団地の商店街暮らし、はじめました

団地の商店街暮らし、はじめました

花見川団地・商店街をもりあげる、花団もりあげ隊とは?

2024年 6月 6日

花見川団地・商店街をもりあげる、花団もりあげ隊とは?

こんにちは。花見川団地商店街のミトーリ工房のトーリーです。
今回は、皆さんにご紹介したい活動があります。それは、昨年に花見川団地商店街で結成して絶賛活動中の「花団もりあげ隊」です。

「花団もりあげ隊」とは、その名の通り、花見川団地商店街をもりあげるために結成されたメンバーで、参加人数は全体で30名程度います。商店街の店主はもちろん、学生、団地居住者、クリエイターや主婦の方、千葉市、UR、などなど。

この、花見川団地・商店街をもりあげる団隊「花団もりあげ隊」通称「花団」ができるまでと活動をちょっと真面目に報告していきます。

「花団」結成まで1年半の活動

始まりは2021年の12月からURとMUJI HOUSEが主催となり花見川団地商店で始まった「花見川団地商店街の未来を考えるワークショップ」です。毎月第2土曜日に有志で集まった人たちと花見川団地・商店街をもりあげる企画を考えます。

「3ヶ月間企画してイベントでトライしてみる、を繰り返す」
ワークショップは2024年3月時点で全25回も実施し、現在も継続中です。
最初のメンバーは商店街店主、自治会、団地居住者、学生、千葉市、UR、MUJI HOUSEの10名程度でした。
まず集まったみんなで共有したのは3つ

「花見川団地周辺のおすすめスポットはどこですか?」
「団地に住んでいてで困っていることは何ですか?」
「商店街に出店するとしたら何屋さんをしたいですか?」

団地の魅力は「団地の桜並木」「商店街のお店」「花島公園という大きな公園が近くにある」「近くにサイクリングロードがある」ということが多く出ていました。
困っていることは、「商店街にゴミが多い」「商店街の担い手不足」「商店街の認知度の低さ」など。
出店は、「パン屋さん」「カフェ」「ファミレス」が特別多くありました。
この3つのテーマをもとに出た答えがこちらです。

「今よりも多く団地にお住まいの方々に商店街にきてもらおう」
「花見川団地・商店街の魅力を団地外の人に知ってもらおう」

そこでできたのが「花見川“なぞとき”散策マップ」です。
その名のとおり、謎解きをしながらまわることができるおさんぽマップです。
団地にお住まいの方々や花島公園利用者、サイクリングロードのサイクリストから商店街に来てもらう仕組みつくりです。

皆さんに花見川団地や商店街の魅力を再確認してもらう為に、団地外の人から見た団地の魅力が描かれた「おさんぽマップ」を商店街で配りました。

花島公園に遊びに来ているファミリーや若い人たちやサイクリストに商店街に来てもらう為、花見川商店街までのルートが入ったマップを作り公園で配りました。

商店街では「はなみがわ団地プチマルシェ」のイベントを開催していて、商店街店舗の軒先出店、学生の縁日コンテンツ、キッチンカー、他にも花見川でカヤック体験も同時開催していました。MAPの「なぞとき」をクリアしてもらった人たちやMAPを持って来てくれた方には商店街の景品が当たるガラガラも用意していて、景品は商店街の商品券やURや千葉市のノベルティ、無印良品の商品などが当たります。

この最初におこなったイベントで集まった企画者は30名程度、商店街に来て参加して下さった人が500名程いました。
最初のイベントとしてはとても賑わいが作れたイベントになったと思いますし、
それよりも、ワークショップ参加者の結束力が上がり一気に仲間が増えた気がします。

このように魅力や課題を前提にアイデアを考え、イベントで検証するという取り組みを2年以上おこなってきました。

テーマは「特産品を作ろう」「サイクリストが来る仕組みを考えよう」「次回のイベントの企画を考えよう」と分科会を作るのと月々のイベントの企画を考える取り組みを行いました。
ワークショップとイベントをなるべく同時開催していたので大小含めると全25回程度実施。ワークショップやイベント参加者にサイクリストや新たな学生などが加わりました。

ワークショップメンバーが花団もりあげ隊へと変わる

月によっては集まる人たちが5人程度で関係者だけの活動報告になっていたときもありますが、回数を重ねるごとに平均20人程度の人が集まり、花見川団地・商店街をもりあげる企画を考える人が増えました。

そんな中、2023年7月にワークショップの参加者が自主的に活動をおこなう「花団もりあげ隊」が発足されて、今までURとMUJI HOUSEが主催でおこなってきたワークショップが花団の主催となり花団未来会議へと変わりました。
その名の通り、総隊長と隊長たちがいて、メインメンバーは商店街店主、団地居住者のクリエイター、学生、新規テナント入居の方々です。

一番大事にしていたことは、「固い決まりではなく、みんなが自由に参加できて楽しめる場所」になればいいなと。
時間があるからふらっときていつもの仲間と楽しい企画を考えて、イベントを実施して、楽しく打ち上げできて。そんなゆるい集まりで花見川には延べ100人以上の人たちが参画してくださって今の花見川団地の活動ができていると思います。
自由な場だからこそ関わった人たちがやりたいことを自由にチャレンジできるのが花団の魅力のひとつなのかなと思います。

ワークショップと花団未来会議で生まれたもの

今まで全25回程おこなったワークショップとイベントの中で生まれたものを紹介します。

「商店街バーガー」

まず代表的なのは、「商店街バーガー」です。
ワークショップの「特産品をつくろう」のチームで考えた企画です。

商店街の課題を解決する為に必要なものは何かを考え、新たに作るのではなく、今ある魅力を活かして出来るもの、「編集」の視点でアイデアを出します。

課題:商店街に飲食店が少なく滞留する人が少ないこと。
魅力:テイクアウトできる専門店が多く、尚且つお店同士が近く連なっていること。

そこで出たアイデアが商店街バーガーです。
花見川団地商店街の専門店を回ってオリジナルのバーガーを作ることができます。

6店舗を自分でまわって作る商店街バーガーは、まずパン屋さんでバンズをもらうところからスタート。
次にお肉屋さんのコロッケ、八百屋さんのトマトとレタス、洋食屋さんのハンバーグ、お肉屋さんのメンチカツと順に進むと商店街バーガーが完成して、最後は喫茶店のドリンクをもらって商店街バーガーのセットが完成します。

2022年12月からスタートして、月1回のイベントで限定30食を販売すると1時間程で完売するほどの人気の商品になり、商店街バーガーを目的に商店街に来てくれる人も増えました。

「お休み処 えがお」のDIYリノベーション

次に「お休み処 えがお」のDIYリノベーションです。
花見川団地商店会が商店街のテナントで運営する「お休み処 えがお」は高齢の方が休憩できる場所として運営しています。

若い方は買い物してそのまま買ったものを家に持ち帰るのが普通ですが、高齢の方が夏の暑い日や雨の日に団地から商店街まで歩いて買い物をし、買い物袋を家まで持って帰るという往復は一苦労です。
そんな時に雨風凌げて休憩できる「お休み処 えがお」は、高齢の方の必要な場所となっていました。
しかし長年運用していると課題も見えてきます。

課題:自由解放していることもありお酒を長時間飲む人やタバコを吸う人、食べ物のゴミをそのままにする人などが目立つようになってきた。
魅力:高齢者の人が本当に必要としていて需要がある。

そこで生まれた取り組みが、「お休み処 えがおのDIYプロジェクト」です。花見川団地商店会から依頼があってスタートしました。
「課題を解決しながら新たにこどもと学生の居場所もつくりたい。駄菓子屋さんをつくりたい。」という依頼内容でした。

花団メンバーは学生がとても多く、特に千葉商科大学と千葉工業大学の学生さんがメインで参加していたので、一緒にプロジェクトを行うことになりました。
それぞれの学びを活かし、千葉商大の学生さんは売り場の売り上げや運営方法、イベントの企画を考え、千葉工大の学生さんはえがおのお店の設計とDIYを考えます。

DIYで新たに駄菓子屋さんと中に入ってくつろげるスペースをつくりました。

DIYが完成した今では高齢の方以外にも、毎日こどもたちの遊びの場所として20~30人の子供達が遊んでいる姿が見られるようになりました。休憩に来る高齢者と遊びに来るこどもたち、その人たちを見守る団地にお住まいの皆さん。
さらに学生の拠点として、学生独自の活動も盛んにおこなわれ、学生の活動団体「ミナラボ」も発足しました。

そんな「お休み処 えがお」は多世代の方の居場所へと生まれ変わりました。

はじめましてブレンドコーヒー

「はじめましてブレンド」は「お休み処 えがお」を拠点に活動する学生団体の「ミナラボ」と考えた企画です。

先程紹介した、生まれ変わった「お休み処 えがお」では、こどもたちは駄菓子を買って楽しめる人気の場所ですが、休憩に来た高齢の方がゆっくりできるコンテンツが無いことに気付き、できるのはなにかと考えた時に出た答えがコーヒーでした。

課題:高齢者の人がゆっくりできるものがない。
魅力:「お休み処 えがお」が、こども〜高齢の方まで集まれる場所となった。

そこで考えたのが、「お休み処 えがお」で飲むオリジナルコーヒーをつくろう、というプロジェクトです。
コーヒーを販売するだけではなく、せっかくなら地域の人と一緒になってオリジナルのブレンドコーヒーづくりがしたい。全3回のオリジナルブレンド珈琲豆づくりのワークショップを経て花見川団地のオリジナルの珈琲豆「はじめましてブレンド」が完成しました。

ただコーヒーを作るだけではなく、商品づくりをきっかけにチームもコミュニティもつくろうという活動です。

活動を続けて行くことでの変化もだんだんと感じるようになりました。

毎月の活動の定着

「毎月第2土曜日は花見川商店街が楽しい!」というキャッチフレーズがあります。
2年間以上、毎月決まった曜日で定期的にイベントを開催することで、今では「今月は何しようか?」「今月は何するの?」というように皆さんの意識も変わりました。

第2土曜日に花見川団地に来たら誰かに会える。花見川団地にふらっと来られるように。
毎月第2土曜日に定期的にイベントが開催されるようになりました。

花見川団地商店街の公式インスタグラムの運営

花見川団地の活動をもっと外の人に知ってもらい、参加者としても参画者としても関わってもらうために2年以上コツコツとInstagramを運営しました。
SNSでの発信が大切なのはもちろんですが、運営が大変で、発信を担当する人の負担になることが多いのですが、花見川団地商店街のInstagramは花団メンバーが自由に投稿することができるようにすることで1人の負担になることがなくなりました。その効果で、投稿数が増えフォロワーも2年間で0人が900人近くになりました。もう少しで1000人になります!

今後の花団の活動

いかがでしょうか?花見川団地、面白くなってきていますよね!
今回紹介した花見川団地で新たに生まれた商品やイベントは、関わっていた人たちを1人1人紹介すると色々なストーリーがあるので改めて紹介していきたいと思います。

他にもまだまだ花団の活動は継続中で、新たな活動も計画中です。

・商店街HPのリニューアル
・商店街のイベント用什器のDIY
・団地にお住まいの皆さんによるフリーマーケットの定期開催
・ビアガーデンの定期開催
・本のイベント
・新しいお店のオープン
・毎月1回のイベント→毎週1回のイベント
などなど・・・本当に一部です。

今までは団地外の人たちが花見川団地の魅力を紹介し、賑わいを作ってきました。これからは、そんな賑わいの団体・商店街に団地にお住まいの方々がもっと参画してもらえるようなコンテンツを考えたいと思います。

今年の2024年4月からは「花団未来会議」が、これまでの花団に関わってきた人たちの活動報告やこれから行うことの発表の場「花団未来セッション」に変わり新規の人も関わりやすい取り組みも行われています。

今後も商店会や店舗と100円商店街やフリーマーケット、ビアガーデン、夏祭り、花見川マルシェなどを企画中です。

急遽開催が決まり、告知が6日間しかなかったギターライブのイベントにこんなたくさんの方が集まってくれました。すごくないですか!?イベントを開催することが決まると、すぐ準備など動いてくださる方も増え、本当に楽しい商店街です。

これからも花団の活動をお楽しみください。

トーリーでした。

このブログについて

千葉県千葉市花見川区に、昭和43年にできたUR花見川団地
マンモス団地と呼ばれる、約5,700戸もある団地住人の生活のを支えているのが、花見川団地商店街。

その商店街に住みながら、新たな自由な暮らし方を発見する「団地の商店街暮らし」のレポートがはじまります。

いままでは商いが中心だった団地商店街で、どんな暮らし方ができるでしょうか。

さらに詳しく

カテゴリー