「外したふすまの居場所」から考える暮らしの知恵

コラム | 2021.4.27

第十三回
「外したふすまの居場所」から考える暮らしの知恵

4月になり、新生活の時期を迎えました。

この春から、団地に住み始める人もいるのではないでしょうか。きっとドキドキワクワクのなか、暮らし始めているのではと思います。初めて団地のお部屋を見た印象はどんな感じだったでしょうか。
思ったよりきれいだな、とか、この家賃で、この広さはぜいたく!とか、すごく日当たりが良くて気持ちがいい!など、いろいろとあったと思います。

なかでも「ふすま」の数が多い!と思った人もいたのではないでしょうか。
一般的な3Kの間取り場合、部屋の間仕切りや押入の扉として使用される「ふすま」の数としては、およそ12枚程あります。

そしてこの「ふすま」は、住戸の備品になるので、外して勝手に捨ててはいけません。いつか退去する日までどこかに保管しておく必要があるのです。
もちろん保管には、ふすまを汚したり、破ったりしないようにする必要があり、捨てたり、汚したり、破ったりした場合には、原状回復にかかる費用を負担することになります。

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一般的な3Kの間取りのなかには12枚のふすまが存在していている

おそらく団地に住み始めたほとんどの人が、キッチンと和室の間の「ふすま」を外して、LDKをつくっているのではないでしょうか。細かく間仕切られた間取りも「ふすま」を外すことで、自由に間取りを変化させることができます。

しかし、それら「ふすま」をすべて外して使用することは実際には難しい状況になります。「ふすま」の大きさは畳1畳とほぼ同じ大きさで、それらの「居場所」をつくることが限られた空間のなかで快適に過ごす、非常に大事な要素となるのです。

<暮らしの知恵(1) あったらいいな空想レベル – 外した「ふすま」でつくる部屋 ->

部屋にある「ふすま」を外して広いLDKとする場合、6~9枚程のふすまを外すことになります。それらのふすまを利用して「小さな部屋」をつくることはできないでしょうか。
ふすま同士を繋ぐ装置さえあれば、意外と簡単につくれそうです。7枚のふすまで壁、天井、入り口とぐるりと囲むことができます。

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外した「ふすま」で部屋のなかに小さな部屋をつくることができる

この「ふすま」でできた小さな部屋は、テレワークスペースや、子供の秘密基地、クローゼットなどにも使用できそうです。

<暮らしの知恵(2) ちょっとした工夫 – 外した 「ふすま」の居場所をつくる – >

外したふすまを何かに利用しようととくに意識しなければ、「壁に立てかけて保管」する人が多いのではないでしょうか。つまり外した「ふすま」の居場所をつくってあげることが、いちばん自然な状態といえます。

あとは、立てかけた「ふすま」が倒れてこないような装置あれば、すべて解決できそうです。団地の壁には長押があるので、そこから金物で「ふすま」の頭を支えれば、簡単に「ふすま収納」がつくれそうです。また、「ふすま」を収納しないときでも、ハンガーフックとして利用できればその存在自体が自然なものになりそうです。

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「ふすま収納」として、また、ハンガーフックとしても利用できる

また、MUJI×URの場合、押入の中に「ふすまの収納」を設置することで、押入を部屋の延長としても、収納としてもどちらでも選ぶことができるプランもあります。

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押入の中に「外したふすまの収納」を設置した例(MUJI×UR plan48 相生山団地)

また金物でなくても、古い鴨居を利用して壁や梁底に設置し、そこに「ふすま」を差し込むことで、「ふすま」が倒れてこないようにすることもできます。

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壁や梁底に古い鴨居を設置し、「外したふすま収納」とした例(MUJI×UR plan56 四箇田団地)

これらのように、「外したふすまの居場所」をつくることで、本当の意味で「ふすまで自由に間取りを変化させる」ことができるようになるのではないでしょうか。

いかがでしょうか? このようなちょっとした知恵で素敵な暮らしが実現する「団地から考える暮らしの知恵」を随時発信していきます。みなさんのご意見お待ちしております。