集合住宅の中の商業施設とコミュニティー

住まいのかたち | 2012.8.7

日本でも、最近では多くの集合住宅が、住人同士のつながりの重要さを見直してきているようです。大型のマンションが増え、一挙に何百人、時には千人を超える人が住む大型のマンション開発において、人々がお互いを知り合うしくみはどうしても必要なことなのだと思います。
このコラムでも何度か取り上げてきた住人祭などもその一つのしくみ。年に数回の集合住宅全体の顔合わせイベントは、そうしたきっかけになり、多いに役に立ちます。

しかし集合住宅の場合、コミュニケーションを持続的に進めるのに、マンション内にも商業施設があるといい、という考え方もあります。商業をする人が、人と人のつなぎ役となってコミュニケーションを促進させるのではないかとも思うのです。

そもそも現代のマンションという住むためだけの施設というのが、何か不自然にも思います。
音が出るものや、匂いの出るもの、たくさんの人が出入りするような空間の場合、動線や棟を分けて考える必要もあるでしょうが、しかし、マンション内にパン屋さんやカフェ、食事ができるところや、本屋さん、また子育て支援のサービスや介護サービスなど、また料理教室やお稽古ごと、服のリフォーム工房など、住む人にとっても便利そうなものと、住んでいる人が自分たちでもビジネスをすることなどもできれば、さらに暮らしは楽しくなるはずです。
マンション内だけでなく、地域とのつながりもできていくことでしょう。

アメリカの集合住宅のお話ですが、小さなコンビニの運営についての面白い取り組みが紹介されていました。
そのコンビニは、一般の商店よりも品物の値段は安いのですが、その理由が、そこで買い物をする人は週に何時間かそのお店で働くというしくみになっているのです。従業員にもなってお店の労働をサポートする分、品物を安く買える、というものです。

同じようなことが、他の商品やサービスでもできるかもしれません。
例えば、自分の時間が空いたときに子育ての手伝いをし、その分、自分が必要なときは安くサービスを利用できるとかいうのはどうでしょうか。こうしたしくみは単に安く品物やサービスを受けるだけでなく、住人同士のコミュニケーションにもきっと役に立つことになるでしょう。

そして、こうしたコミュニケーションはいざというときにお互いが助け合ったり、普段から知らない侵入者が入り込んでこないように、ある意味自然発生的な監視の役割をもったりもすることにつながるでしょう。

集合住宅で商業施設を実現することで、住まいや地域のコミュニティーが活性化するという考え。みなさんはどう思いますか?