住まいのエネルギーを考える
住まいのかたち | 2014.1.21
今回は、住まいのエネルギー、冷暖房について考えてみようと思います。通常、冷暖房と言えばエアコンです。これはとても効率がよく、部屋を暖めたり、冷やしたりするのにとても簡便です。しかしそのためには、気密性の高い住まいの構造をつくり、かつ同時に、窓を閉め切っての生活が多くなります。
日本には四季があるので、快適な季節には窓をあけて風を通して暮らしたいとも思うでしょう。昔ながらの縁側で夕涼みというのは、日本人の暮らしの原風景とも言えるものです。
特に夏の暑い季節のことを考えると、窓を開けて風を通しながらも、涼しいというような方法はないものかと思います。そこで今回取り上げてみたいのが「輻射式冷暖房」についてです。建物の壁や天井、床を冷やしてその輻射熱で冷たく感じるという方法です。ちょうど洞窟やトンネルの中に入ったときにひんやりするあの感じです。空気が冷たいのでなく、岩やコンクリートの冷たさが伝わってくるのです。
もちろん日の当たらない洞窟のようなところには住めないので、こうした考えのもとに、壁をどう冷やしていくかですが、電気のエネルギーを使うのでなく、出来れば自然エネルギーを使いたいものです。地下水や地下の空気などを利用するというのは方法の一つです。地中に長いパイプを通して、その冷気を建物の内部に通すのです。冷却する時に結露を起こさないように注意が必要ですが、最近では事例もいくつかでています。これは冷房だけでなく、地中の温度は一定なので、冬は暖かく感じるのです。
部屋内の壁を冷やすと同時に、深い庇をつけて夏の暑い日差しを遮る事も重要です。また窓を開けて風を通すことを考えると、輻射式冷房と併せて、部屋内の壁だけでなく、家のまわりを冷やすことも大事です。特に土があるところは樹木などで覆い、土を冷やすことで、その上を通る空気も適度な状態になるのです。これは丁度夏でも森の中に入ると涼しく感じるのと同じです。
いかがでしょうか。家を閉じることなく、冷やしたり、暖めたりすることができればどんなに快適なことでしょう。
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