花見川団地の活動が2025年度グッドデザイン賞を受賞しました。

花見川団地を拠点に進めてきた、ハードとソフトの取り組みが、2025年度のグッドデザイン賞を受賞しました。2021年から積み重ねてきた活動が、このような形で評価されたことを、とても嬉しく感じています。本記事では、今回の受賞した活動内容をご紹介します。

花見川団地が抱える課題と団地を再生させる目的

花見川団地は、昭和40年代に建設された築50年を超える大規模団地です。
長い年月の中で、建物の高経年化や少子高齢化が進み、暮らしの中で人と人、人と社会とのつながりが見えにくくなってきたという課題があります。一方で、団地や団地周辺には今もたくさんの緑や公園、学校、保育所があり、ゆとりある屋外環境や生活の土台が残されています。
この団地がもともと持っている良さやポテンシャルをもう一度見つめ直し、今の時代に合った暮らしとコミュニティをつくっていこう、という思いから、この取り組みは始まりました。

「団地再生物語  築 50年大規模団地の新たな暮らしとつながりづくり」と、題して花見川団地で行ってきた活動は、団地の再生を行うに当たって3つの目的を軸にしています。

・若者を呼び込む住まいを増やす
・多様な世代のつながりが生まれる場へ
・団地を地域に開き、人々が行き交うまちへ


2012年(平成24年)から始まった「MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト」の活動
花見川団地での現在の活動は2021年から本格的に始まりましたが、MUJI×URの取り組み自体は、2012年(平成24年度)にスタートしています。
住戸のリノベーションから始まり、屋外空間のリノベーションへ、さらに人と人とのつながりづくりや拠点づくりへと、少しずつ取り組みを広げてきました。

企業・行政・住民が連携し、それぞれの得意を活かす

花見川団地の取り組みの大きな特長は、関わる人の多様さです。2022年(令和4年度)にUR都市機構、千葉市、良品計画、MUJI HOUSEの4者による花見川団地を拠点とした地域生活圏の
活性化に関する協定の締結に加え、2024年(令和6年度)に花見川団地自治会、花見川住宅自治会、花見川団地商店街振興組合が加わり、7者による「花見川団地を拠点とした地域生活圏の
活性化推進協議会」が設立されました。それぞれの立場や得意を活かし、連携しながら団地のこれからについて考えてきました。
さらに、地域住民や学生、地域企業、デザイナー、サイクリスト、など、多様な地域プレーヤーが関わり、活動の輪は少しずつ広がっていきました。

ハードとソフトを一体で考える

花見川団地の活動は、建物や場所を整えることだけではありません。
ハードとソフトそれぞれのポテンシャルを活かし、住戸のリノベーションや商店街・屋外空間のリノベーションとあわせて、人が集まり、関わりが生まれるきっかけをつくってきました。

住まいや場所をととのえる(ハードの取り組み)

MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト
UR 都市機構と MUJI HOUSE により、住まいのリノベーションを行い、団地での新たな暮らし方を提案。若年層の入居を促します。


MUJI×UR団地まるごとリノベーション
団地の中心に位置する商店街と屋外空間のリノベーションを行い、人々の交流を生む場を整備。暮らしの利便性を高め、地域に開かれた活動の場を提供しました。

コミュニティ交流拠点
団地のスペースを活かし、団地内外の人がゆるやかにつながり活動が生まれる場へ

・コミュニティストア
無印良品の出張販売店舗。生活に役立つ商品を通して、地域とつながるきっかけを。

・コミュニティカフェ
世代をこえて集い、会話が生まれる場所。コーヒーと古本、一坪開業のスペースも。

・コミュニティサークル
「やってみたい」をかたちにする場所。活動が見えることで、新しい出会いも。

人と人をつなぐ(ソフトの取り組み)

商店街イベントとの連携
自治会、商店会を中心に大小様々なイベントを毎月開催。定期的な開催により、人と人が顔を合わせるくらしを創出。

花団もりあげ隊
住民主体の「花団もりあげ隊」が自主的に発足。毎月の「花団未来会議」にて、花見川団地・商店街でどんなコトがしたいかアイデアを出し合い、カタチに。

タウンミーティング
地域のみんなが横でつながり、花見川の自慢やお悩み、やりたいコトを語りあう場。交流拠点のコミュニティサークルを活用し、みんなで地域のこれからを考えています。

商店街の新規店舗の出店
新しく商店街に出店したお店が「花団もりあげ隊」に参加し、地域の一員としてイベントや日々の活動に関わりながら、一緒にもりあげています。

「MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト」の活動年表


・2012年(平成 24年度)
「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」第一弾開始:西日本の3団地


・2019年(令和元年度)
「MUJI×UR リノベーション」住戸供給開始:花見川団地


・2021年(令和 3年度)
「MUJI×UR団地まるごとリノベーション」プロジェクト第一弾開始:花見川団地
「団地商店街の未来を考えるワークショップ」スタート
商店街イベントとの連携


・2022年(令和 4年度)
4者による花見川団地を拠点とした地域生活圏の活性化に関する協定の締結
MUJI HOUSE 社員による「団地の商店街暮らし」モニタースタート
無印良品の出張販売店舗の開設
ワークショップ企画による「商店街バーガー」の販売開始


・2023年(令和 5年度
「花団もりあげ隊」の発足
団地自治会等による「どこでもこどもカフェ」スタート
ワークショップ企画による「お休み処 えがおの DIYリノベーション」完成
ワークショップ企画による「はじめましてブレンドコーヒー」の販売
「MUJI×UR団地まるごとリノベーション」プロジェクト 花見川団地商店街リノベーション完成
無印良品による団地内移動支援「GACHA」の実用試験運行
新規店舗の出店とともに、「花団もりあげ隊」として活動を推進


・2024年(令和 6年度)
7者による「花見川団地を拠点とした地域生活圏の活性化推進協議会」の設立
タウンミーティングスタート


・2025年(令和 7年度)
コミュニティ交流拠点の完成


 

2025年度グッドデザイン賞受賞

地域の取り組み・活動のカテゴリーでグッドデザイン賞を受賞しました。
審査委員の評価コメントは以下のとおりです。

今回の受賞は、一つの取り組みが評価されたというよりも、ハードとソフトを一体で進めながら、さまざまな立場の人たちと連携し、人と人との関係やくらしの場を育ててきた一連の積み重ねとして評価されたと感じています。

住戸や商店街、屋外空間を整えながら、人が集い、関わりが生まれる場を少しずつみんなでつくっていく。

これからも花見川団地を拠点に、日々の暮らしの中で育まれていく関わりを大切にしながら、花見川団地らしい取り組みを、ひとつひとつ積み重ねていきたいと思います。

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