「涼」から考える暮らしの知恵

団地から考える暮らしの知恵100 | 2020.8.25

第五回
「涼」から考える暮らしの知恵

毎日本当に暑い日が続きます。コロナの影響で旅行や帰省が自粛される中、何とかしてこの暑さをしのぎたいものです。
少し話は外れますが、そんな帰省自粛の夏季休暇の間、「団地(2016年/坂本順二監督作品)」という映画を鑑賞しました。昭和の団地ではなく、現代の団地を描いたSFコメディ映画で、団地を舞台にSFというミスマッチな感じが最高に面白い内容でした。その映画の中で、「団地という小宇宙」という言葉が出てくるのですが、僭越ながらこの「団地から考える暮らしの知恵100」にも通づるものを感じました。毎回のイラストも4畳半や6畳という団地の中の小宇宙でアイデアを繰り広げています。
「団地という小宇宙」という概念で考えると、もはやアイデアは無限大です。そんな夏季休暇の影響もあり、少しファンタジーな思考になっていますが(笑)、暑さをしのぐ「涼」のアイデアを真面目に考えて行きたいと思います。

<暮らしの知恵(1) あったらいいな空想レベル – 部屋一つ全部水槽 ->

こう暑いと海でも行って泳ぎたくもなりますが、厳しい日差しとコロナの影響で、なかなか外出することも出来ません。団地のバルコニーでビニールプールもよいですが、家族みんなで泳ぐには狭くて難しいです。
あくまで妄想ですが、いっそのこと部屋一つ全部水槽にしてはどうでしょうか。
外出を控えていては運動不足にもなりますし、暑さもしのげて最適です。
一般のUR賃貸住戸でも魚類の飼育はできるので、魚やカニ、ヒトデやウニで雰囲気づくりをすれば、まるで海にいるような気分を味わえます。

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部屋一つを全部水槽にして涼をとる。海の生き物で雰囲気づくり
※下階への水漏れの恐れがある行為はできません
※他の方への迷惑にならない方法で魚類の飼育を行いましょう

<暮らしの知恵(2) ちょっとした工夫 – 窓からの熱を遮熱 ->

外気からの熱の70%は、窓から侵入してくるといわれています。そんな窓の遮熱で昔から使われているのは「すだれ」です。夏の風物詩にもなっているこの「すだれ」ですが、和な雰囲気が団地との相性もバッチリです。そしてこの「すだれ」ですが、本当に優れた効果を発揮します。部屋内でももちろん使用できますが、室外でも使えるのが「すだれ」の良いところです。団地の場合、バルコニーの軒下の物干し金物などを利用して窓の外に垂らすことができます。その遮熱効果は室内で使う倍の効果があります。

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窓の外にすだれ、金魚で見た目も涼しく、エアコンと扇風機の併用で効率的に部屋を冷す
※暑いときは我慢せずエアコンを使いましょう

そして、現代版「すだれ」として代表的なのは、「ハニカムシェード」です。
構造が中空のハニカム構造になっており、断熱効果がありながら光も柔く通す優れものです。無印良品の店舗でも購入ができます。
無印良品の場合、下からの昇降だけではなく、上部からの昇降も可能なので、足元の光を遮断しつつ風を通したいときなどにとても便利です(屋外では使用できません)。

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無印良品 ポリエステルハニカムシェード・上部開口タイプ

また、団地のよいところは、窓のサッシは規格化されたサイズであることが多いので、実はほとんどの窓が既成品サイズのカーテンでまかなえます。
例えば、吐き出し窓なら、幅170〜150cm×高さ180cmの引き違いの窓が多いので、既成品サイズだと、幅100cm×高さ178cmが2枚でまかなえ、腰窓だと、幅1500×高さ130cmの窓が多いので、既成品サイズだと、幅100cm×高さ135cmが2枚でまかなえます。

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無印良品のカーテンの既成品サイズの例 (綿洗いざらしノンプリーツカーテン

もしかしたら、引越した先の団地でも同じカーテンを使える!ということも十分あり得ます。このように、お店でオーダーしなくても、買い物をしたその日に持って帰って取り付けることができるのも、団地の魅力の一つですね。

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団地の窓のカーテンは既製品サイズでまかなえることが多いMUJI×URのプラン(plan11)

いかがでしょうか? このようなちょっとした知恵で素敵な暮らしが実現する「団地から考える暮らしの知恵」を随時発信していきます。みなさんのご意見お待ちしております。