「敷居と鴨居」から考える暮らしの知恵

団地から考える暮らしの知恵100 | 2022.6.9

第二十六回
「敷居と鴨居」から考える暮らしの知恵

みなさん、「団地」と聞いたときにイメージするのはどんなお部屋でしょうか?
恐らく、多くの人は和室の間取りを思い浮かべるのではないかと思います。
これは、最近の賃貸アパートやマンションにはあまりない特長です。
団地が建設された当時の日本は和室の暮らしが一般的で、団地の限られた空間のなかでは、大家族が床座で食事をするのも、床で川の字で寝るのも、和室が最適でした。

そして、団地の場合、こうした和室は「ふすま」によって2DKや3DKといったように細かく間仕切られています。
間仕切られているとはいっても、「ふすま」は壁と違って簡単に取り外すことができるので、外してしまえば一室空間とすることができます。
こうした「ふすま」の取り外しによって、和室の多いお部屋であっても住みながら現代の暮らしに合うように間取りを変化させることができます。

しかし、「ふすま」を外しても、その上下には枠のようなパーツが残ってしまいます。

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このパーツ、上部にあるものは鴨居(かもい)、下部にあるものを敷居(しきい)といいます。
それぞれ溝がついており、この溝をスライドさせることでふすまを動かすことができます。

ふすまを外したあとの敷居と鴨居は、お部屋にとっては少々ジャマな存在かもしれません。
しかし、裏を返せば、この「スライドという簡単な動作ひとつで自由に開閉できる」という機能は、ほかのことにも活用できるポテンシャルがあるといえるのではないでしょうか。

<暮らしの知恵(1) あったらいいな – 本棚とベンチ ->

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たとえば本棚はどうでしょうか。
あまり奥行きの深いものは置けませんが、文庫本の収納には良さそうです。
置き型の本棚とは違って、自分が本を読みたい位置に本棚を動かすことができるのは、便利そうです。
さらに、同じくスライドできるベンチが横にあると、おうちでブックカフェ気分が味わえます。

<暮らしの知恵(2) ちょっとした工夫 – 全身鏡と収納 ->

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借り暮らしの限られたスペースのなかでは、なかなかお部屋のなかに全身鏡を置くことができない、というお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで、全身鏡がふすまのようになっている、というのはどうでしょうか。
こちらも置き型のものとは違い、スペースを取りません。
隣にネクタイやベルトが掛けられる機能もあると、お出かけ前の忙しい朝も便利になりそうです。

※ふすまをご自身で外された場合は、原状回復のため、退去の際にもとに戻せるよう保管しておく必要があります。

いかがでしょうか?
このようなちょっとした知恵で素敵な暮らしが実現する「団地から考える暮らしの知恵」を随時発信していきます。みなさんのご意見をお待ちしております。