vol.12 丘の家
「無印良品の家」で暮らしている方を訪ねて多摩丘陵の文教都市へ。
アーティストの鈴木康広さんが、眺めの良い「木の家」に会いに行きました。

施工例 | 2013.6.4

エピローグ(編集後記)

どういうところに建てたいか

取材当日は風が強く、東京で「煙霧」という珍しい気象現象が発生した日でした。
(※ 空気が対流して地表付近のちりなどが巻き上げられ、空に煙が立ちこめたようになる現象)
午前中は南面に設けられた吹き抜けと大きな開口部から、斜面に張り付くように立ち並ぶ家々が、そして遠くには丹沢山や大山を望むことができましたが、午後から様子が一変。砂嵐にうす黄色くかすむ風景はちょっと幻想的であり、こうした自然現象をパノラミックに感じることができるIさんの「木の家」をうらやましく思ったのは私だけではないと思います。

土地の立地条件とそこに建てる家の設計は不可分であることはいうまでもありませんが、今回のIさんのケースは正に運命的な土地との出会いがこの地に「木の家」を導いてくれたのではないかと思います。
「木の家」の気持ちよさを最大限に生かす立地。Iさんが「どういうところに建てたいか。」ということを非常に大事にされていたことがよくわかりますね。
今回対談していただいた鈴木さんも、吹き抜けに面した手すりに寄りかかり、広がる景色を眺めながらご自身の家づくりについて思い描いていたように見えました。

さて、取材も終盤に差し掛かった頃、鈴木さんはおもむろに床に広がっていたレゴブロックをIさんのお子さんと一緒につくり始めます。
「レゴブロックってパーツが決まっているけど出来上がる形は無限に広がって面白いですね。」としばらくごそごそとして出来上がったものが下の写真。なんだかわかりますよね。左は当日鈴木さんが着ていたボーダーシャツ、右は、そうです、歯ブラシ。しかも三色ストライプの歯磨き粉まで付いています(笑)。

こんな和やかな雰囲気で進んだ今回の対談。鈴木さんの自由な発想から生まれる住まい観と「木の家」を選んだIさんの感性がどこかでつながっていて、「この号だけで一冊本ができそう」(ライターさん談)というぐらいお話が盛り上がったことを付記しておきます。(E.K)