団地の商店街暮らし、はじめました

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お休み処「えがお」で活動する学生にインタビュー

2024年 7月 9日

お休み処「えがお」で活動する学生にインタビュー

先日、花見川団地商店街でおこなったビアガーデン。津軽三味線の演奏者の方がゲストで来てくださり、団地にお住まいのご高齢の方やご家族の方みなさんでとても盛り上がりました。
告知の期間も1週間ほどしかなかったのにも関わらず、当日200名以上の方々に喜んでいただけるイベントができたので、こんな気軽なイベントを毎月できたらいいですね。

さてさて、今回は花見川団地商店街の新しく生まれ変わったお休み処「えがお」を紹介します。
前回のレポートでも少し触れましたが、お休み処「えがお」とは、商店会が運営しているご高齢の方の休憩所として使用していた場所です。この場所を、学生たちがDIYでリノベーションし、駄菓子屋と学生の拠点を新たに設置しました。
リノベーション後はご高齢の方やこどもたち・学生と多世代の方が集まる場所となりました。
そんな「えがお」を作った学生さんに今回はフォーカスを当て、活動に関わった経緯や思いを紹介したいと思います。
多くの方が関わっているため、レポートを分けて紹介したいと思います。

えがおのスタッフたち

1.活動初期からずっと一緒に活動している中田くん(当時、千葉商科大学の学生さん)へのインタビュー

2.お休み処「えがお」を設計した千葉工業大学の建築会へのインタビュー

3.お休み処「えがお」で飲む「はじめましてブレンドコーヒー」を作った池上さん(当時、千葉商科大学の学生さん)へのインタビュー

まずは2022年の3月からこの取り組みに関わって下さっている中田くんを紹介します。

写真左:中田くん 右:トーリー

トーリー:中田くんよろしくお願いします。ちなみに「なかた」くんではなくて「なかだ」くんですよね。中田くんはいつから花見川団地の活動に参加しくれていますか?

中田くん:そうです。なかだです(笑) よろしくお願いします。花見川団地の活動は、2022年の3月の最初のワークショップが開催されたときに初めて参加しました。

トーリー:本当に初期メンバーですよね。花見川団地の活動に参加してくれてから、2年以上経ちますよね。本当にいろいろありましたね(笑) 花見川団地の活動に参加したきっかけは何だったのですか?

中田くん:いろいろありましたね。当時は大学2年生で津田沼パルコの無印良品(現:無印良品 津田沼ビート)で働いていて、店長から活動の誘いを受けたのがきっかけです。

トーリー:そのころ花見川団地商店街では無印良品の出張販売とMUJI HOUSEとURさんが運営する座談会のワークショップを行っていましたが、それがきっかけだったのですね。活動に参加しようと思ったのはなぜですか?普段から地域の活動に参加していましたか

中田くん:学校外では特に何もしていませんでした。でも、大学の取り組みで、企業に対しての課題解決を行うプロジェクトには参加して、アイデアを出したり・企画を提案したりはしていました。そういうことが得意だったこともあり、学内での企画提案の賞をもらったりしていました。

トーリー:そんな授業があるんですね?賞も受賞しているのもすごいですね。

中田くん:ありがとうございます。もともと活動に興味はあったのですが、学校外で活動する場所がありませんでした。学校では企画を考えるだけで実践することはできなかったので、実動的な経験ができるチャンスだと思いました。授業を受けながら本当に自分が考えた提案が通用するのかなと日頃から思っていたので、とりあえず行ってみようと思いました。

トーリー:そうだったんですね。知らないところに行くのは勇気がいると思いますが一人で来たんですか?

中田くん:当時は一人で行く勇気がなかったので、同じ学校の6人と准教授を誘って参加しました。花見川団地の活動に参加するようになって、今は別の活動に一人でも参加できるようになりました。

昔のえがお

トーリー:花見川団地に来て最初はどう思いました?

中田くん:当時は、この団地に今後人を増やしていくイメージが全く持てなかったです。商店街はシャッターが閉まっているところが多く、何か目的を持ってこようとは思えなかったですね。駅からもバスを使わないと遠いですし、イベントを開催しても周りの人に興味を持ってもらえるのか?という疑問はとてもありました。イベントや取り組みを行うことで、徐々に参加する方が増えてきて、今ではここで活動するのは面白いなと思っています。

トーリー:最初来た時と花見川団地のイメージは変わりました?

中田くん:大きく変わりました。これまで時間をかけてきた分、信頼できる仲間が増え、人の繋がりから新たな取り組みが相乗効果として生まれています。これは来た当初からは想像もつかない事で、携わっている人が総じて同じ目的意識と達成する想いの強さから起きていると感じます。

トーリー:中田くんが誘ってつれてきてくれた学生さんは50人以上はいますよね。中田くんは「ミナラボ」をつくって活動をしていますが、「ミナラボ」ではどんな活動をしていますか?

中田くん:当時私も在籍していた千葉商科大学の学生や、花見川団地に集まっていたメンバーでつくった団体が「ミナラボ」です。「ミナラボ」は「個性で街をクラフトする」という理念のもと、趣味や特技、想いをもつ若者が集まり、個性を活かしながら、花見川団地を中心に地域活動をしています。

これまで行ってきたことは多岐にわたりますが、特に注力してきた事は、お休み処「えがお」での駄菓子屋の運営です。週2~3回をベースに、商店街内で駄菓子屋を開店しています。学生は授業の終わりや休日に店員として携わり地域の子供と触れ合っています。また学生だけではなく、活動に賛同してくれる地域の方を「サポーター」と呼び、その方々と共に世代関係なく店舗運営を行っています。
この取り組みと携わり方は、「ミナラボ」ならではの柔軟な発想と行動力だと思います。

中の様子

トーリー:リノベーション後の「えがお」が完成して、商店街にこどもたちがすごく増えましたよね。多い日は「えがお」の中と前に20人以上のこどもたちがいますよね。本当に良い取り組みだと思います。そもそも「ミナラボ」はなぜつくろうと思ったんですか?

中田くん:「ミナラボ」設立の目的は2つあり、1つは大学生が大学外でチャレンジする環境を作りたかったということがあります。これは実体験となりますが、大学生活の中で、実践形式でチャレンジする機会が得られない事が多々あり、これまで多くの学生と携わってきました。「ミナラボ」は学生のチャレンジする思いを応援し、学生が持っている個性やスキルの違う人と共に目標を達成できる環境を作りたいと思い設立しました。
2つめは、地域の自治体と学生の間に入ることで、学生が活動するハードルを下げることです。地域を盛り上げていきたい思いを持つ自治体は、ご高齢の方が若者を誘致して活動をしていますが、少しの思い違いで協力関係を築けていけないケースがあります。「ミナラボ」は学生同士で誘いあうので活動に参加しやすいのが特徴です。地元自治体や学生の双方の想いを無駄にしない事や同じ目的意識を持ってもらえるように取り組んでいきたいと考え設立しました。

トーリー:本当にたくさんの活動を花見川で行ってきましたよね。「えがお」の運営もそうですが、イベントではこども向けの縁日や謎解きゲーム、ものづくりワークショップなどを行っています。本当に嬉しいのが、大学を卒業して社会人になっても花見川団地に関わってくれていることです。学内のゼミで来てくれる学生さんは卒業すると来なくなることが多いのですが、花見川団地の活動は有志で集まった方がほとんどなので、卒業したり大学院に進んでも変わらず一緒に活動してくれていますよね。中田くんにとって花見川団地とはどんなところですか?

中田くん:私にとって第二の故郷です。まだ、馴染めて知ってもらえているわけではありませんが、それでも顔を覚えて声をかけてくれる方が増えてきました。地元から離れている身としては、とても落ち着く空間でもあります。でもそう思えるのは、花見川団地にいる方が面白い人が多いからなんですけどね(笑)
みなさんもまずは、ぜひ一度訪れて、まずは商店街で各店主と話しをしてみてください。

トーリー:ありがとうございます。引き続き一緒に花見川団地を盛り上げていきましょう!

以上。トーリーと「ミナラボ」の中田くんでした。
次回はお休み処「えがお」を設計した千葉工業大学の建築会へのインタビューです。

このブログについて

千葉県千葉市花見川区に、昭和43年にできたUR花見川団地
マンモス団地と呼ばれる、約5,700戸もある団地住人の生活のを支えているのが、花見川団地商店街。

その商店街に住みながら、新たな自由な暮らし方を発見する「団地の商店街暮らし」のレポートがはじまります。

いままでは商いが中心だった団地商店街で、どんな暮らし方ができるでしょうか。

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