「部屋干し」から考える暮らしの知恵

コラム | 2020.7.28

第四回
「部屋干し」から考える暮らしの知恵

今年の梅雨はとくに長いですね。東京では、観測史上最も長い降水を観測したり、毎日毎日、ジメジメ、じとじと、団地に住んでいてもいなくても、ちょっと憂鬱な気分になります。
毎日出かける前に天気が気になり、洗濯物を家で干そうか、室内で干そうか何度も天気予報を確認してしまいました。最近の口癖が、スマホに向かって「○○、今日の天気は?」という人も多かったのではないでしょうか。

最近ではコインランドリーも人気ですが、共働きの家庭では、土日や休日、夜間の利用に限られます。ガス乾燥機も気持ちよく乾燥ができますが、排気設備や置き場所の問題もあり、賃貸物件では設置は難しそうです。

調査資料によると、雨の日以外で屋外に洗濯物を干す人は実に9割で、普段から乾燥機のみを使用する人は約1割ほどです。
そして梅雨の時期に乾燥機を使用する人は、約3割まで延びるのですが、最初から最後まで部屋干しを行う人の割合は約6割で、乾燥機と併用して部屋干しを行う人を合わせると約7割に登ります(「洗濯と乾燥に関する調査2018」都市生活研究所より)
梅雨の時期の部屋干しが、いかに生活に密着しているかが、うかがえます。

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そんな部屋干しで懸念されることといえば、

「生乾きの匂い」
「乾きにくい」
「湿度が上がる」
「洗濯物が邪魔、見た目が悪い」

といったところでしょうか。

「生乾きの匂い」はニオイのもととなる雑菌の繁殖が原因ですが、最近では部屋干し専用の除菌成分の入った洗剤も販売されています。「乾きにくい」、「湿度が上がる」といったところは、洗濯物の間隔を開ける、除湿機をつける、またエアコンを除湿モードにする、といったことも重要になってきます。

では、「洗濯物が邪魔、見た目が悪い」という懸念は、どのように解決すれば良いのでしょうか。

<暮らしの知恵(1) もともとあった便利なしつらえ – 中鴨居の利用 ->

部屋干しといってもやはり、太陽光が一番入りやすい南面の窓際に干すのが一番効果的です
団地の場合、南面に大きな窓が多く、風通しも良いので、部屋干しには最適です。
そして、団地にはもともとふすまやらんまで部屋を間仕切るための「中鴨居」があります。それを利用して洗濯物をかければ、とくに何か新しい設えをしなくても簡単に部屋干しができます。団地の風物詩のような物ですね。

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もともとある中鴨居を利用して、明るい南面の部屋で洗濯物を干すことができる
※中鴨居に洗濯物をかける場合は重さに注意して下さい
※部屋で干す場合は、十分に換気や除湿を行って下さい

<暮らしの知恵(2) ちょっとした工夫 – 室内干し専用縁側 ->

もともとある中鴨居を利用することは非常に合理的なのですが、やはり部屋を縦断して干すのは邪魔ですし、見た目もよくありません。そこで、室内干し専用の縁側を設置してはどうでしょうか。間仕切りは光は通す障子で目線を遮り、窓際に物干し専用の空間をつくることで、部屋干しでも快適な住空間をつくれます。

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光を通す障子で、洗濯物は見えずに、光だけが通る
※新設する中鴨居や木枠はDIYを想定しています。しっかり木部に固定して下さい
※部屋で干す場合は、十分に換気や除湿を行って下さい

洗濯物を吊す器具としては、MUJI INFILL+でも購入可能な「ワイヤー物干し」を使用することで必要なときだけワイヤーを取り出すことができます。
障子を設置するには少しDIYの技術も必要です。UR団地の賃貸住戸の場合、木部へのビス固定は現状回復が免除されていますので、自信のある方は是非挑戦してみて下さい。
難しい場合は、ワイヤー物干しと同じようにワイヤーを設置しカーテンを垂らすだけでも目隠しとなってよさそうです。

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MUJI INFILL+で購入可能な「ワイヤー物干し」

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明るい窓際に設置された室内干しスペースが備わったMUJI×UR Plan06

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新に縁側を設置したMUJI×UR Plan50

いかがでしょうか?
このようなちょっとした知恵で素敵な暮らしが実現する「団地から考える暮らしの知恵」を随時発信していきます。
みなさんのご意見お待ちしております。