家づくりの新しいかたち「MUJI infill 0」

コラム | 2015.5.26

「家づくり」というと、通常は戸建ての注文住宅を新築することを想像するのではないでしょうか。
もちろん「家」の取得の仕方には注文住宅だけではなく、分譲住宅(建売り)や集合住宅(マンション)があり、新築だけでなく中古を取得するケースもあります。
さまざまな住宅の取得方法の中で、「注文住宅の新築」だけが、「家づくり」と呼ばれることが多いのは、それ以外の場合は、すでに出来上がったものを「購入」するからなのでしょう。

これまでも、長年住んで古くなった家の内外装や設備をやり直す「リフォーム」は日常的に行われてきましたが、ここ最近は、初めて家を取得する方々が、中古マンションを購入し、間取り・内装・設備を自分の好きなようにつくり変えて暮らすという、「リノベーション」や「DIY」が新しい「家づくり」として広まりつつあります。

「リノベーション」のメリット・デメリット
新しい家づくり「リノベーション」のメリットは、

・リノベーション費用を含めても、住みたいエリアの住宅を、新築物件より安く取得できる
・自分の暮らしに合わせて間取り・内装・設備をつくり込める

という点ですが、逆にデメリット(不安点)として、

・中古マンションの価格の妥当性と、耐震性や耐久性など性能がかわりにくい
・リノベーション工事をどこに頼めば良いかわからない
・工事価格の妥当性、出来上がりがどうなるのか、目に見えない品質の確保などが不安
・新築のような高額・低金利・長期返済のローンが組みにくい

ということを多くの人が感じているようです。

リノベーションは、出来合いの家を買うのではなく、自分で住空間を構想するわけですから、不動産や建築、素材や家具などへの適切な情報を手にしておかなくてはなりません。
そこで無印良品では、「感じ良いくらし」のための家づくりをサポートするために、家と暮らしのつくり方をみんなで一緒に考えるサイト「MUJI HOUSE VISION」を昨年たちあげました。その中の「MUJI Renovation Club」では、無印良品に限らず、信頼のおけるリノベーション事業者の方々の事例を中心に豊富な事例をご覧いただき、リノベーションの様相と具体化への道筋をご案内しています。

「リノベーション済み中古マンション」の存在
「リノベーション」という選択肢で住宅を新たに取得しようという方々が増えるにつれて、なるべく不安感なく、確実に「リノベーション住宅」を提供していこうという主旨で増えてきたのが、「リノベーション済み中古マンション」です。これは、この分野のプロの事業者が、中古マンションを買い取り、古い内装や設備をリノベーションして販売するというものです。

信頼性の高い企業が取り扱う物件であれば、価格の妥当性や品質・保証の問題も安心ですし、何よりすでにリノベーションが済んでいるわけですから、仕上がりを確認できるわけで、これで、隣の新築マンションより安く、新築マンション同様の住宅ローンも組みやすい、となれば前述のデメリット・不安感のほとんどが解決されるわけですから、賢い家の取得方法の一つと言えそうです。

しかし、この「リノベーション済み中古マンション」は、最初に申し上げた家の取得方法でいうと、あくまで「購入」という部類であって、「家づくり」ではなくなっている、という点が要注意です。
もちろん、リノベーション済みの内容が、自分の暮らしにぴったりであれば、分譲住宅や新築マンションを購入するのと同様で問題はありませんが、「リノベーション」を選んだ理由が、理想の暮らしに近づくために、価格だけではなく「自分の暮らしに合わせて間取り・内装・設備をつくり込める」ことが大きな要素なのであれば、価格的に魅力があっても、購入を考え直してしまうでしょう。

中古マンションを購入してリノベーションする際の建物そのものへの不安はを解消するには、リノベーション済み中古マンションを購入する以外に、一度全ての古い設備を取り払い、スケルトンをあらわにして、配管やコンクリートの状況などの、見えない部分を確認するという方法があります。
この、スケルトンがあらわになったままの状態で事業者が販売すれば、住み手はリノベーション済みの物件より安く購入できて、品質も確認でき、さらに自分の好きなようにつくり込んでいくことができて、とても良さそうです。
しかし、このコラムでも何度か取り上げてきた話題ですが、海外ではこのような売り方(「スケルトン売り」と言います)は、特に新築マンションの場合むしろ一般的なのですが、日本ではそういう慣習がほとんどないため、売り手も住み手もなかなかそこに踏み切れない、という事情があるようです。

家づくりの新しいかたち「MUJI infill 0」
そこで無印良品では、新しい家のつくり方として、自分らしく暮らすためのすっぴんの住空間「MUJI INFILL 0」という考え方を提案しています。
中古マンションそのまま、というわけでもなく、リノベーションを完成させるのでもなく、一度インフィル(内装・設備)を全て取り払い確認した上で、余計な手は加えずに必要最小限の住宅機能を付加し、仕上げ、設備をしつらえて、ゼロにリセットされた状態で中古マンションを販売する家づくりの新しいかたちです。この「MUJI INFILL 0」を購入し、そこから自分流につくり込んでも、そのまま住んでもよい、というわけです。

「MUJI INFILL 0」の状態から自分流につくり込む場合には、無印良品の収納用品や家具、そして自在に内装を編集できる暮らしのパーツ「MUJI INFILL +」、もちろんそれ以外のこだわりの部材を使うことができます。

MUJI INFILL +「麻畳

結果として、売り手事業者は、高額のリノベーション費用をかけずに物件を販売することができ、住み手は、購入するマンションの品質を確認した上で、自分の暮らしに合わせてつくり込める余地のある状態で購入できる、そんな新しい家づくりにつながらないか、と考えています。

この提案に賛同いただいたReBITAとのプロジェクト「MUJI infill 0 リアージュつくば春日」が、このたび完成しました。

すでに立地の良い場所に建っている中古マンションを「MUJI infill 0」で購入し、自分なりのスケジュールとこだわりでつくり込んでいく、という新しいかたちの家づくりが始まろうとしています。
皆さんはこのような家づくりのかたちをどのように考えますか? ぜひご意見をお聞かせください。

今回ご紹介した「MUJI infill 0 リアージュつくば春日」は、2015年5月30(土)よりコンセプトルームを公開します。詳しくは、物件ページをご覧ください。(→ 終了しました)