「タイルの跡」から考える暮らしの知恵

団地から考える暮らしの知恵100 | 2022.7.15

第二十七回
「タイルの跡」から考える暮らしの知恵

団地のキッチンやお風呂の壁には、タイルが貼られていることが多いです。これは団地に限った話ではありませんが、磁器のタイルは吸水性が低いため、水まわりや外装によく使われています。

10cm程度のタイルが一枚ずつ整然と貼られた壁には、新建材のつるっとしたパネルとはまた違う趣があり、古き良き団地らしさを象徴する素材の一つのようにも思います。
しかし、タイルは、経年によって剥がれてしまったり、割れてしまうこともあります。

こうして部分的にタイルがなくなってしまった場所には、通常なら似たようなタイルを新しく貼ったりします。
でも、古いタイルだと、同じ色や同じサイズのものがなかなか無かったりしますので、そうするといっそのこと全部剥がして、まるごと新しいものに貼り替えたりします。

そこで、このタイルの剥がれた跡について、補修するほかに、なにか新しい用途を与えることはできないか考えてみました。

<暮らしの知恵(1) あったらいいな – タイルモジュールに合わせた収納 ->

たとえば、タイルのサイズにぴったりはまる収納があったらどうでしょうか。
団地で使われているタイルはだいたい10cm角なので、1枚分の高さはスパイス入れとしてちょうど良さそうです。
高さや奥行きを変えれば、食器入れにすることもできます。
また、ハンドソープ置きや照明も、タイルの大きさに合わせるとなお良さそうです。

すべてがタイルのモジュールに合っていると、すっきりと整理された印象になりそうです。

※モジュール:基準となる寸法のこと

<暮らしの知恵(2) あったらいいな – タイルモジュールに合わせたグッズ ->

先ほどはタイルに合わせた収納にしましたが、今度は物自体がタイルモジュールになっているというのはどうでしょうか。
シャンプーやボディーソープがタイルモジュールになっていて、マグネットで取り外しができるようになっていると便利そうです。
また、タイルの跡を活かして、鏡や照明をそれに合わせたかたちにしてみると、まるでテトリスのような楽しいインテリアになりそうです。

いかがでしょうか? このようなちょっとした知恵で素敵な暮らしが実現する「団地から考える暮らしの知恵」を随時発信していきます。みなさんのご意見をお待ちしております。