「畳を凹ませない、すべる家具」から考える暮らしの知恵

団地から考える暮らしの知恵100 | 2022.8.19

第二十八回
「畳を凹ませない、すべる家具」から考える暮らしの知恵

団地に多い和室ですが、現代の暮らしにおいては和室だからといって、床座の暮らしとは限りません。和室であっても、リビング、ダイニング、ベッドルームなど、洋室のように使うことはよくあるのではないでしょうか。

そんなときに懸念されるのは、「家具の脚で畳が凹んでしまう」ということです。住んでからしばらくして模様替えをしようと家具を動かしたとき、信じられないほど畳が凹んでしまった!ということをきっと誰しもが経験していることでしょう… 賃貸の場合、大きな凹みやすり傷は、原状回復の対象になるかもしれませんので、注意が必要です。

それらを簡単に解決する方法はないものでしょうか。
重たい家具であっても、畳を凹ますことなく、さらにはスムーズに動かすことができたなら… きっと、いつもの団地ライフに変化がもたらされるのではないでしょうか。

<暮らしの知恵(1) ちょっとした工夫 – 畳を凹まさない、脚につけるソリ ->

ソリのように面で荷重を受けることで畳は凹まず、畳の上をスムーズにすべることができる

左:畳の上に置かれたソファーの脚によって凹んだ畳
右:ソリのようなソファーの脚で凹まない畳

畳を凹まさない、いちばん簡単な方法は、畳に設置する部分を「点」ではなく「面」にすることです。たとえば、積もった雪の上をそのまま歩くと、雪に穴が空いて埋もれてしまいますが、スキー板を履くことで、埋まることなく雪の上をすべっていくことができます。

これを畳の上でも同じように、家具の脚に「ソリ」をつけてみてはいかがでしょうか。
「面」で受けることで荷重を分散することができるので、「点」で受けていたときと比べると凹みはつかなくなります。

<暮らしの知恵(2) ちょっとした工夫 – 畳の上のすべる家具で簡単に模様替え ->

和室に置くあらゆる家具に「ソリ」をつけることで、いつでも簡単に家具をすべらせて模様替えができる

さらに「ソリ」なので、畳の上をスムーズにすべって動かすことができます。畳は、い草畳であっても、麻畳であっても、表面は平滑なので「ソリ」のようなすべすべした素地であれば、畳の上をすべらせることができます。ソファーやテーブルに椅子やタンス、テレビボードなどの脚にも「ソリ」をつけることで、簡単に模様替えもできるようになるかもしれません。

さらに妄想ですが、スリッパにも「ソリ」をつけることで、自分自身も畳の上をスムーズに移動できそうです。スケートリンクのように畳の上を移動する姿が想像できます、笑

MUJI×UR Plan14(光が丘パークタウンゆりの木通り北)
船底型のベッドフレームは、畳の上をスムーズにすべらせて動かすことが容易にできる

また、無印良品には船底の家具もあります。上記写真のベッドフレームは船底型になっていて、セミダブルサイズの大きめなベッドでも、畳の上に置くと滑らせることで簡単に移動することができます。

家具の脚に「ソリ」をつけなくても、もともと船底型の家具なら、畳の上をスムーズに動かすことができそうです。

いかがでしょうか? このようなちょっとした知恵で素敵な暮らしが実現する「団地から考える暮らしの知恵」を随時発信していきます。みなさんのご意見をお待ちしております。