「ふすまでON/OFFテレワーク」から考える暮らしの知恵

団地から考える暮らしの知恵100 | 2020.9.22

第六回
「ふすまでON/OFFテレワーク」から考える暮らしの知恵

9月に入って少し暑さもやわらいで、朝も夜も涼しく過ごしやすくなってきました。それと比べwithコロナの生活は依然として変わりません。
テレワークが日常となっている人や、週の半分は自宅で仕事をしている人、なかには自宅のリビングやダイニングで仕事をしているけれど、集中できなかったり、電話やWEB会議といったときに、家族の生活音が気になったり、子供に邪魔されたりと、仕事とプライベートのON/OFFの切り替えがうまく行えていない人も多いのではないでしょうか。
もちろん、一部屋まるまるワークスペースにできれば集中して仕事ができるかもしれませんが、例えば団地の一住戸のように広さは限られています。いかに工夫をしてテレワークスペースを確保するかは、これからの暮らしのなかで非常に重要になってきそうです。逆に、同じ空間であっても、仕事とプライベートのON/OFFさえうまく切り替えることさえできれば、固定されたワークスペースである必要はないはずです。

<暮らしの知恵「ふすま」でON/OFF – テレワーク空間 ->

団地にはもともとたくさんの押入と天袋があり、たくさんの物を収納することができますが、それらを閉じるために「ふすま」や「らんま」がついています。以前「天袋」から考える暮らしの知恵で、「らんま」を外してファイルボックスを並べるだけでおしゃれなインテリア空間になることをご紹介しましたが、その下にある押入の「ふすま」も同様に外すことで部屋と一体の空間となります。そして押入のなかには「中棚」があり、デスクにするにはちょうど良い高さになっています。

「中棚」を利用してデスクにすることはよくあることなのですが、重たい書類やモニターは「中棚」に置いて、あくまで妄想ですが、外した「ふすま」の方をデスクにできれば、ふすま1枚分の広いワークデスクとして仕事をすることができそうです。さらに「ホワイトボード仕様のふすま」にしておけばオフィス空間の演出にもなり、「家だけどオフィス」といった空間づくりが可能となります。

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押入の中はオフィス仕様の書庫。外した「ふすま」がデスクとホワイトボードに変身
※一般的な「ふすま」の強度ではデスクにはできません
※外した「ふすま」は捨てずに保管しておいてください

<暮らしの知恵「ふすま」でON/OFF – 日常の空間 ->

「ふすまのデスク」や「ふすまのホワイトボード」はもちろん、一般的な「ふすま」ではなく、DIYなどで製作した木製の丈夫なものにする必要があります。そして、ふすまと同じ厚みで製作することでそのまま既存の敷居と鴨居の溝にはまり、通常の「ふすま」として押入を閉じることができます。

その押入のなかに、仕事に必要な書類やパソコン、イスなどを収納することで、「ふすま」を外すことが「ON」になり、「ふすま」で閉じることで「OFF」となり、仕事とプライベートを上手に切り替えることができるのではないでしょうか。

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押入の中に仕事のアイテムを収納して、「ふすま」を閉じることで日常の空間となる

MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトのプランように、リノベーションで押入の中棚を取り外すことができれば、押入のなかをワークスペースとすることもできます。この場合も、ふすまやカーテンを利用することで、上手にON/OFFができそうです。

また、押入の中棚をそのままデスクとして使用する場合は、無印良品のコンパクトスチールキャビネットや、パルプボードボックスが中棚の下に収まりキャスターで引き出せるので便利です。

いかがでしょうか? このようなちょっとした知恵で素敵な暮らしが実現する「団地から考える暮らしの知恵」を随時発信していきます。みなさんのご意見をお待ちしております。