
【団地ちょっとレポート】MUJI×URの設計者と歩く「箕面粟生第3」
MUJI×UR団地レポート | 2025.2.27
第三回ゲスト:森田アルミ工業/取締役 宇野健太郎さん
11月、まもなく新しいMUJI×URの新プランが完成する工事中の住戸から、4回目のお散歩レポートは緩やかにスタートしました。
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトに関わって10年余り、全国70団地ほどでリノベーションに関わってきたMUJI HOUSEの松本と、大阪出身で松本と同郷の森田アルミ工業/取締役 宇野健太郎さんと大阪北部に位置する団地のお散歩の様子をレポートします。
写真右から、MUJI HOUSE 松本、左は森田アルミ工業/取締役 宇野健太郎さん。
今回ご紹介する団地情報
・箕面粟生第3団地:大阪府箕面市 周辺には同じく賃貸の第1、第7団地あり、第2、第4、5、6は分譲団地となっており、大きな一つの団地郡を形成している。
松本
今回一緒に団地レポートして頂けるのは、普段、MUJI HOUSEでもお世話になっている森田アルミ工業/取締役 宇野健太郎さんです。
宇野
こんにちは。今日はよろしくお願い致します。
松本
こちらこそ。いつもお世話になっています。宇野さんとの出会いは、MUJI HOUSEでリノベーションの事業が始まって数年経った頃に、MUJI HOUSEに営業に来て頂いた時が初めましてでしたよね。
宇野
そうですね。私の所属している森田アルミ工業は主に住宅設備の中でも、ニッチな部分に視点を置いて意匠性の高い商品開発を行っていて、MUJI HOUSEさんにもきっと相性が良いのではと思い、ご連絡をしたのが始まりですね。
松本
宇野さんとは、たまたま同郷で僕は阿倍野で、宇野さんは天満橋。年齢も同世代で同じプロダクトデザイン出身ということで何かと共通点が多かったですね。
宇野
この「団地ちょっとレポート」のお散歩企画は、前から気になっていて。笑
出てみたいなーと思っていたら、実際にお声がけ頂いて。楽しみにしてきました。
松本
そう言って頂けると本当に嬉しいですね。笑
今日は、お散歩レポートとしては初のMUJI×URの工事中の住戸からのスタートになります。宇野さんはMUJI×URの住戸を見るのは初めてでしたか?工事中の住戸なら尚更でしょうか。
宇野
はい、初めて拝見します。こんな感じで工事されているんですね。
松本
MUJI×URは、団地の良いところを残しながら、丁寧に設計を行いながら工事を行うのですが、実際、工事がスタートして解体を行わないと、最終的にどうなるかわからない所も多くて。現場に何度も足を運んで工事をしながらディテールを決めることが多いですね。
松本
例えば、このタイルが貼っている壁なんかは、元々キッチンが壁付けであった所ですが、リノベーション後は冷蔵庫置き場や洗濯機置き場になるので、配線や配管もきたり。でも既存の100角サイズのタイルがかわいいのでタイルを残しながら、下地の木軸も残したりするので、訳わからないですよね。笑。でもちゃんと量産化できるようにこれも図面化するんですよ。
宇野
カオスですね。笑。一見するとアートだけど、ちゃんと量産できるプロダクトとしてこれをデザインしているんですね。
松本
これから1月のリリースに向けて工事を完成させます。ちょうどお散歩レポートが公開する頃には、新団地新プランとしてリリースされていると思います。
ではそろそろ、箕面粟生第3団地の外のお散歩に行きましょうか。
宇野
是非是非。窓からの景色もすごく良いですね。緑もたくさんあって、今の紅葉の季節はさらにきれいですね。そこに高層の住棟が建ち並んでいる。
松本
ここ箕面粟生第3団地の特徴は、まさにこの景色ですね。自然が本当に身近にある。
給水塔も見えます。あの周辺に商業施設(※)もあるので後で行って見るとして、まずは一階の方に降りてみましょう。
(※)商業施設は、箕面粟生第1団地になります。
宇野
階段室のサインもかわいいですね。建設当初のものでしょうか。こう言ったサイン類は職業柄気になりますね。
松本
流石ですね。MUJI×URのオリジナル共同開発パーツである「室名プレート」も御社で製造頂いていますが、こういうプロダクトが最後の味付けとして効いてきますよね。
宇野
一階のエントランスにあるオブジェ?のようなものはなんでしょうか・・・
気になりますね・・・
松本
屋外水栓の目隠し?的なものでしょうかね。何でこんな逆Cみたいな形状なのか・・・気になるけれど、分からないですね・・・。
宇野
これは謎のままにしておきましょうか・・・
松本
ですね。もう少し歩くと集会所があるので、そこまで行ってみましょう。
松本
集会所が見えてきました。入口にあるこのサインを見ると集会所と管理サービス事務所が一体になっているみたいですね。このフォントがまたかわいいですね。特にこの「粟」の文字。
宇野
そもそもこれで「粟生(あお)」と読むんですよね。
松本
僕も最初読めませんでした。笑。「栗生(くりなま)」かと思ったらそもそも「栗(くり)」ではなく「粟(あわ)」でした・・・
UR
集会所の裏に、バーベキューができる広場とBBQコンロもあります。集会所の中にはDIYの工房もあるので是非見てみてください。
松本
そうなんですね。では行ってみましょう。
宇野
確かにこれは立派なBBQコンロですね。
松本
これは僕も初めてみました。団地でBBQができるなんて素敵です。
こっちは屋外の水場でしょうか。シンクに蓋がついてますね。これも立派ですね。
松本
なんか宇野さんの足元やばくないですか・・!?
宇野
わ!ペンペン草ですね・・!
大人になってからこんなにたくさん付いたの初めてです・・!泣
松本
まさに自然ですね・・・。これが取れたら集会所の中に入ってみましょうか。
宇野
これもまた、かわいいフォントですね。
松本
団地フォントというんですかね。独特ですよね。建設当初から変わってない部分なんでしょうね。
UR
その集会室の横にある元和室の空間が、DIY工房になっています。
住民の方なら予約をすれば、工具も借りて、その場で使用することができるので、ちょっとしたDIYを行うにはちょうど良いスペースになっています。
松本
良いですね。こういう空間が団地の付加価値を上げてくれるんでしょうね。
さっきのBBQコンロもそうですが、住民同士で集会所に来るきっかけにもなりそうです。
宇野
コミュニティを生み出すきっかけになりそうですね。
松本
では最後に商業エリアに行ってみましょうか。さっき住戸の窓から見えた給水塔の周辺です。
宇野
こうして改めて真下から給水塔を見上げると大きいですね。
松本
ここは、給水塔を中心に商店街が配置されていますね。このような配置の仕方もきっと給水塔を目指してくれば、商業施設にたどり着けるように考慮されて設計されたんでしょうね。
宇野
商店街に大型のスーパーがあるのも嬉しいですね。遠くに行かなくても生活圏の中にある商店街で何でも揃いそう。
松本
この給水塔の周りのウネウネしたオブジェは腰をかけるにはちょうど良い高さですね。ストリートファニチャーとしても機能していそうです。ちょっと座ってみましょうか。
松本
箕面粟生第3団地はこれで一通りお散歩しましたが、いかがでしたでしょうか。
宇野
そうですね。丘陵地ならではの緩やかな高低差があって、自然も豊かで本当にお散歩していて気持ちよかったです。
松本
梅田から電車で一本、バスに乗って来るだけで、こんな自然豊かな団地に住めるなら全然ありですよね。団地の良さを改めて感じさせてくれる、そんな団地でしたね。
それでは次の団地に行ってみましょうか。次は同じ沿線の豊中にある「シャレール東豊中」です。その前に商店街でお昼食べてから行きましょうか。
宇野
そうしましょう。
松本
そういえば全然大阪弁でないですね、我々。笑
宇野
東京長いですからね。笑