
まるで陽の家?プロダクトデザイナーがたどり着いた家の「かたち」。プロダクトデザイナー青木亮作さんのお宅を訪問
HOUSE AS LIFE | 2025.9.24
私たちは普段、「住まいの実例」や「YOUTUBEルームツアー」で多くの「無印良品の家」オーナーさまのお宅にお邪魔しています。
簡素簡潔であることを美とする無印良品は、家の設えや間取りの考え方も、他社の住宅と比較すると圧倒的にシンプルです。そんな家を選んでくださったお客さまは、本当に、創造性の高い方が多いなと感じます。
これはなにも「制作活動を生業にしている方が多い」という意味ではなく、毎日をもっと良く、楽しく、美しくしようという、暮らしへの向上心が高い方が多いように感じるのです。
そこで、無印良品の家に限らず、自分なりの暮らしを創造し楽しんでいる方のお宅へ伺って、その多様な暮らしを通して、これからの家の在り方について勉強させてもらおう、という企画を始めました。
題して「HOUSE AS LIFE」。
YOUTUBEにて公開中です。
シリーズ第一回目として訪れたのはTENTの代表でもある、プロダクトデザイナー青木 亮作さんのお宅。
TENTといえば象印の家電「STAN.」シリーズが有名です。シンプルなインテリアに馴染むデザインで、無印良品の家オーナーさまの中でも愛用者の多い家電です。
そんな青木さんが暮らす、岐阜県のお宅に伺いました。
あえて「何もない」庭に面した平屋のお宅
「住まいのかたち」を読んでくださっているみなさまなら、きっと感じることはひとつ。
「これって陽の家…?」
三角屋根や塗装壁、大きな窓など、「陽の家」との共通点も多いお宅です。なぜこのかたちになったのかは、動画内で語っていただいたのでぜひそちらをご覧ください。
家づくり当時の設計図も見せていただきましたが、まるで商品を開発するかのように、スケッチからはじめる工程がとても新鮮でした。
ダイニングスペースから見たお部屋の様子
青木さんのお宅はとてもシンプルで、ダイニングと「ブランク」と呼ばれる広いスペース、ワークスペース、そして玄関までもがひとつながりになっており、寝室は左の扉の先、子ども部屋は梯子をのぼったロフト部分に作られています。
LDKと、寝室と、水回りが、廊下でつながっている…というのが、一般的な住宅でよくある間取りですが、そういった固定概念を完全に無視して作られています。
暮らしの中の「行動」を整理し、合理性を追求した結果、この間取りにたどり着いたのだそうです。
そう考えると、使い勝手を徹底的に考えられたTENTの商品と近いものを感じます。青木さんにとって家は、普段デザインしているプロダクトの延長なのでしょう。
そして、青木さんが「家」というプロダクトを考え抜いた結果が、図らずも「陽の家」にも似たこの形だった、というのは、私たちとしても嬉しく思います。


機能性と美しさを兼ね備えたTENTのアイテム
自分にとって理想の家を考えるときに、つい「物」としての家のことから考えてしまいます。「リビングは大きい方が良い」とか、「自分だけの書斎がほしい」とか、「シンプルな見た目が良い」とかもそうですね。
大きなお買い物なので、憧れをつめこんだ理想の家をつくりたいと考えるのは当然ともいえますが、冷静に考えると、家はあくまでも器にすぎません。できあがった家で、私たちがどう暮らすか、そこから逆算して家について考えるというのが、正しい道筋なようにも思います。
家をつくるということは、つまり生活をつくることである、というのは、私たちMUJI HOUSEにとっても、忘れてはいけない視点だなと感じました。
今後も生活の創造を楽しまれている、さまざまなお宅にお邪魔する予定です。
ぜひご期待ください。