家はどれくらいの期間で建ちますか?

住まいのかたち | 2024.2.6

家づくりは多くの人にとって一生に一度の大きなお買い物。絶対に失敗したくない一方で、初めてのことばかりのため、不安を感じる場面も多いですよね。
本コラムでは、普段モデルハウスで家づくりのお手伝いをしているインフィルコーディネーターが、実際の経験やお客さまの声をもとに、家づくりの疑問におこたえします。

いつ新居に引っ越せる?

今から家づくりを考える方にとって、「いつ」新居に引っ越したいかは計画をしていくうえでとても重要です。
「そんなに急いでいないけど、できれば早い方がいいよね」
「家づくり、ゆっくり考えたいからまだまだ先でOK」
「こどもの小学校入学までには引っ越さないと!」
・・・などなど、ご希望はさまざまです。

ただ、『今から家づくりを本格的にはじめたらどれくらいで新しい家に住めるの?』という疑問はライフプランにも影響があるため、お客さまからもご質問いただくことが多い内容です。

では実際、家づくりを考え始めてから完成するまで、どれくらいの期間が必要なのでしょうか?解説していきたいと思います。

家が建つまで。

まずは建物の工事期間を確認していきましょう。
建物の工事期間は、建物のつくりや規模・敷地条件によっても異なってきます。
ここでは、一般的な4人家族の建物サイズという前提でお話ししていきます。

建物イメージ:名古屋店モデルハウス 「木の家」延床面積108.47㎡

無印良品の家では、建物の工事が始まってから完成まで、平均約4ヵ月程度いただいています。
その後、お庭の工事である造園工事に入っていきます。造園工事も内容によりますが、約1ヵ月~1ヵ月半程度の工事期間を見込んでおく必要があります。
その為、建築工事+造園工事で約5ヵ月~5ヵ月半の工事期間が必要となります。

また、工事に入る前には建物の間取りや仕様を決めるお打ち合せの期間が必要となります。そこで決定した内容をもとに、建築確認申請(計画が建築基準関係規定等に適合するかどうかを審査する制度)を提出します。

※その他、建築地によっては別途申請や行政の許可が必要になる場合もありますが、今回は必要ない前提でお話しします。

お打ち合わせにかかる期間はお客さまによって様々ですが、お打ち合わせが2カ月、申請で1ヵ月の計3ヵ月程度が標準的です。

一旦ここでまとめると、建物の詳細打ち合わせが始まってから約8カ月~9ヵ月で「建物+お庭」までが完成します。

建築計画によって変わってくる家づくりのスケジュール

前述したお家が建つまでのスケジュールはあくまで基本的なもの。
建築スケジュールは延びることはあっても短縮されることはあまりありません。
建築計画ごとに、+α期間を見込んでおく必要があります。
ここからは建築計画ごとにご説明していきます。

・すでに建築地のご用意がある場合
すぐに建築工事に入れるような敷地の場合(高低差などなく造成工事等の先行工事が不要な場合)、前述した通り建物の詳細のお打ち合わせが始まってから約8ヵ月~9ヵ月で「建物+お庭」までが完成します。

・建て替えの場合
既存の建物を解体する工事期間が必要となってきます。解体する建物規模にもよりますが、1ヵ月~2ヵ月程度は必要となります。

また、既存の建物がある場合は解体完了後でないと地盤調査ができない場合が多いです。地盤調査とは、その地盤がどの程度の建物の重さに耐え、沈下に抵抗する力があるのか(地耐力)を調べることです。(調査をして地耐力が弱い場合は、建物を安全に支えるための「地盤改良工事」を行います)調査データも踏まえて建物の構造計画を決定していきます。

上記内容により、建物の詳細打合せと時期を重ねても基本のスケジュールに+1ヵ月~2カ月程度は見込んでおいた方が良さそうです。
まとめると約9ヵ月~11ヵ月程度は見込んでおく必要がありそうです。

・その他、造成など先行工事が必要な場合
建物工事に入る前に別の工事が必要となる場合、追加してその工事期間が必要となります。

例えば敷地が道路より高い場合、敷地の土が崩れてこないよう擁壁工事が必要になる場合があります。逆に敷地が道路より低い場合、土を入れる盛土工事が必要になる場合があります。

こちらも工事内容によりますが、+1ヵ月~2ヵ月程度見込んでおく必要があります。

・これから土地を探す場合
土地を探す期間が+α必要となります。土地探しの期間は人によって様々です。タイミングも重要となるため、購入したい土地にすぐに出会える人もいれば時間がかかる人もいるため、一概に必要期間はお伝えできませんが、3ヵ月~1年程を見込んでおくと良いでしょう。

スケジュールは逆算で。

家づくりのスケジュールは新居に入居したい希望の時期から逆算していきます。

無印良品の家では、家づくり相談会にご参加いただいた方全員に、書き込みながら家づくりを進められる「家づくり応援ノート」をプレゼントしています。
このノートを使って、家づくりのスケジュールを計画していくと分かりやすいです。
「新しい生活をはじめる日から考える」ことで、「いつまでに、何を」が明確になり、予定も立てやすくなります。

ちなみに入居時期が早ければ早いほど、ローンの支払いは早く終わり、現在賃貸住宅にお住まいの方は家賃を支払う期間も短くなります。そのため、前回のコラムでご紹介したライフシミュレーションではご入居する時期が早い方が良い結果になります。
ただ、お家の計画はさまざまな状況をふまえて計画していくもの。個別の事情も異なるため、必ずしも急げば良いというわけでもありません。ライフシミュレーションなどを参考に、希望の時期を検討していきましょう。

思っていたより時間がかかる。

前述した内容はあくまで「スムーズに進んで」という前提のスケジュールです。また、実際には本格的に家づくりを進める前に情報取集する期間も必要になってくると思います。家づくりを経験した方からは「思っていたより時間がかかった」という声を聞くことも少なくありません。
しつこいようですが、建築スケジュールは延びることはあっても短縮されることはあまりありません。
余裕を持ったスケジュールを計画することが大切です。

無印良品の家では、お客さまのスケジュールも含めた建築計画のサポートをさせていただいております。計画・敷地条件などによってスケジュールも異なってきます。気になる方はぜひお近くのモデルハウスにご来場ください。

インフィルコーディネーター たかはし

一級建築士・宅地建物取引士
無印良品の家 名古屋店の店長として、これまで約70件の物件を手掛けてきました。
大切にしていることは、「後悔しない」家づくりをしていただくこと。なるべく公平な立場で、良い面も悪い面もしっかりご説明し、納得して家づくりを進めていただけるようサポートしています。

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