【団地ちょっとレポート】MUJI×URの設計者と歩く「茶山台二丁団地・泉南尾崎団地(後編)」

MUJI×UR団地レポート | 2024.1.29

第二回ゲスト:イラストレーター 山内 庸資さん

12月、冬晴れの暖かい日は、団地をお散歩するにはとても良い時期です。
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトに関わって10年余り、全国70団地ほどでリノベーションに関わってきたMUJI HOUSEの松本と、神戸在住の人気イラストレーター山内 庸資さんと大阪南部に位置する2つの団地のお散歩の様子をレポートします。

写真左から、MUJI HOUSE 松本、イラストレーターの山内 庸資さん

今回ご紹介する団地情報
泉南尾崎:大阪阪南市 530戸の小規模団地。最寄り駅から徒歩15分ほど。

松本
初めてきました。泉南尾崎団地です。さすがの私も大阪のここまで南部に仕事で来たことはないですね。ここの団地の特徴を教えてもらえますか?
UR
はい。ここに来るまでもずっと茶山台二丁団地から海岸に沿って車で1時間弱ほどかかりましたが、海から近いのが特徴の団地です。おそらくURが保有している団地で最も海から近い団地ではないでしょうか。今居る団地の入口からは海が見えないですが、ここから団地の敷地を通って海の方まで行ってみたいと思います。

山内
このあたりは関空よりも南部で、和歌山からも近い場所ですね。実は祖父母の墓地がこの近くにあってよくお墓参りに来ていたんですよ。
松本
そうだったんですね。僕は小学生のころ友達と海に行くといえば、このあたりの海岸に来ていました。大阪で海水浴といえばこのあたりが一番有名でしたね。もう少し手前にも二色浜海水浴場がありましたが、当時は結構海が汚くて・・子供ながらに海って濁って汚いところというイメージでした。大人になって透明な綺麗な海を見たとき本当に感動しましたね。
山内
大阪出身あるあるかもしれませんね笑。
松本
今こうやって海に向かって歩いているだけでもワクワクします。
海に近いだけあって、団地の敷地内に松が多いですね。防風林の役目でしょうか。

山内
松が風によって傾いてますね。こういうの浮世絵で見たことあるかも笑。
松本
確かに。団地の建設当初に植えられてここまで大きくなったんでしょうね。
少し歩くと公園が見えてきました。ここのベンチに座ってみましょうか。

山内
暖かくて気持ちいいですね。本当に今日はいい天気だ。
松本
前回もいい天気だったんですよ。団地の神様が見てくれているようです笑。
こういう走り回れそうな公園が敷地の中心にあるのも団地の特徴ですよね。きっと夏祭りとかもここで行われていたんじゃないでしょうか。ではもう少し先に進んでみましょうか。

山内
あれ、見てください。何か不思議な石標がありますよ。何でしょうかね・・?
松本
縦に「曲がり」て書いてますね・・そしてこの「住」マークはURの昔の公団時代のマークですね。ということは、URさんのもの?

UR
これは何でしょうね・・、調べてみないと分からないですが、おそらく地中に埋められている給水管が曲がっている箇所の目印の杭ではないかと思われます。
松本
なるほど。確かにベテランの設備担当の人でないと分からないですよね。ちなみに私もわかりません笑。でもこういう団地の遺跡みたいなものを見つけて散歩するのも楽しいですね。
山内
団地の遺跡・・!面白いですね。団地散歩の醍醐味ですね。

松本
あっちの方にも何か不思議なオブジェみたいなものがありますね・・
山内
これは遊具でしょうかね。かわいい色で、柔らかそうに見えるけど硬いですよね。
小さいスロープ のような部分もあるけれど、実際は何に使用するんだろう・・

松本
砂場の周りには必ずある感じですね、あっちの方の砂場の周りにもありますよ。
子供達がこれで遊んでいる姿が思い浮かびます。
山内
このベンチはオブジェが脚になっていて座面が支えられています。ここに座って親御さんが子供を見守る感じなんでしょうか。ここにも団地の良さが隠れていましたね。

UR
この先に、海が見える住戸をご用意したので行ってみませんか?
松本
それはいいですね!オーシャンビューの団地住戸、やばいですね。
UR
ではこちらになります。70平米弱の4D Kの間取りのお部屋になります。

松本
70平米4DKは、普通にめちゃくちゃ広いですね。4DKですが6畳の和室2部屋とDKとのふすまを開け放つと、2LDKとしてファミリーで住むにはちょうどいいですね。
キッチン脇のバルコニーと隣の和室から海が見えそうですね。
山内
おおー、いいながめですね。本当に海が見えます。
全住戸から海が見えるわけじゃないですよね・・?
UR
はい、海沿い側の住棟からしか見えないので、今日はたまたま空き住戸がありましたが、いつでも空いている訳ではないので、オーシャンビューの住戸をお求めの方はぜひお早めにお申し込み頂きたいです。

松本
急に営業っぽくなりましたね笑。でも確かに別荘とかにいいかも。セカンドハウスとしてどうですか山内さん。
山内
いいですよね。でも実は今の家も神戸の海沿いで、毎日オーシャンビューなんですよ笑。
松本
それは失礼しました・・僕はちょっと憧れますね。
UR
では最後にここからも見えている集会所に行ってみましょうか。
松本
あれですね。なんかヤシの木みたいのが生えてますよ・・!
UR
はい、シュロの木ですね、手前に見えているのが集会所です。では行ってみましょう。

山内
おーこれはいいですね。集会所の中から海が見えます。
さらに和室もあって、ここからの海の眺めも素敵ですね。

松本
旅館感、半端ないですね笑。これはいい。
また、URさんからお持ち頂いたこれらの資料はなんでしょうか?

UR
実はこれまでも泉南尾崎団地では、大学と連携して学生の方々と一緒にイベントを行ったりしていて、コミュニティ活動が盛んな団地なんです。
松本
いろいろ取り組みをされているんですね。
若い方にとっても海が見える団地は新鮮なんでしょうね。
UR
屋上にも行けるので行ってみましょうか。

山内
この屋上から見る海もまたいいですね。右に見えるのは関空ですね。飛行機が見えます。
さらに淡路島も見えるし、その向こうには六甲山も見えている。
松本
団地と海と広い空・・こんな団地があったんですね。ちょっとしたリゾート地のような、そんな空気感が流れていますね。

山内
本当に海の近くまで歩いて行けるのがすごい。
松本
大阪湾の海ってこんなに綺麗だったんですね。子供の頃のイメージと全然違います。毎日この海を見ることができるなんて、とても贅沢に感じます。まだまだ関西には名団地があるものですね。

<ゲスト プロフィール>
山内 庸資 Yosuke Yamauchi
イラストレーター
神戸在住。

書籍・雑誌・ロゴマーク・サイン・グッズ・パッケージなど幅広いジャンルでイラストレーションを手掛ける。近年はフランス・アメリカ・イタリアの案件など海外でも活動中。
https://yosuke-yamauchi.org/