「ダイニングキッチン」から考える暮らしの知恵

コラム | 2020.10.20

第七回
「ダイニングキッチン」から考える暮らしの知恵

通常、団地のキッチンといえば、壁付けキッチンをイメージされる方が多いのではないでしょうか。

実は日本のキッチンの歴史をたどると、団地こそ日本中に現代のキッチンのあり方を広めたことがわかります。もともと日本の家庭では「茶の間」といわれる、ちゃぶ台を囲んで食事をし、夜はちゃぶ台を片付けて布団を敷いて寝る和室が、家族の憩いの場でした。そして、昭和30年代の団地ブームにのって、URの前身である日本住宅公団によりダイニング・キッチン(DK)という概念が広がりました。

いわゆる「就寝分離」という思想です。

そしていまでは、リビングを加えたリビングダイニングキッチン(LDK)は家族の集まる憩いの場となっています。

築年数の古い団地では、いまでもDKが多く、DK以外は全部和室!(笑)ということも珍しくありません。

このDKですが、限られた空間のなかではどうしても壁付けキッチンが多くなってしまいます。写真は、URの標準的な壁付キッチンです。実はレンジフードの中に給湯器が組み込んであり、昔の壁掛けの「瞬間湯沸かし器」や、「プロペラ扇」の換気扇ではなく、すっきりした印象のキッチンになっています。吊り戸棚もあり、収納には困りません。

このままでも十分、機能的なキッチンなのですが、ここにさらに家族の憩いの場となるべく、素敵な空間アレンジの知恵を加えたいと思います。

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URの標準的な壁付キッチン。すぐ横に食器棚や家電、冷蔵庫スペースがある

<暮らしの知恵「ダイニングキッチンの現状」 – BEFORE ->

団地のDKで家電や家具を配置すると、だいたいの場合が下のイラストのようなレイアウトになります。窓際から、コンロ、シンク、作業スペース、食器棚や家電置場、そして冷蔵庫です。家具はDKの中央にダインニングテーブルを置くというものです。

実家のDKって、こんな感じだったな。。(笑)と思う人もいるかと思います。また賃貸物件においては当然、勝手にキッチンの位置を変えたり改造したりはできません。

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窓際から、コンロ、シンク、作業スペース、食器棚や家電置場、そして冷蔵庫の並びは鉄板

<暮らしの知恵「憧れのカウンターキッチンに変身!」 – AFTER ->

ここで少し家電や家具のレイアウトから見直してみました。
DIYでキッチンと同じカウンターテーブルを製作し、キッチンに対して直角(L字)に配置するだけで、憧れの対面型のカウンターキッチンに変身します。
キッチンと同じ高さのカウンターなので、調理中は作業スペースの延長としても使用できます。窓を向いて座れるので、外の景色を眺めながら食事をすることもできます。

このカウンターテーブルを中心に、食事をしたり仕事をしたり勉強をしたり、家族が集まる憩いの場所として再びDKが機能するのではないでしょうか。

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キッチンと同じ高さのカウンターテーブルをDIYで製作してL字に配置するだけ

またMUJI×UR団地リノベーションプロジェクトのようにリノベーションでキッチンを丸ごと変えた住戸では、カウンターと同じデザインのキッチンと組み合わせて、自分なりのダイニングキッチンを構成することができます。

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MUJI×URの組合せキッチン L字に組み合わせた例(plan10)/泉北茶山台二丁団地

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MUJI×URの組合せキッチン 対面に組合せた例(plan06)/桃山南団地

いかがでしょうか? このようなちょっとした知恵で素敵な暮らしが実現する「団地から考える暮らしの知恵」を随時発信していきます。みなさんのご意見をお待ちしております。