リノベーションする人にこれだけは伝えたい。まず行くべきは相談会!|スタッフの中古マンションリノベ実録

家は、こうしてできる。 | 2025.12.16

MUJI HOUSEでも人気のあるリノベーション。高断熱や耐震性、キッチンやユニットバスといった基本設備、くらしに合わせて間取りを変えられる広々空間など、中古マンションでもその人らしい“くらしのうつわ”に仕上げる工夫をご提案しています。

今回MUJI HOUSEのスタッフ小林が中古マンションを購入、リノベーションしました! 人生でそう何度も訪れないこの機会。生まれて初めての物件購入やリノベーションがどういった流れで進んだのか、経験してみて知っておいた方がいいこと、事前にやっておきたいことなどをリアルな実体験とともにご紹介します。

MUJI HOUSEスタッフ 小林
30代女性・夫と二人暮らし
無印良品の家コンテンツ制作を担当
アート鑑賞が趣味(本当は購入も趣味にしたい)

家づくりのきっかけ

もともと都内にある築40年の賃貸マンションで5年程二人暮らしをしていた私たち夫婦。ターミナル駅も近く便利な場所でしたが、インバウンドの影響もあってか年々最寄りの街が賑やかになり、お互いの実家近くの静かな場所に引っ越したいねと夫婦で話していました。

また、20代の頃は引っ越しが楽しくて2~4年おきに家を変えていました。常に次の引っ越しを前提とした仮住まいのような感覚なので、次住む家に合うか分からない大きな家具を購入したり、お気に入りのカーテンをオーダーする気になれませんでしたが、本当はお気に入りのインテリアに囲まれたお部屋に憧れていました。仕事柄取材でお客さまのご自宅に伺うことも多く、どのお宅も本当に素敵だったので影響されたというのも(かなり)あります。そのため次住む場所はある程度長く住む前提で、賃貸ではなく購入しよう、と考えていました。

とはいえ、そもそも私たちの現在の経済状況で家が買えるのか、買えるとしてもどのくらいの予算が妥当なのか、購入した場合どのようなリスクがあるのか、まったく見当がつかなかったので、まずは知人に紹介してもらったファイナンシャルプランナーの方に相談。おおかた予算を決めてから物件探しをはじめました。

内見のハードルは低く、走り出したら止まらない

私の周りにいるリノベ経験者たちは、皆口を揃えて物件探しに時間がかかったと言います。一生に一度あるかないかの買い物なので、私も1年くらいかけて物件探しをすることになるだろうと予想していました。元々物件を見るのが好きで日頃から不動産ポータルサイトを見ていたので、なんなら1年間新しい趣味ができたようでとてもワクワクしていました。
結果、本格的な物件探しにかかった期間は計2週間。3件内見して購入物件を決めました。1週目に1件、翌週2件見て決めたので、正直拍子抜けというか、予想外のスピードでした。

私のように、日常的に不動産ポータルサイトで物件探しをしている人は少なくないはず。いつかリノベして住みたいな、と思って日々なんとなく見ていると、たまに気になる物件があったりします。そして大きなポータルサイトであるほど、簡単に問い合わせが出来るようになっています。導線に様々な工夫が凝らされていて、名前とメールアドレスと電話番号くらいの簡単な情報を入力するだけだったり、お気に入り登録した物件を一括で問い合わせできたりするサービスもあります。
そして問い合わせると、不動産会社の方から驚くほど速く返信がきて、「明日内見してみませんか?」というような案内をいただくことも。じゃあせっかくだし、と軽い気持ちで内見して気に入った場合。どうなるかというと、突然猛スピードでプロジェクトが動き出します。

物件の購入申し込みをするにあたって、多くの場合住宅ローンを組める金融機関を探して、仮審査を通しておく必要があります。リノベーションする場合は、合わせてリノベーション会社も検討しておく必要があります。さらに物件購入費用とリノベ費用を合算して住宅ローンを組むなら、仮審査時にリノベーション会社の見積も必要になるので、リノベ内容やお願いする施工会社を絞っていく必要があります。突然動き出す上に、とにかくやることが多いのです。

私はこれらを物件を見つけてから慌てて準備して、約1週間後に購入申し込みをしましたが、もちろん自分のペースでゆっくり準備してから申し込んでも良いかもしれません。しかし、いかんせんその中古物件は世界に1つしかなく、自分が気に入ったくらい魅力的なので、他に同じような方がいる可能性もあります。似た条件の物件にまた出会えるかもわからないとなると、気に入っていればいるほど早く申し込みたい、と考えてしまうもの。物件を見つける前に、できることは進めておいた方がいいですよ!と、自戒の念も込めてお伝えしたいのです。

セールストークではなかった“リノベーション会社への相談”

このレポートを書くにあたり、私が一番伝えたかったこと。それは「リノベーションする可能性があるなら最初からリノベーション会社へ行ったほうがいい」! 

MUJI HOUSEの人間なのだからセールストークでそう言うでしょ、と思いますよね。実際に私も、お客様に「リノベする可能性があるなら、物件探しのお手伝いもできるのでご相談ください」とお伝えしたことがあります。しかしこれがセールストークではなく本当の本当だということを、恥ずかしながらリノベしてから知りました。

正直「とはいってもリノベするかもわからないし、詳しいことは気に入った物件が見つかったら考えよう…」と思っていました。もしこれを読んでくださっている方の中に、同じような気持ちで不動産ポータルサイトを眺める趣味をお持ちの方がいたら、本当に心から伝えたいです。

携わってきたコラム連載「リノベーションなんでも相談室」の記事が思い出される…

まず中古物件購入の際、基本的に物件をはじめに案内してくれた不動産会社を介して購入します。1000万以上かかる「フルリノベーション」はまだまだ一般的でなく、不動産会社によっては取り扱ったことがない、ということも多いそう(実際、不動産会社にリノベ費用1000万円以上と伝えたら高確率で驚かれました)。

そして住宅ローンを組む際も、不動産会社の方はかなり力になってくれます。適した金融機関を紹介してくれ、金融機関とのスムーズなやりとりができるよう窓口となってくれる場面も多いです。物件購入費とリノベ費を合算して住宅ローンを組むことも可能なのですが、1000万円以上のリノベ費用をローンに合算できる銀行もこれまた多くないのだそう。(『リノベ合算可能』とWEBサイトに書いてあっても、実際には1,000万以下のリノベだけが対象だったりします)このあたりも経験がものを言いそうです。

つまり、リノベに慣れていない不動産会社経由で物件探しを行うと
・リノベ前提での物件探しでアドバイスがもらいにくい
・リノベに適した銀行を紹介してもらえるかわからない
・さらに同時進行で自分でリノベ会社を探さないといけない
という、全員手探り状態に陥ってしまう場合も。

その点リノベ会社経由であれば、
・リノベのことは全て相談できる
・そもそも物件がリノベに向いているかのアドバイスももらえる
・リノベに慣れた不動産会社/銀行を紹介してもらえる
・リノベ会社と不動産会社が連携して、必要な場面で情報共有してくれる
・申し込み手続きと同時進行で候補物件のプランも検討してもらえる
と、とにかくスムーズに全てのことが運ぶのです。
(サポート内容はリノベ会社によって異なります)

もちろん物件の状態を見てからリノベの有無を決める場合や、部分的にリノベする場合は状況が変わるとは思います。そして私はたまたまリノベに慣れた不動産会社だったのでことなきを得ましたが、フルリノベの可能性があるなら「リノベーション会社の相談会へ行く」を物件探しの入り口にすることを心からおすすめします!