団地の商店街暮らし、はじめました

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お休み処「えがお」で活動する学生にインタビュー コーヒー編」

2024年 9月 30日

お休み処「えがお」で活動する学生にインタビュー コーヒー編」

前回前々回に引き続き、花見川団地商店街の新しく生まれ変わった「お休み処 えがお」で活動する学生さんのインタビュー第三弾です。

第三弾は「お休み処 えがお」を拠点にコーヒーを通じたコミュニティ活動をしている池上くんをご紹介します。
池上くんは、活動当時は千葉商科大学の学生さんで、前々回ご紹介した中田くんと同じ大学で、現在は社会人として働きながら、休みの日を利用して花見川団地内外でコーヒーを通じたコミュニティ活動をおこなっています。今回は、池上くんが大学生時代に花見川団地で行っていた活動や現在の活動について伺います。

写真左から:池上くん、中田くん

トーリー:池上くん、よろしくお願いします。池上くんはいつから花見川団地の活動に参加していますか?

池上くん:大学2年の夏(2022年)からなので2年以上活動しています。

トーリー:花見川団地の活動に参加したきっかけはなんですか?

池上くん:大学のゼミで花見川団地を知りました。学生時代はゼミ研究として、活性化しようと活動している地域を実際に訪れて、行政の方や地域住民の方とコミュニケーションをとり、地域の実態を探っていました。埼玉県、島根県、福岡県などさまざまな地域を訪れ、フィールドワークをしていたのですが、教授に「今、花見川団地でおもしろい取り組みをしている」とお話を伺い、活動に参加したのがきっかけになります。

トーリー:そうだったんですね。最初に花見川団地に来てどう思いましたか?

池上くん:僕は人見知りな性格なので、その場所に馴染めるのかと心配しながら訪れたのですが、みなさん優しくて温かい場所だなと思いました。特に、中屋フルーツの大澤さんが元気で面白い方という印象だったのを今でも覚えていますし、今でも変わらないです。

トーリー:大澤さんは優しいですよね。花団もりあげ隊の総隊長でもある大澤さんを今度紹介しようと思っています。

トーリー:花見川団地を拠点に活動している「ミナラボ」の名前がついた「ミナラボコーヒー」はどういった活動をしているんですか?

池上くん:「想いをブレンドする」をスローガンに地域やブランドの想いをブレンドコーヒーに落とし込む活動をしています。焙煎から商品化まで全て自分たちで行っています。
お店はありませんが、花見川団地はもちろん、千葉県で開催しているイベントに出店をしたり、お店にコーヒーを卸したりしています。

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※ミナラボとは?
千葉商科大学の学生や、花見川団地に集まっていたメンバーでつくった団体が「ミナラボ」です。「ミナラボ」は「個性で街をクラフトする」という理念のもと、趣味や特技、想いをもつ若者が集まり、個性を活かしながら、花見川団地を中心に地域活動をしています。
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トーリー:花見川団地での活動をきっかけに今年4月には成田空港でおこなわれていた「成田コーヒーフェスティバル」にも参加していましたよね。
花見川団地や「お休み処 えがお」で活動してきたことは何ですか?

池上くん:これまで花見川団地では、ミナラボに所属してさまざまなことをしてきたのですが、地域のお土産品としてオリジナルコーヒーを近隣の住民の方と一緒につくり上げたことが一番印象に残っています。最初から地域のオリジナルコーヒーをつくりたいとは考えていなかったのですが、2023年10月に「お休み処 えがお」がリノベーションされ、オープンするとなった時に、駄菓子を目的に集まるこどもたちだけでなく、大人も足を止めて来てくれたら嬉しいなと思い、コーヒーを提供することを決めました。もともと、コーヒーを提供した経験がなかったので、イベントで提供するために資格を取得したり、商品をつくったりとても大変でした。2023年10月のイベント当日は多くの方々に自分がドリップしたコーヒーを飲んでもらいとても嬉しかったです。

10月のイベントでは、コーヒーをドリップする器具が最小限しかなく、常にフル稼働の状態だったため、自宅に帰った瞬間に疲れ切って寝てしまうほど頑張りました。このイベントの時に、花見川団地はコーヒーが好きな人が多いという事が分かり、コーヒーを通して花見川団地に恩返しができないのかと考え始めました。
考えている中で、花見川団地オリジナルのコーヒーができたら、独自性があって地域住民に長く愛してもらえると思い、2023年12月から2024年2月にかけて月1回、花見川団地のオリジナルコーヒーをつくるためのワークショップを開催しました。

「ワークショップの内容」
第1回/コーヒーの試飲
第2回/コーヒーの味決め
第3回/コーヒーのネーミングとデザイン決め

試飲会/商店街に来た人たちにコーヒーの試飲投票
商品完成/ワークショップ参加者と完成したコーヒーをイベントで提供

この企画を考えるためにミトーリ工房で夜遅くまで話し合ったことを今でも覚えています。
ありがたいことに、開催したワークショップ全3回ともに、10名以上の方が参加していただけました。どのコーヒーが「お休み処 えがお」で飲むコーヒーらしいかを集計するための試飲会を開いた時は100名の方々が参加してくださり、嬉しかったです。

池上くん:2024年3月に一般販売した時も大勢の方に自分が淹れたコーヒーを飲んでいただいて、これからもこの花見川団地オリジナルコーヒー「はじめましてブレンド 花見川団地でつくりました。」を通じて多くの方に花見川団地を知ってもらえるよう、今は次の目標に向けて頑張っている最中です。

トーリー:夜な夜な焙煎、本当にお疲れさまでした。地域の方たちとオリジナルブレンドのコーヒーをつくったり、実際にイベントで一緒にコーヒーをドリップして提供したりと、コーヒーづくりがコミュニティづくりにつながっているのがとても良い活動だと思いました。イベント用のお揃いのユニフォームもできましたし。
今まで活動をして、どうでしたか?

池上くん:花見川団地とコーヒーをきっかけにいろいろな方に出会えて、人生の選択肢が増えたと思います。
高校と大学では限られたコミュニティで過ごしていたのですが、花見川団地で活動をはじめてからは、自分とは違う価値観を持っている方とお話しする機会がたくさんあったので、いろいろな選択肢があることを知ることができた場所でした。

トーリー:確かに。こんなに多世代の人と話す場所ってそんなにないですよね。
花見川団地で活動をしてきて、一番最初に花見川団地に来た時と今とではイメージは変わりましたか?

池上くん:変わりました!
特に、花見川団地でコーヒーを通じたコミュニティ活動をしてから変わったと思います。
花見川団地でコーヒーを販売していると、家族のように接してくれる方が多く、「いつか花見川団地商店街にお店をつくってね。」や「社会人やりながらコーヒーをやっていて、すごいけど体調崩さないでね。」など、家族のような距離感で相談ができる環境になったと思います。いつか花見川団地にお店を持てたらいいなーと思ったりもしています。(笑)

トーリー:いいですねー!ぜひ花見川団地商店街に出店してください。
最後になりますが、池上くんにとって花見川団地とはどんなところですか?

池上くん:面白いことや誰かが何かをやりたいと熱い気持ちを持って言ったことに対して、共感をしてくれて一緒に活動してくれる場所だと思います。学生だった僕が、花見川団地のコーヒーを作りたいと言った時も、多くの方々に協力いただいて1つの商品とコーヒーのコミュニティができたのも花見川団地だからできたことだと思います。これからも花見川団地で活動していきたいと思います。

トーリー:お話しありがとうございます。これからも花見川団地でのコーヒーを通じたコミュニティ活動を応援しています。後、池上くんと中田くんには花見川団地の活動を超えて港南台かもめ団地(神奈川県横浜市)でもオリジナルブレンドコーヒーづくりを計画中ですので、そちらもよろしくお願いしますね。これからもさまざまな場所での活動を引き続きよろしくお願いします。

写真左から、インタビュー協力をして下さった、中田くん、斉藤くん、酒井さん、西方路くん、池上くん

以上。池上くんとトーリーでした。
今回で学生さんへのインタビューは終わりになります。次回からは花見川団地で活動する方へお話しを聞きたいと思います。

このブログについて

千葉県千葉市花見川区に、昭和43年にできたUR花見川団地
マンモス団地と呼ばれる、約5,700戸もある団地住人の生活のを支えているのが、花見川団地商店街。

その商店街に住みながら、新たな自由な暮らし方を発見する「団地の商店街暮らし」のレポートがはじまります。

いままでは商いが中心だった団地商店街で、どんな暮らし方ができるでしょうか。

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