「団地のまど空調」から考える暮らしの知恵

団地から考える暮らしの知恵100 | 2022.12.27

第三十二回
「団地のまど空調」から考える暮らしの知恵

寒い時期になってきました。風邪をひかないよう、防寒対策はしっかり準備を進めていきたいものですね。団地暮らしにおいては如何でしょうか。

一般的な団地の住戸の多くは南北に窓があり、風通しの良い間取りになっています。南面の窓は日当たりも良く、洗濯物が干せるようにバルコニーがついています。一方北側には、バルコニーがついていないこともよくあります。北側は日当たりを考えると洗濯物を干すのにはあまり向いていませんし、一見すると北側にバルコニーがないことはさほど問題ではないように思えます。

しかし、部屋の空調を考えたとき、「バルコニーがない」ということは、「部屋にエアコンをつけることができない」ということになります。正確にいうと、バルコニーがないので「エアコンの室外機を置くことができない」ということになります。

代表的な3Kタイプ。北側の部屋にはバルコニーがなく、エアコンの室外機が置けないことが多い

<暮らしの知恵(1) バルコニーのない部屋のエアコン – ウインドエアコン ->

団地の代表的な間取りである3Kタイプを見てみると、確かに北側にバルコニーがありません。この場合、エアコンは「ウインドエアコン」を選択することになります。ウインドエアコンは、窓に直接取り付けるタイプのエアコンで、エアコンの背面に室外機の機能がついているので、窓を挟んで1つの機器で「室内」と「室外」の両方を満たすことができます。

基本的には、このウインドエアコンがあればすべて解決するのですが、写真にあるように、本体の厚みもあり、なかなかの存在感となってしまいます。また窓に挟んでいるので、窓は2/3までしか閉まらなくなります。そしてエアコン本体の上部に隙間ができるので、そこを塞ぐようにジャバラ等でできた蓋をして、外気と遮断をしないといけません。

この状態は見栄え的にはベストな状態ではないかもしれません。団地暮らしを素敵に過ごすために、さらによりよく解決できるアイデアはないものでしょうか。

実際にウインドエアコンを付けた事例。エアコン上部の隙間はジャバラで蓋をして、窓は3/4までしか閉まらない

<暮らしの知恵(2) あったらいいな – 熱交換タイプの薄型ウインドウエアコン ->

ウインドエアコンの最大のメリットはエアコン本体が直接外気に接しているということです。たとえば冬の時期、外気の冷気のほとんどは窓から侵入してきます。
その窓から侵入してくる「冷気」を効率よく、「暖気」に変換できれば、窓に設置するエアコンのメリットを最大限に発揮できるのではないでしょうか。

たとえば妄想ですが、窓の片面が「熱交換タイプの空調機」になっていて、内部に張り巡らされた伝熱線により、外から侵入してくる冷気と熱交換をして、室内側に暖気として侵入してくるというものです。見栄えも既存の窓一面に取り付けるので、ちゃんと窓を閉めることも、隙間ができることもありません。寒い冬でも畳の上でゴロゴロできたら気持ちよく過ごすことができそうです。

いかがでしょうか?
このようなちょっとした知恵で素敵な暮らしが実現する「団地から考える暮らしの知恵」を随時発信していきます。みなさんのご意見をお待ちしております。