寝室でできることを見直す

無印良品の考えるリノベーション | 2017.5.23

みなさんは住まいの中で、広く取りたい場所はありますか? リビングを広く取りたい。お風呂を大きくとりたい。洗面所を広くしたい。…と、暮らしによっていろいろな要望があるかと思います。しかし、限られた面積の中でそれを満足させていくのは簡単ではありません。どこかを広くすれば、どこかが狭くなってしまいます。今回は寝室の広さについて考えてみたいと思います。

下記は一般的なマンションの、72㎡の間取りです。
寝室は3つあり、それぞれ、5.6畳、5.5畳、4.5畳と一般的な間取りになっています。リビング・ダイニング・キッチンは15畳あります。この間取りだと、キッチン収納が少ないかもしれません。

寝室で行うことは、「寝る」、「着替える」、「勉強・仕事する」、「くつろぐ」、「収納する」といったことが考えられます。上記の間取りであれば、全ての機能が満たせそうです。ですが、全ての機能が必要ではない場合もあるのではないでしょうか。

そこで、寝室の機能を考えて、間取りを分解してみました。

1人部屋

2人部屋

1.7畳

2.5畳

寝る

2.5畳

3.5畳

寝る
勉強する

3畳

4畳

寝る
勉強する
収納する

4.5畳

5.5畳

寝る
勉強する
収納する
くつろぐ

1人部屋の場合、「寝る」だけであれば、2畳あればベッドが入ります。カプセルホテルのような考え方です。壁があるので「壁に付けられる家具」を取り付けて、小物の置き場所を確保してもよいでしょう。入口はカーテンかロールスクリーンでもよさそうです。音が気になれば扉をつけてもよいでしょう。
「寝る」「勉強する」だと2.5畳、「寝る」「勉強する」「収納する」だと3畳、「寝る」「勉強する」「収納する」「くつろぐ」だと4.5畳くらい必要で、一般的な寝室の広さに近くになります。

2人部屋の場合は、それぞれ2.5畳、3.5畳、4.5畳、5.5畳となりました。
寝室を「寝る」だけとして、これを間取り全体で考えてみます。

寝室をベッドのみにすると、ほかの空間を広くとることができました。リビング・ダイニング・キッチンが20畳と広くなり、キッチンの後ろはたっぷりの壁面収納となっています。

収納も各部屋にとるのではなく、共有の収納にしたらどうでしょうか? 共有クローゼットとしてまとめ、洗面脱衣室やキッチンやバルコニーとの動線を整理すれば、洗濯後の洋服をしまうのも効率的です。今回は2WAY動線にしたので、洗面脱衣から共有クローゼットを抜けてキッチンを通り、バルコニーに出られる家事動線としています。

着替えるのも共有クローゼットの中でできそうです。また、玄関横に季節ごとに使わないものや雑多なものを収納すると他のスペースがすっきりとします。収納をまとめることで必要な扉の数も減り、リノベーションコストも下がります。

リビング・ダイニングなどのゆったりとしたくつろぐ空間と、収納などの機能的な空間とを分けて、メリハリをつけることができたのが特長です。「勉強・仕事する」はリビング・ダイニングにそのスペースを設け、子どもにはリビング学習といった考え方もあります。

また、冷暖房を考えてみると、エアコンを各部屋につけるのは非効率です。MUJI INFILL 0のように、住まい全体の断熱性を上げて、家全体がエアコン1台あるいは2台程度で冷暖房できると効率的です。また、家全体の温度差が少なくなり、ヒートショックなどの心配も少なくなります。

みなさんは、どちらの間取りがよいでしょうか。寝室での機能を見直してみると、間取りの可能性が広がりそうです。ぜひ、ご意見をいただければと思います。