違う視点が必要ですが、平屋で段差が少ないことは、こうした“人の出入り”にも相性が良いと感じます。

また、17坪というサイズ感は、セカンドハウスとしても現実的なスケールです。建物が大きいほど、掃除やメンテナンス、冬場の管理は負担になりやすい。セカンドハウスは「行けない期間がある」ことを前提に、無理なく維持できる大きさから考えるのも一つの方法です。必要になれば増やす、別の場所に拠点を足す、といった発想も含めて、まずは“長く続く形”を優先する。そういう考え方が、結果的に「好きな場所で暮らす」を続ける力になります。

施工事例2 海を眺めて暮らす
川内
次は真鶴の事例です。これは、いわゆる“ザ・陽の家”の典型的なプランの一つで、一室空間をベースにしつつ、必要に応じて引き戸で寝室を個室にできる構成です。場合によっては、寝室+子ども部屋+LDKというふうに、暮らし方に合わせて編集する余地もあります。


この事例のいちばんの価値は、やはり「毎日の景色」です。セカンドハウスでは、都市の暮らしでは得にくい“眺め”や“風”が、家の価値そのものになります。海が見える方向に大きく開き、室内からデッキへ、デッキから景色へと視線が抜けていく。ここで暮らす時間は、ただ休むだけでなく、「景色の中で過ごす」時間になるはずです。
ただ、景色が良い場所ほど、同時に環境条件が厳しいことがあります。海の近くは湿気や風の影響を受けやすい。塩害が気になる場合もある。だからこそ、セカンドハウスを“気持ちよく保つ”ためには、家の基本性能(断熱・気密、窓の性能、換気、素材の耐久性)と、日々の手入れのしやすさが重要になります。

陽の家のように、外と中の境界が曖昧になる設計は、暮らしの楽しさを大きく広げる一方で、「開ける/閉じる」「外で過ごす/中で過ごす」を季節ごとに調整する面白さも生みます。冬の低い日差しを取り込み、夏の高い日差しは軒で遮る。風が気持ちよい季節は開け放ち、気温が厳しい季節は性能に支えられた室内で安定して過ごす。そういう“自然との付き合い方”が、セカンドハウスの魅力を長く保つコツだと思っています。
広さは74㎡で、マンションの一住戸と同じくらいの面積感です。ただ、平屋は四方に窓が取りやすく、外部との関係をつくりやすい。室内のどこにいても「外が近い」ことが、暮らし方の選択肢を増やしてくれます。

施工事例3 極寒の八ヶ岳でぬくぬくと
川内
そして寒冷地の事例です。陽の家は標準仕様でもダブル断熱、(多くの開口で)トリプルガラスなど、基本性能をしっかり上げています。ただ、地域によっては、さらに断熱性能を一段上げた仕様を用意しています。サッシを樹脂化するなど、窓まわりの性能を強化し、結露のリスクも抑える。寒冷地のセカンドハウスで怖いのは、単に「寒い」だけではなく、温度差による結露や、メンテナンスの手間が増えることです。だからこそ、最初から“厳しい条件に合わせる”発想が大切になります。

この事例では、室内の暖かさをどうつくるかという点でも示唆が多い。断熱・気密で外の影響を受けにくくしたうえで、ストーブなどの熱源をどう置くか、空間全体にどう熱を回すか。陽の家は一室空間の性格が強いので、熱が偏りにくいメリットがあります。逆に、暮らし方としては「家全体をどう使うか」を前提に考えると、寒い季節でも居場所の選択肢が増えていきます。
セカンドハウスは、使わない期間があるからこそ、「行った瞬間に快適に戻れる」ことが重要になります。寒冷地では特に、家の基本性能がそのまま“滞在の質”に直結します。外は厳しい。でも中は安定している。その差があると、滞在時間の満足度が大きく変わります。
「好きな場所で暮らしたい」を長く続けるには、景色や立地の魅力だけでなく、季節をまたいだ“現実の快適さ”をどう確保するか。その具体例として、寒冷地の事例は大きなヒントになると思います。


施工事例(おまけ) インフラのないところで暮らす
川内
最後におまけとして、インフラゼロハウスの取り組みも紹介します。これは住宅というより車両(トレーラーハウス)に近い発想で、電気・水がない場所でも、置いた瞬間からエアコンが動き、トイレが使え、インターネットも衛星でつながる。水循環システムを積んだユーティリティ棟と組み合わせると、より生活に近づきます。
セカンドハウスというテーマを、もっと先まで押し広げると、「土地に縛られず、好きな場所へ行ける」という発想が出てきます。もちろん、費用感も含めて住宅とは別の議論になりますが、「好きな場所で暮らしたい」を極限まで具体化した選択肢として、可能性を提示するものです。


7.参加者からの質疑応答
参加者A
最後にご紹介いただいた「インフラのないところで暮らす」という発想が、すごく興味深かったです。トレーラーハウスとして引っ張っていくのは分かるんですが、たとえば将来的にキャンピングカーみたいな形にしていく構想や、「こういう相談にも応じますよ」という方向性はありますか。
川内
ありがとうございます。興味を持っていただけて嬉しいです。ただ、現時点では正直に言うとそこまでは考えられていません。いまはトレーラーハウスの形で成立させることで、いっぱいいっぱいです。
参加者A
そうなんですね。でもキャンピングカーって今すごく盛り上がっていて、メーカーも増えていて、納車待ちが1年、2年当たり前だと聞きます。無印良品の家がそういう分野に入ったら面白いのにな、と想像してしまいました。
川内
需要の高まりは確かに感じます。もし将来的にそうした方向に進められる状況になったら、ぜひみなさんにもお知らせしたいと思います。
参加者A
ありがとうございます。始められたらぜひ教えてください。
参加者B
陽の家の引き込みの窓が本当に素敵だと思いました。外と中がつながる感じも魅力的です。ただ、田舎暮らしだと虫とかいろいろ気になるので、結局は網戸を閉めて過ごす時間も多くなるのかなと思っていて……。網戸はどうなっていますか?
川内
はい、もちろん網戸はついています。引き込み型の網戸です。私自身が虫が苦手なので、虫対策なしで設計するわけがない、というのが正直なところです(笑)。
参加者B
引き込み型なら見た目も崩れにくそうですね。安心しました。
川内
そうですね。ちなみにモデルハウスを建てている時期に、内装がほぼ終わっている段階でも網戸がまだ付いていなくて、窓を開けっぱなしで施工していたことがあったんです。すごい勢いで虫が入ってきます(笑)。ただ、全部開いていると意外と勝手に出ていく虫も多い。とはいえ、日常的には網戸があると安心だと思います。
参加者C
ウッドデッキの暮らし方はすごく憧れます。ただ、セカンドハウスだと毎週行けるわけではないので、久しぶりに行ったら落ち葉や埃で大変なことになっていそうで……。維持管理って、どういうふうに考えるのが現実的なんでしょうか。
川内
まさにそこは、避けて通れないところです。結論としては「まめにやっていただくしかない」というのが正直な答えです。ただ、素材としては防腐剤を含浸させたり、塗料を工夫したりして、簡単に腐るようなつくりにはしていません。日焼けなどの経年変化はしますが、それも木の表情として楽しめる部分があります。
参加者C
汚れが溜まった場合は、どうすればいいですか?
川内
高圧洗浄機をかけると、けっこう一発で綺麗になります。※1 もちろん注意点はありますが、“手入れが不可能”というものではないです。あと、陽の家は平屋なので、足場なしで届く範囲が広い。外壁やデッキの手入れを「自分たちでできる家」という意味でも、平屋は相性が良いと思います。
※1. 表面塗装をしている場合は再塗装の必要がある場合があります
参加者C
先ほど「家族のイベントみたいにして楽しむ」とおっしゃっていましたよね。
川内
そうですね。押し付けになってしまうと良くないんですが、たとえば家族で掃除をして、そのあとデッキでご飯を食べる、みたいにすると、手入れが“負担”だけにならずに済む。セカンドハウスは「家そのものが楽しみの対象」になりやすいので、そういう関わり方ができるといいなと思っています。
参加者D
平屋に興味があって伺いました。今日のお話だと、陽の家と、木の家にも平屋があるということでしたが、決定的な違いを教えてください。検討するうえで、どこがポイントになるのか知りたいです。
川内
大きな違いは二つあります。ひとつは、陽の家は「全体のコンセプトを成立させるために、この形である必要がある」という点です。勾配天井や軒の出など、要素が連動しているので、そこを大きく変えると全体が崩れやすい。つまり「この世界観をそのまま実現したい」方に向いています。
もうひとつは、木の家・平屋は基本が“箱”なので、設計の自由度が高い点です。L型にしたり、コの字にしたり、敷地条件や要望に合わせて組み合わせやすい。陽の家のような大きな勾配天井の“抜け”はありませんが、緩やかな勾配や高窓で空気を抜くなど、別の快適さのつくり方があります。
参加者D
なるほど。空間体験を優先するか、設計の自由度を優先するか、ということですね。
川内
はい。あとは敷地条件と、どんな景色をどう取り込みたいか。セカンドハウスは立地の魅力が大きいので、その土地の“好きなところ”をどう暮らしの中心に据えるかで、相性が分かれると思います。
参加者E
木の家は2004年からということで、もう20年を超えていますよね。初期の家を見て「ここはこうすればよかったな」ということはありますか。あるいは20年経って「やっぱり永く使える家だ」と感じるところがあれば教えてください。
川内
すみません、自画自賛でいいですか(笑)。正直、「よくぞつくった」と思っています。
いちばん古いモデルハウスでも17年を超えて、いまでもお客様に見ていただける状態にあります。普通、モデルハウスは数年で建て替えることが多いんですが、17年経っても古びていない。これは普遍性や基本性能の考え方が間違っていなかった証拠だと思っています。
もちろん、技術は進歩します。ダブル断熱やトリプルガラスなどは、その時代の技術を取り入れて更新してきました。でも、基本の考え方は変えていません。
参加者E
住み継ぐ、という話だと、将来的な売却の場面も出てきそうです。
川内
そうですね。これからライフステージや居住地の変化で売却のケースも出てくると思います。そこも、普通の家より価値が残りやすいといいなと思っていますし、そのお手伝いも進めていきたいと思っています。
※この採録は、トークイベント「好きな場所で暮らしたい 快適で長持ちするセカンドハウスのつくり方」の内容をもとに、一部編集・再構成しています。
無印良品の家では、セカンドハウスサポートサービスとして、東京にいながら遠隔地のセカンドハウスづくりをサポートするサービスを行っております。遠隔地での家づくりに関するご相談やお打ち合わせを都内でスムーズに実施できるよう様々なサポートを行います。詳しくは、WEBサイトをご覧ください。
※本サービスは無印良品の家 有明センター限定で承ります。他のモデルハウスでは受け付けておりません。
※2025年8月のサービス開始時での建設対象エリアは軽井沢・那須エリアとなります。順次施工対応エリアを拡大する予定です。建設対象エリアに関するご相談は、こちらまでお問い合わせください。





