リノベでできる花粉症対策を教えてください
リノベーションなんでも相談室 | 2026.3.3
毎年春になると花粉症に悩まされています。これからリノベーションを計画するにあたり、なにかしらの花粉症対策をしたいと考えているのですが、できることはあるでしょうか。
日本人の4割以上が症状を有しているともいわれる花粉症。外にいるときだけでなく、家のなかでもくしゃみ、鼻水、目のかゆみなどに悩まされる方も多いのではないでしょうか。実際にリノベーションの相談を受けるなかでも「花粉症を楽にしたい」という声はよく耳にします。リノベーションや暮らし方の工夫によって花粉症への対策はできるものなのでしょうか。
今回は、自身も花粉症を発症して15年、自邸のリノベーションでもさまざまな工夫をしている、マンション管理士の”こっしー”が、花粉症への対策方法について解説してまいります。
花粉を家の中に持ち込まない、が大原則。
外にいるときに花粉にさらされることに対しては、メガネやマスクの着用、花粉が付着しにくい素材の衣服の着用などの対策が効果的です。環境省の「花粉症環境保健 マニュアル2022」によれば、花粉症用のメガネ・マスクを利用した場合に、なにも着用しない場合と比べて、鼻の中の花粉数を約84%減らせるという報告もありますから、その効果は絶大です。
一方で、家の中でも花粉症用のメガネ・マスクを着けたままで過ごすわけにはいきません。そこで大切になるのが、なるべく花粉を家の中に持ち込まないということになります。花粉が家の中に侵入する経路としては、換気のために利用される給気口や窓、帰宅した際の衣服や毛髪などがありますから、リノベーションをする際には、花粉を家の中に持ち込まない・家の中に溜まりにくくなるような工夫を考える必要があります。
リノベーションでできる、間取の工夫。
ゼロから間取をつくるリノベーションであれば、一定の制約はあるものの、ある程度自由に間取をつくることができます。新築などの出来合いのマンションでは叶えられないアプローチが可能となりますから、ここでは3つの間取の工夫を紹介いたします。
工夫(1)玄関まわりの動線を整える
外から持ち帰る花粉をなるべく室内に入れないように、玄関まわりでも工夫できることがあります。たとえば、広めの玄関をつくり、上着や鞄などを玄関のまわりで仕舞えるようにするのもよいでしょう。玄関に空気清浄機を設置するためのコンセントを設けるなどの細かな工夫もできますね。図1の間取では、広々と確保した玄関に大容量の収納を確保しています。

また、顔に付着した花粉が皮膚のかゆみの原因にもなりますから、帰宅したらすぐに手や顔を洗えるようにするというのも有効です。一般的な間取では洗面脱衣室で顔を洗うことになりますが、たとえば図2のように玄関近くに洗面スペースがあれば、より花粉を持ち込ませないことができます。

工夫(2)室内干しのスペースを十分に確保する
花粉症の時期に外で洗濯物を干すと、取り込む際にたくさんの花粉が室内に侵入してきます。それを防ぐために室内で洗濯物を干している家庭も多いと思いますが、どうしてもリビングがごちゃごちゃするなど、決して快適とはいえない環境になりがちです。リノベーションをする際に、室内物干しスペースについてもしっかり検討することで、室内物干しとすっきりした住空間を両立することができます。図3の間取では、ゆったりとした洗面室を確保することで、ストレスなく室内干しをできる環境を整えています。

室内干しについては、「室内干しの工夫はできますか?」や「【実例まとめ】梅雨の洗濯も快適に。室内干しのできる家(2025年版)」でもたくさんの事例をご紹介しておりますから、あわせてご覧ください。
工夫(3)掃除がしやすい内装・レイアウトにする
掃除が不十分だと、ほこりに付着した花粉が家の中に溜まってしまいます。家の中に段差や凹凸が多いケースでは、掃除が行き届かない部分が増えてしまいますから、なるべく段差や凹凸の少ない間取をつくるとよいでしょう。たとえば図4のレイアウトを見ると、整形でつながりのあるLDKが設けられていますから、ロボット掃除機を利用しても部屋全体をきれいにすることができそうです。

また、ビニール製の素材は静電気を帯びやすい性質を持っており、壁紙(ビニールクロス)やクッションフロアなどは、浮遊している花粉を吸着しやすい素材といえます。壁や天井の仕上げとして塗装を選択したり、壁紙を使う場合でも防塵クロスを採用したりするなど、内装の素材についても考えてみるとよいでしょう。
換気における工夫
多くのマンションでは第三種換気という換気方式が採用されています。これは、お風呂や洗面室の換気扇で機械的に空気を排出し、壁の給気口から新鮮な空気を取り込むというつくりになっています。この方式の場合、給気口からは外の空気がそのまま入ってくることになりますから、花粉の対策としては給気口にフィルターをかませてあげるとよいでしょう。メーカーの推奨品がおすすめではありますが、花粉対策を謳うものも市販されておりますから、試してみてもよいかもしれません。また、既存の給気口フィルターが汚れている場合は、フィルターの掃除や交換をご検討ください。
清潔な空気環境を保つため、給気口は常に開放しておくべきものになります。ただし、枕元に給気口があり、そこからの花粉の侵入が気になる場合などは就寝時に限り一時的に給気口を閉じるという運用もあり得るかもしれません。くれぐれも閉じたままにしないよう、お気を付けください。給気口の扱いについては、以前のコラム「給気口は閉めてもよいのでしょうか?」もあわせてご覧ください。
今回は、リノベーションでできる花粉症対策について解説しました。花粉を完全にシャットアウトすることは難しいものの、なるべく持ち込まないようにする、なるべく掃除をしやすくする、空気清浄機の設置場所をあらかじめ想定する、などの工夫によって改善することはできます。これらの工夫は、まさに我が家の設計の際にも意識していることになりますから、ぜひ皆さんも参考にしてみてください。
無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」では、ゼロから間取をつくる、フルスケルトンからのリノベーションに特化してサービスを展開しております。マンション探し、設計、施工、アフターサポートまでワンストップで対応しておりますから、ご興味をお持ちの方は、リノベーションセミナーや相談会、見学会にぜひお越しください。
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“こっしー”プロフィール
無印良品のリノベーションで働く、“こっしー”こと大越 翔は、自身の自宅も含めて100以上のリノベーションを担当。
宅地建物取引士やファイナンシャルプランナー、マンション管理士としての知見を生かしながら、さまざまな物件と向き合ってきました。
みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問にコラムを通じ、お答えします。



