「団地でバルコニーライフ」から考える暮らしの知恵

団地から考える暮らしの知恵100 | 2022.1.25

第二十二回
「団地でバルコニーライフ」から考える暮らしの知恵

多くの団地には必ずといってよいほどバルコニーがついていて、南面の間口が広く、日当たりの良いバルコニーは、洗濯物を干すには最適です。団地の魅力の一つといえます。

バルコニーは建築的には住戸と同じ専有部ではなく、共用部にあたります。使用にあたっては、専用使用権により、住んでいる人が住戸のように自由に使うことはできますが、避難経路になっていることも多く、私物をたくさん置いて行き来ができなくなるのは基本NGになります。

そんなバルコニーですが、団地暮らしにとってこの魅力あるバルコニーを、うまく活用することはできないでしょうか。天気の良い日には、洗濯物を干すだけではなく、外の空気を吸ってリラックスしながら仕事や読書もしたいものです。避難経路の邪魔にならずに、快適な「バルコニーライフ」を過ごせるアイデアを考えてみたいと思います。

<暮らしの知恵(1) あったらいいな① – 手すりを利用した屋外カウンター ->

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バルコニーの手すりを利用した屋外カウンター。外の景色を見ながらテレワークができる
※UR賃貸住宅のバルコニーに許可なく設置することはできません

団地のバルコニーの特長として間口方向には広いですが、奥行きは人が一人通れるくらいで、それほど広くありません。なので、間口方向に長い手すりを上手く利用してカウンターを設置してみてはどうでしょう。バルコニーの手すりの高さは1m10cmほどで、ハイスツールに座りながら作業するにはちょうど良い高さです。目線もそのまま外の景色に向いているので、朝コーヒーを飲んだり、テレワークをしたり、夜お酒を飲んだり、とても気持ちの良い「バルコニーライフ」が過ごせそうです。
DIYで木の板を組み合わせて、ぴったり手すりにハマるようにすれば、ビスや釘で固定しなくても、構造として被せるだけで設置ができそうです。ついでにプランター置き場も追加すれば、バルコニーの足元で育てるよりもたくさん太陽の光を浴びて、お花や緑もよく育ちそうです。

<暮らしの知恵(2) あったらいいな② – ソーラーパネルで地産地消の暮らし ->

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手すりに設置したカウンターにソーラーパネルを設置することで、電源も確保することができる
※UR賃貸住宅のバルコニーに許可なく設置することはできません

また、設置したカウンターにソーラーパネルを追加することで、その場で電源を確保することもできそうです。マンションや団地において、戸建てのように屋根にソーラーパネルを設置することはできませんが、バルコニーの手すりを利用できれば、住戸単位で電気をつくり出すことができ、地産地消の省エネライフも夢ではありません。

これらの妄想を、入居者が個人単位で行うことは現実的には難しいですが、このカウンターのユニットを住棟全体に設置することができれば、プランターの緑とソーラーパネルで、団地の風景も一新されそうです。

MUJI×URでは1階の住戸に限り、バルコニーを延長して手すりにカウンターを設置したプランもあります。目線が低いので遠くまでの景色は見えませんが、緑や芝生を近くに感じることができます。隣棟間隔が広いのも団地の魅力の一つです。

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MUJI×UR Plan36(香里団地) 団地の1階の手すりをカウンターにしたプラン

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MUJI×UR Plan57(芝山団地) 広いバルコニーにウッドデッキを敷いたプラン

また、中層階段室型の住棟ではなく、高層型の場合、奥行きの広いバルコニーがついてくる住棟もあります。MUJI×URでは、そのようなバルコニーにウッドデッキを敷きこんだプランもあります。屋外ファニチャーを置いて、リビングやダイニングのように過ごすことができます。

このように団地のバルコニーを「第2の部屋」として「バルコニーライフ」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

このようなちょっとした知恵で素敵な暮らしが実現する「団地から考える暮らしの知恵」を随時発信していきます。みなさんのご意見をお待ちしております。