50代の住まいとお金③ -家の建て替え編-

住まいのかたち | 2024.11.1

時代の変化に合わせて求められている新しい平屋での暮らしについて、みなさんと一緒に考えていくプロジェクト「みんなで考える理想の平屋」を現在実施しています。
プロジェクト内のアンケートでは、50代の回答が最も多く、「住まい」についての価値観が非常に多様であることがわかりました。一方で、最も多く挙げられた懸念は「お金」に関することです。ライフステージの変化に伴い、新しい住まい方を検討する際には、収入や支出、税法上のことなど、知っておくべき要素が多く存在します。
このコラムでは、現代の50代の「住まい」に対する意識と「お金」について考えていきます。
今回は第三回目となる「家の建て替え」についてです。

前回までのコラムはこちらをご覧ください。
50代の住まいとお金① >
50代の住まいとお金② -住宅ローン編- >

今の住まいで「生涯暮らせるかわからない」という方が7割

「みんなで考える理想の平屋」プロジェクトの第一回「理想の平屋について」のアンケートで、現在の住まいについての質問を行いました。

Q.今お住まいの家で、生涯暮らせると考えていますか

およそ4割の方が、「今の住まいで生涯暮らせると思わない」と回答しています。「どちらとも言えない」と回答された方も合わせると7割近くの方が、現状の住まいに何かしらの課題感をもっていることがわかります。さらに年代別で回答を見ると以下の通りです。

どの年代でも一定割合「暮らせない」と回答している方はいましたが、その理由が年代によって大きく異なります。
「住めないと思う」と答えた割合が最も多い30代では、理由として「賃貸だから」「子どもの成長によって広さ・部屋数が足りない」という意見が圧倒的でした。
一方、50代以上では「子どもが家を出たので、今の家では広すぎる」という意見や、家の老朽化や現在の耐震基準を満たさないなどの建物自体の課題など、その理由はさまざまでした。特に、「建て替え」に関するご意見も目立ちました。

・耐震基準が昔のものなので心配で建て替え検討中
・築40年近くたち、その間に地震による半壊も受けているので、もう建て替えるか中古マンション購入(&リノベ)での引っ越しを考えている。建て替えるなら平屋だなと思っている。
・家の建て付けが悪く建て替えたい。子どもが成人して夫婦2人になり平屋にあこがれるようになってきた
・家族構成が変化した時に、建て替えかなと思いつつ、車がないと困るので駅近くに住んだ方が良いか迷います。

持ち家にお住まいの方も多い50代以上の方は、住み替えを検討する場合、選択肢のひとつとして「建て替え」も入るようです。

家の建て替えにかかる費用

実際に建て替えを検討したい場合、どのくらいの費用がかかるものなのでしょうか。ここでは一般的に建て替えにかかる費用の概要についてご紹介します。

1)解体費用
既存の家屋を取り壊す費用は、建物の大きさや構造、使用されている材料によって異なります。
一般的な内訳は以下の通りです。

・建物解体費
既存の家屋を取り壊す費用は、建物の大きさや構造、地域によって異なります。
・基礎解体費
建物と地盤のつなぎ目部分にある「基礎」を解体する工事費。基礎の工法によって費用は異なります。
・廃棄物処理費
解体に伴い発生した廃棄物を処理する費用。廃材の種類や地域、時期などによって異なります。

2)建築費用
こちらは第一回目のコラムでも概要を記載しているのでぜひご覧ください。
第一回目のコラムはこちらをご覧ください。

3)(自身が住んでいる家の建て替えの場合)建て替え時の一時的な賃貸住まいに関する費用
建て替え期間中の一時的な賃貸住まい、および引越にかかる費用についても検討しておく必要があります。

建て替えの資金計画

1)自己資金
自己資金が多いほど、借入金額を抑えることができ、長期的な金融負担を軽減できます。なお、建て替えに関わらず、戸建てを建てる人たちの自己資金比率については第一回目のコラムにも記載していますので、参考にしてください。

2)住宅ローン
住宅ローンについては第二回のコラムで特集していますが、従来の住宅ローンに加え、建て替え専
用のローンもあります。
・既存の住宅ローンの残債を含めて新たな融資を受けることができる
・土地の評価額や建物の建築費用に基づいて融資額が決定される
・一般的な住宅ローンと比べて審査基準が厳しい場合がある
詳しい商品の概要は各金融機関が発表している資料をご確認ください。

3)補助金や税制優遇
建物の耐震化(建て替えに関する)への支援を目的とした「耐震助成制度(建替に関する補助金)」または固定資産税・都市計画税の減免などが各都道府県、市区町村単位で実施しているケースがあります。各自治体のホームページなどを確認してみてください。

家の建て替えは、費用面で大きな決断を必要とする一方で、上記のような補助金や税制優遇を活用できる可能性があります。また、冒頭で記載した自身が考える理想の住まい・暮らし方を実現する一つの手段でもあります。今回は「お金」をテーマとしましたが、建て替えについては土地や建物に関して様々な知見も判断に必要となります。ぜひお近くのモデルハウスにお気軽にご相談ください。

今後のコラムでも様々な角度から50代の住まいについての意識とお金について考えていきたいと思います。興味のあるテーマがあればぜひみなさんのご意見もお聞かせください。