
未来を考える 団地Lab. -地域のすきまを未来に活かす-(後編)
MUJI×UR団地レポート | 2025.10.16
※このレポートは、2025年8月16日(土)に無印良品 グランフロント大阪で行われたトークイベントの模様を採録しています。
【MUJI×UR イベント】未来を考える 団地Lab. -地域のすきまを未来に活かす-(前編)の続き
Part5:まち・団地のすきまをお互い妄想してみる
松本
ここからは、団地Lab.ということで、妄想をしながら、みなさんと一緒に「すきま」について考えていきたいと思います。
谷内さんや金田さんが活動されているまちのすきまと、我々が行っている団地のすきまについて、お互いにアイデアを出し合ってみたいと思います。では、先にまちのすきまについて谷内さんからご説明をお願いします。
谷内
はい。私の担当は兵庫北部になるのですが、別のエリアでも密集市街地整備の取り組みを行っています。今回妄想をしたい場所が、門真市の一部になります。資料の赤枠で囲われたところがURで土地を取得したところになります。見ていただくと中途半端に赤枠が引かれているように感じられると思うのですが、赤枠で囲われてない部分の道路が拡張すると思っていただけたらと思います。
残る部分は、これからどうやってすきまを活用しようかと考えている状況です。今日何か気づきがあるといいなと思っています。
松本
ありがとうございます。実は先にお題をいただいていたので、模範解答と思っていただけたらと思います。まちのすきまをMUJI×URでまるごとリノベーションをするとしたらとどうするのかを考えてみました。
MUJI×URの場合、デザインコードがいろいろとあるのですが、手法の一つとしては「ストリートファニチャー」ですね。
これまで、花見川団地の商店街や泉北茶山台二丁団地でも採用したストリートファニチャーですが、ベンチやテーブルを設置することで、そこに人が滞留して会話が生まれてコミュニティが生まれる装置と考えています。
また、そこでイベントを行おうと思ったときに、什器を用意したり・運んだりと準備も大変で、運営者がいないと活動が難しく挫折しがちです。ストリートファニチャーが屋台になったり、別のことでも使用ができたらいいのではないかという発想のもと、資料では日常的にはベンチなのですが、マルシェを実施しようと思ったら、ベンチを積み重ねるとあっという間に屋台になってしまう。そんな発想のストリートファニチャーになります。
見通
金田さんの先ほどのお話もそうですが、「食」を通じてのコミュニティってすごくいいなと思っています。無印良品で小屋や現在実施用実験中の電気やガスなどのインフラが不要なインフラゼロという商品があるのですが、そういうものをまちのすきまに設置して活動の拠点にできたらどうかと思いました。
短期的に土地を使う場合、一から農業を行うのは難しいと思ったので、近隣の軒先で柿のような果実が軒先で育っていることがあるかと思います。そういうものをみんなで収穫して、小屋の中で調理し、それを一緒に飲んだりして楽しむことができればと思いました。
ハードとなる小屋などがある理由ですが、そこに備品を置くことができたり、果実酒やレモネードのようなものをつくり、置くことで近隣の方がそこを運営・販売して、みんなで楽しみながら飲むことができたらいいなと思いました。小屋のような拠点があることでできることがほかにもいろいろありそうだなと思い、小屋を設置する案を考えてみました。
松本
ありがとうございます。
もう一つの案ですが、谷内さんからご説明があった、密集市街地の家についてですが、家を一軒除却すると隣の家が建っていた跡がそのまま壁に残っているのを見かけます。こういうのがすごく面白いなと思っていて。
こういった壁を使い、パブリックビューイングのように映像を放映することで、みんなで同じ時間を共有するためのスクリーンとして使えるのではないかと思いました。
谷内
隣の家が建っていた跡がそのまま壁に残っていることがありますね。
松本
大阪は長屋が多いなと感じています。
出身が阿倍野なのですが、昭和町などに行くと長屋がたくさんある印象があり、隣の家が建っていた跡が気になり写真を撮ってしまいます。
まちのすきまをMUJI×URでリノベーションをした場合の模範解答でした。
見通
僕が出したフルーツの件ですが、軒先フルーツという活動をされている方がいらっしゃいます。URさんでも類似した事例などありませんか?
谷内
すごくいいなと思ってお聞きしていました。小屋は是非、燃えない素材にしていただきたいです。軒先フルーツについてですが、高槻市にある富田団地で、酒造を行っている足立農醸さんに入っていただき、自治会さんと連携して団地の果物などをもとにオリジナルのお酒をつくる活動をしています。
密集エリアではできていないのですが、地域オリジナルの魅力・価値につながりそうでいいなと思いました。
見通
僕の住んでいる花見川団地の近くに夏みかんの木があるのですが、実がなっても収穫されずに落ちてカラスに食べられていてもったいないなと思って見ていました。そういった果物を使用できたらとてもいいなと思いました。
谷内
3案目の隣の家の壁面をスクリーンにするアイデアは、隣のお家の方が協力いただけたら実現できると思っています。人工芝を敷くなどの工夫はいいなと感じました。
見通
街中で大きなスクリーンを探そうと思っても難しいですよね。
谷内
そうですね。難しいと思います。
芝生については、さきほどご紹介した犬の散歩に使ってもらっていたガーデンにも芝生を敷いています。お散歩をされていた方に伺ったお話なのですが、芝生の場所がワンちゃんのお気に入りスポットらしく、自分の家のようにリラックスして座っていて、私が来たらよそ者が来たみたいな感じで見られてしまいました。芝生があるとその場所に滞在してくれることを実感しています。
松本
ありがとうございます。今日参加されている方からご意見を伺いたいと思います。
マイクが有線のものしかないので、すみませんが前方にお座りの方限定となりますが、ご意見がありましたらお願いします。
参加者
貴重なお話をありがとうございます。URさんと一緒に活動をさせていただいている神戸市の担当者です。すごくおもしろいアイデアだなと思って聞いていました。最後に紹介いただいた壁の利用ですが、ラウンジの2つ目のところでできるのではないかと思いました。2つ目のアイデアも活動拠点として空き家を使うことも効果的ではあるのですが、インフラゼロハウスはみなさんの目を引くものになるので、トレンド的にも入れることができるととても面白いなと思いました。
松本
ありがとうございます。プロの方でしたね。
別の方にもご意見をうかがいたいと思います。
参加者の方
貴重なお話ありがとうございました。私が思ったのは、最初にスライドにあった「つながるベンチ」が道路沿いと空き地の境界になるのかなと思いました。なかなか地域の人と話す機会が少ないと思うので、ベンチやテーブルなどが置いてあれば地域のアップデートにつながると思いました。
松本
ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいですね。
ではここから団地にステージを移しまして、団地のすきまを自由に活用できたらを考えていけたらと思います。金田さんお願いします。
金田
「すきま」ってなんだろう? とこのテーマをいただいたときに考えました。「すきま」っていうぐらいなので、使いにくい場所で、そこで何かをやっても儲からないと思われていたり、魅力がないと思われているから「すきま」になってしまっていると思うんですね。その場所に無理に経済的価値を生もうと考えると結構しんどいなと思う部分もあるなと。
「すきま」のイメージを膨らますためにいろいろネットで画像を検索してみたのですが、どこかの国のアーティスト集団の活動画像で「すきま」に人がはさまっていたものがあり、「そっか」って感動しまして。ぱっと見て面白いと思う点もあるのですが、「まちのすきまは自分たちで埋めるんだ」という圧倒的な主体性を感じました。 例えば、手すりのすきまに挟まってみたり、団地の廊下のすきまだったり、壁を作ってみたりと、そういうマインドが大事だなと思ったんです。
ベンチを置いたりというのは設備を置く側の視点ですが、そのまちに住んでいる方や団地に住んでいる方など、その場所を使う側の視点だと「なくてもつくればいいじゃん」という気持ちを持つことがまず大事だなと思いました。
まちを見渡すと、壁がスクリーンに見えてきたり、高速道路の上に架かっているものは屋根に見えてきたりと考えが広がって行きます。路地は暗くてジメッとした雰囲気がありますが、そこに合う椅子を置くと雰囲気がかわって良くなったり、自分たちの本能的な感覚として、外でご飯食べるのは気持ちいいと感じることがみなさんもあると思うのですが、そういう自分の中の感情・感覚がとても大事だなと思っていて、そういった感覚をまちのすきまで実現するためには何ができるのかなと思っています。
まちを見てみると、屋根もなにもないところにベンチが設置されていて、暑い中で誰が座るんだろうと疑問に思うこともあり、ただ単にモノを置けば解決する問題ではないという視点も必要だと思っています。
「すきま」についてみなさんと一緒に考えていきたいので、考えるためのネタとしてお話をさせていただきました。
松本
ありがとうございます。
MUJI×URだとある程度デザインコードが決まっているので、どうしても発想や手法がある程度決まってきてしまうのですが、金田さんからいただいた資料をみて、いい意味でぶっ飛んでいていいなと思い、発想を変えて行けたらいいなと思っています。
ということで、団地のすきまの画像を用意してきましたので、参加されているみなさんも一緒に考えてみてくださいね。
例えば、こちらは団地の1階の階段室です。これもある意味、団地のすきまなのかなと思っていまして、うまく利用しきれていない・ここで何かをすることもない場所なのですが、例えばこういったところを使ったアイデアはいかがでしょう?
谷内
金田さんのお話をきいて自由な発想をしていいんだなと勇気をもらいつつ、どうしても仕事でやっていると、いろいろなルールや制度がある中でやりたいことができなかったりするジレンマを抱えているのですが、今日は自由な発想でお話させていただきます。
階段室ですが、私自身こどもが2人いるので、ベビーカーを上の階までもっていくのが大変だと思っているので、ベビーカー置き場をつくったらいいのにと感じています。
あと階段室って全部一緒にみえてしまい、あまり面白くないなと思っています。
松本
確かにそうですね。
谷内
階段室ごとにカラーを変えて、「ここは私の場所」と愛着が持てるようにしてもいいのかなと。カラーだけではなく、物を置いてしまってもいいのではないかと思うのですが、少しだけ個性を出してみてもいいかもしれないと思いました。
金田
階段横の謎のスペースがありますよね?ああいう場所ってこどもが好きだと思うので、そこに秘密基地を作りたいなって思いました。そういうのをOK にしちゃうのもいいですよね。
谷内
もともと古い団地には、ゴミを上の階から落として回収する仕組みがあったりするのですが、逆に今だと宅配などで下から上に届けているので、再利用しても面白いなと話を聞いて思いました。
松本
ちょうどこの写真の右の階段室の横にあるのが、ゴミを上の階から落として回収するダストシュートがあった場所になります。
みなさんダストシュートはご存知ですか? 団地建設当初は5階に住んでいて、1階にゴミ捨てに行かなくてよかったんです。 階段室の横に1階とつながるトンネルのような空間があって、そこからゴミを捨てると1階のバスケットにゴミが溜まって回収してくれるというものになります。今よりも進んでいた仕組みだなと思うのですが、最近はどこの団地も除却されてしまっていますが、谷内さんがおっしゃっていただいた通り、今の時代だったら逆に上へ送ることができたら配達や出前もそこから受け取ることができるので、ありだと思いますね。
見通
僕はここに小さいコンビニをつくって欲しいです。少しずつものを買うことができたり、階段室で買ったものを自分の家まで上に送ることができるといいですね。
階段棟ごとのコミュニティが薄くなってきてしまっているので、話すきっかけをつくるため、小型のロボット犬を置くことができるのかなと思いました。階段室ごとにロボット犬がいて、それをみんなで世話をするのはどうでしょうか?
ちゃんとお世話をしないとロボット犬がいなくなってしまう仕組みにしたら、みんなで育てるようになるのではないかと思います。昔は階段棟で掃除したり、回覧板を回したりと話すきっかけがいくつかあったので、そういうコミュニティを階段室でつくれるかもしれないと思いました。
谷内
話を聞いて思ったのは、金田さんのお話であった、「自分たちで活動して、いいエリアをつくっていく」とそれが愛着につながると思うので、自由に使っていいですよって住民の方に考えて使ってもらうのもありかなという気もしますね。
金田
物々交換ステーションとかもいいですよね。
階段室の部屋のメンバーだけで、不要になってしまったものを譲り合えたらいいですよね。
見通
面白いですね。棚かポストのようなものをつくれば良さそうですね。
松本
階段室でいろいろできそうですね。ご参加いただいたみなさんにも後でご意見を聞かせていただきますね。
では、次のお題に進みたいと思いますが、「トンネル」です。最近気づいたのですが、URさんの団地は歩車分離がしっかりされているので、上を車が通って下が住人の方が歩くトンネルが結構多いですよね。
この背の低いトンネルも、人と車がぶつからないように、人だけが歩けるトンネルになっているので、結構使えるのではないかと思いましたがどうでしょうか?
谷内
アートとして絵を描いてしまう。団地に住まれている方の中に多分そういう方がいるのではないかと思っていて。さきほど見通さんが説明をしてくれた泉北茶山台二丁団地の数が1200戸とおっしゃっていたじゃないですか。それだけの人がいたら絵を描ける人がいるんじゃないかなと思っていて。 団地のアーティストに作品を描いてもらうのはどうかなと思います。
見通
確かに団地にそういう方はたくさんいそうですし、街中の壁のアートが月替わりで変わっていくようなものができたらいいですよね。
高架下だとそういうアート作品がありますよね。お話を聞いていて思ったのですが、三ノ宮もそうですが、高速道路の下ってちょっとにぎやかな場所になるじゃないですか。 ここはその広さ的にはちょっと厳しいかもしれないですが、左側を小さめの部屋にして、防音室のようなものができたら団地に住んでいるギタリストやピアノを弾きたい方や漫才の練習とかが周囲の音を気にせずにできて良いなと思いました。
松本
このトンネルを通らないと家に帰ることができないので、利用する人が増えるなと感じました。
見通
日々のうっ憤を一声叫んでから帰る場所でもいいかもしれないですね。
防音室のようになっていなくてもいいので、音を出すことができるといいなと思いました。
金田
トンネルの光の入り方が右の写真が特にいいなと思っていて、瞑想部屋みたいな雰囲気だなと思ってしまいました。瞑想するときってシーンと静かな環境よりもちょっと雑多な音が聞こえる中で、その音に集中することがあるので「瞑想室」とかいいのかなと。
こういうものを発想する時に「みんなの場所」にしがちだなと思っていて、誰か一人のための特有なニーズに応える場所もあってもいいんじゃないかなって常々思っています。
谷内
瞑想したい人のための小部屋いいですね。
見通
茶室のような、はなれのような感じでいいですね。
金田
そうですね。半畳ぐらいの小上がりの茶室みたいなイメージです。
見通
ちょうどここを使えそう。
松本
ありがとうございます。
では、次の団地のすきまは駐輪場です。
団地の中を歩いていると駐輪場がたくさんあり、どの駐輪場もちゃんと整備され屋根がついて、きれいに保たれているのですが、こちらは金田さんと初めて行った打合せで駐輪場の活用方法のアイデアをいただいていたので、ぜひお聞きしたいです。
金田
駐輪場の屋根に降り注ぐ雨を溜めておく装置みたいなものができたらいいなと思っていて、駐輪所の前には街路樹や土のスペースがあったりするので、横に畑をつくってしまって、駐輪場の屋根に降り注いだ雨水を溜めておくタンクから水やりができる仕組みができたらおもしろいなと思いました。すきまの活用とは違うかもしれませんが、雨水を有効的に利用ができるなと思っていたんです。
よく観察すると、駐輪場の屋根に降り注ぐ雨は雨どいから下りているのですが、結局地面に垂れ流しになっていることが多そうですよね。タンクにつなげるだけなので、こどもがそれで水遊びしてもいいですね。
見通
駐輪所の一部を小屋のように使うことができたら、そこでつくったものを調理したりもできますね。
金田
非常時でも水が使えるようになり、防災にもつながります。
松本
防災にもつながるのはいいですね。今のアイデアはできそうですね。
時間がなくなってきてしまい、運営スタッフから残り5分という指令が出てしまいました。 次は先ほどもありましたが、団地は住棟と住棟の距離がしっかり保たれていて、陽当たりも風通りもよいのですが、この住棟間の間って何もないなと思っています。
資料の写真だと植栽が緑豊かな空間になっているのですが、この空間を使って何かできないかなと。
金田
これは木にハンモックを吊るしたいですね。インドネシアに行った際に、タクシーの運転手の方が道端の街路樹に勝手に自分のハンモックを吊るして昼寝をしているのを見て最高だなと思っていたんです。そういったことが団地でできたらいいですね。
谷内
いいですね。現状URでは共用部の個人利用は禁止しているのですが、ミニ農園などをオフィシャルでできたらいいですね。
この空間だと住棟に近すぎて、逆に使いにくいのかもしれないと思うので、いっそ住民の方が自由に使用してもよい場所にしてしまうのはアリかなという気はしますね。
松本
この緑豊かなプライベートな空間にできるのであれば、ハンモックや農園などを自由に使用できそうです。住棟に住まれている方全員で使えるようなプライベートな庭になりそうですね。
それでは最後のお題ですが、リアル団地のすきまです。
見通
リアルすきまですね。
僕はこのすきまをよく見ます。毎日ここを通って帰っています。
松本
本当ですか?こちらのすきまはどうでしょうか?
これなんかこっち側のパターンよく見る気がしますね。 ちょっと法面というかに住棟があるパターン。 右は車1台がぎりぎり通れるかぐらいの幅ですけど。壁を使ったら何かできそうな気がしますね。フレームのようなものを組んで、何でも吊るすことができるようにするだけでも、いろいろな使い方ができそうですね。
谷内
壁と壁が近いので、屋根のようなものが作りやすいので、その下に人が集まって何かするのにはやりやすいですね。
見通
ベンチを置いたり屋台を置いて、くつろげる空間もできるなと思ったんですけど、この長いまっすぐの道で何か遊べそうだなど思い、ボーリングがちょうどよさそうだなと。
物理的に人が近くに寄ることができないので危なくないし、手前側から投げることができるようピンを奥側に並べて、次は奥側の人が手前に向かっても打つことができるので、交互に遊ぶことができるなと。そういう遊び場をつくってしまうのもありかなと思いました。
松本
事前打ち合わせもせず、 本当に考えているのですが、参加されているみなさんはどうでしょうか?何か良いアイデア浮かんだ方がもしいらっしゃいましたらよろしくお願いします。
参加者
行政の団地の再生の仕事に関わっているのですが、現場をみて思ったことで今回のお話とズレてしまうかもしれませんが、携わっているところにバス停があり、イスが置いてあるのですが、そこに近隣の方が座ってお話しされているのに何度も遭遇していて。最近だと暑いので自分たちでうちわを持ってきてはいるのですが、日差しもきついのでどうにかできないのかなと思っていました。
駐輪場は屋根が付いていて日陰なので、滞在できるような場所にできると思いました。飲み物を持ち寄れば、ちょっとしたカフェのようになるので近隣の方のコミュニティができるのかなと思いました。
松本
ありがとうございます。今日はプロの方が多いですね。
谷内
団地を歩いてみると、お住まいの方が日陰でゆっくりするような空間ってあんまりない気がしています。私が以前担当をしていた千里ニュータウンの団地では、工務店さんから寄付していただいたベンチがあり、ちょっとした屋根とあわせて設置していました。そこには連日、団地にお住まいの方が来ていて、井戸端会議みたいなことをされていました。その時、後からつくられた場所に需要があることを目の当たりにして、気軽に集う場所がないのかも知れないと思いました。駐輪場はまさに人が過ごしやすそうな空間になるのがイメージしやすいですね。
こちらの資料は、私の携帯のカメラロールから面白そうな場所になります。団地の住棟付近に誰も近寄ってない緑色の池があったので、こちらとか農園系で水とか使うことができないかなと思いました。水をためることができるので、稲作とかできそうですよね。あとは釣り堀にもなりそうですね。
こちらも、なかなか渋い場所見つけたと思って当時撮ったんだと思うのですが、使っている方がいらっしゃらないので草が伸び放題になってしまっていて、形跡はなかったのでもったいないなと思った場所になります。とにかく渋い場所ですね。
松本
最近ゲートボールしている方を見かけないなとおもったのですが、ここは使われていなさそうなのでもったいないなという気はしますね。
最近モルックをされている方が多いのと、しっかり囲いがされていて安全なので、みんなで楽しめるものができるといいのかなと思いました。
それでは最後になってしまうのですが、参加された方にご意見を伺えたらと思います。いかがでしょうか?
参加者の方
貴重なお話ありがとうございました。神戸市さんとのまちのすきまの取組で園芸高校さんと協力されていると言われていましたが、工業高校とも一緒に活動ができたらいろいろなものをつくることができるので、面白いことができるのかなと思いました。実は工業高校に勤めていて、志願者が減ってしまっている現状があります。こちらの活動に参加することができたら地域と工業高校の活動のPRを共に行うことができるのでうれしいなと思いました。
谷内
今のみなさんとのお話で、まちのすきまを地域の方に使ってもらいたいのですが、何もない場所だけあっても使ってもらえないため、園芸学校さんにある一定のレベルまで整備をしていただけるとその空間を使って先ほど紹介したバーベキューのような飲食のイベントであったり、ワークショップのイベントを行ったりできるのではないかというマインドに地域の方がなっていくので、そこをつなげていくことが大事なのかなと思っています。今のご意見も参考にさせていただきたいなと思います。ありがとうございます。
松本
ありがとうございます。では最後となりましたので、トークイベントの締めに入らせていただきたいと思うのですが、感想などをそれぞれ聞かせてください。
無印良品では引き続き団地をより良くしていきたいと思っています。今日は谷内さん、金田さんのお話を聞いて、やれることを凝り固まらずに、もっと自由な発想でやっていけたらもっといろいろな発想が生まれそうだなと思いました。見通さんお願いします。
見通
今日はありがとうございました。実は過去に行った企画で団地に住んだことがあり、花見川団地は3団地目になります。団地を改めて見直してみると、豊かな空間をすきまとして何でもできると思うとすごく面白いということに気づくことができました。
ぜひみなさんもいつも使っている道ですきまがあると思った時や団地ですきまをみつけてどのようにつかったら面白いだろうとアイデアを膨らませていただくことでいろいろなことが思いつくのかなと思います。それを僕たちにアイデアを共有いただけると、今後商品開発につなげることができたり、団地などの活動として実現することができるなと思ったので、そういう視点で今後すきまを見ていただけたら嬉しいなと思いました。
谷内
短い時間でしたが、いろいろご意見もいただき、まちのすきまの活用をやっている事例をお話させていただきましたが、まだまだ使い方に困っているまちのすきまがありますので、今日みなさんのお話やMUJI×URでの活動のお話を聞きながら、これからもっと地域にとっていいものに活用できるように、URとしてもこれから考えていきたいなと改めて思いました。また、団地との関係の方が長いのですが、今は離れてしまっていますが、離れたことでもっと面白いことができるんじゃないかなと思います。
団地のすきまの活用を考えた時に見通さんからボーリングの案がありましたが、団地の敷地の中なので、自分たちが好きなようにもっと自由に使えるのかなと感じました。 金田さんのスライドにもあった、「もっと自由にすきまを自分たちで埋めるんだ」マインドでやってもいいんだなと感じたので、とても面白かったです。
金田
今回、すきまって普段見えないものなのではないかと考えました。自分の中で「ここ使えるんじゃないか」とか「ここで何かしてみたいな」という視点がないと、すきまをすきまとすら認知していないと思いました。ぜひURさんと無印良品さんに行ってもらいたいのは、クオリティなどは考えず限りなくハードルを下げて、誰かがすきまを粗削りだけど使っている状態をつくることができたらいいなと思います。
その状況をつくることができると、それを見た人が「自分もあのすきまで何かできるんだ」というマインドを一人一人が持てた時点で、初めてすきまとして現れてくるのかなと思っています。デザインなどはできないけど、やりたいことがある方を見つけていただきたいです。きれいにすきまを使う方だと「自分には無理」とハードルが上がってしまうので、野性的・本能的な感じの方を採用していただけると個人的には嬉しいです。
自分自身もフリーで行うことができる立場にいるので、そういうものをつくっていかないといけないんだなと改めて感じました。今日はありがとうございました。
松本
みなさんありがとうございました。 ご意見をいただいた参加者の方も本当にありがとうございました。それでは、今回の団地Lab.のトークイベントを終了させていただきます。ご清聴いただき、ありがとうございました。
お集まりいただいたみなさま、ありがとうございました。
今後のMUJI×UR団地リノベーションプロジェクトの取り組みにご期待ください。